表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

区分無し-糸

何も望まぬままでいて。【仮】

作者: RYUITI
掲載日:2014/10/07

 雨の匂いが酷く辺りに満ちている中で、


「もう、終わりだね」と。

力の入っていない声で誰かがつぶやいて、


発砲音が小さく鳴った。




雨がひとしきり降った後の空を見上げながら、


男はため息をついて力を抜いた。

座っていた体勢から段々と崩れて横になる形に変わり、

くえていたタバコも、

もうふやけてボロボロになってしまっている。


男の身の周りは瓦礫に塗れ、

ペンキの様にべっとりと色々な場所に血液らしきものが飛び散っている。

幸い、飛び散っているモノからの匂いはさっきまで降っていた土砂降りの雨のお陰で、

そう充満しているわけじゃなかった。



誰かが言った。

 

「好きだけれど、焦っていただけ」と。


そう言った誰かの声は、

酷く揺れていた。


男の心臓も揺れている。


酷くひどく。


教えたい事が沢山有ると、


あの子の為なら自分の時間を犠牲にしても、

歪み、独特の形状をした檻の中にとり残す事はしたくないと。


そう強くつよく思っていた。


なのに。


月と季節が変わる頃、

男はもどかしさのあまり、

動く、うごく。


唯、男自身を動かしているのは、

偽者の心。


けれど男は、

自らの本心を強く入れ込んで動くことは無い。


何故ならば、

自らがどれ程に鋭く擦れているのかを知っていたから。


男の心は常に背負い、悩み、苦しみ、求める。


他者が忘れているであろう、

人生を観測しているのだから。



今日も男は多くの想いを照らし合わせて考え込む。


「貴方は何も望まぬままでいて」と多くの線に縛られながら。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ