3-2彼について。
「とりあえず新宿に行って、そこから乗り替えよう!」
「わかった。何処いくの?」
「まー、付いて来なさい。」
「えー。何でー?教えてくれないの?」
「そうだな。」
「何というか、ちょっと言いにくい。」
「ふーん。」
「じゃあいいです。」
「悪いね。ただ、タケノコの里とキノコの里。二者択一を責められたとすると、キノコの里のような気がする。」
「あっそ!!意味分からん!!」
「ちょっと遠いけど、我慢してね。」
二人を乗せた電車はいつものように乗客の安心を乗せたままゆっくりと走りだす。
「なんか今日は落ち着いているね。」
「そうかな?いつもこうだよ。」
「そうかなー?君はいつもふらふらしてる気がするけどな。」
「ははは!まーそりゃそうだ!何せ仕事してないからな!!」
「笑い事じゃない!」
「似た者同士だろ!」
「それを言われると辛い!」
「学校はいいところだよ。色々言われたりするけど。。。」
「そう?私は早く卒業したいよ。」
「あと一年じゃないか!思う存分楽しむといい。」
「言われなくても分かってる!」
「ならいい。」
電車を乗り換える。スイスイ進んで行く彼。私はそんな彼にいつか置いてきぼりにされるのではないかと、不安だ。そのせいで、わざとゆっくり歩く。振り替える彼。私を見つけては手で(カモン!)してくる。そんなの無視だ!!
「お金入ってる?」
「勿論。」
「よし、じゃあ行こう!」
ピンポーン!!!
(正解です!じゃない!!!私。)
心の中で一人乗り突っ込み。
「おい!」
「はい。」
「急げ!」
「はい。」
改札の境界で離れ離れになった二人がいた。
私は急いでチャージしに向かった!(あれ?財布何処だ??)
財布が見つからないまま、私の順番になった。
「大丈夫?」
びっくりする私。彼が横にいた。
「ほれ!」
1000円札を渡された。
「いや。これはちょっと。。」
「ほれほーれ」
「この野郎!!」
紙切れをぶんどってやった!
無事に生還した二人。また電車は走る。安心を乗せて。