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未定  作者: Li
13/24

3-3彼について。

「降りるぞ!」


寝かけていた私は慌てて立ち上がる。

ホームに降り立ち、回りを見渡す。

じんわりと、気持ちに不安が広がる。


「ねえ」


「どうした」


「どこ。何の用があるの、ここに」


「まあまあ」


「いい加減にして、帰るよ」


彼は、少し慌てた様子で私のコートのフードを引っ張った。

ようやく話す気になったか。彼に向き直る。


「会いに来たんだ」


「…は?」


「会わせようと思って。君を」


「誰…に?」


呆れたように私を見る。この目だ。

私を不安にさせる。入ってくるなって、言われてるみたいだ。

でも、怯まない。だから、


「わかるでしょ、ここまできたら」


非常に、勘に障った。


「わかんないんだってば!いつも言葉足らずで…

言わなきゃわからないの?じゃないんだよ、言わなきゃわからないのが当然だよ」


はっとする。

また、だ。いつでも楽しく笑っていたいだけなのに。


強い口調になる。

私が、彼の言う「ここまできたらわかる」女でないことに

イライラするんだ。


そっと顔を上げる。私はほっとする。

もう、いつもの彼だ。

そして、彼は少し照れくさそうに言った。


「僕の


父親です」



ああ、そうか。やっとわかった。

今日は、


お墓参りに行くんだ。

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