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魔王の娘と勇者の暇人

作者: 島猫

これはとある世界のある物語である。

そこは魔王とその他大勢の戦いが繰り広げられていた。

この世界に勇者など存在せず人々は魔王や悪魔達を目の敵にしていた。

いったい何故勇者がいないのか、理由は簡単………それは勇者がかなりの怠慢の持ち主なのと同時にどこにいるのか解らないのが原因である。

ある日の夕暮れ、十八にも満たない娘が夕暮れの森に一人走っていた。彼女の名前は【迎枝 枝種むかえだしぐさ】魔王の娘である。何故彼女が走っているのかというと彼女は魔王の娘なのだが彼女は魔王の百三人いる内の一人でかなり魔力が低く下等魔物のレッテルを貼られ魔界を追い出されたのだ。しかもその追い出された先は星海騎士隊の本部の近くだったため、今現在追われているというわけだ、ちなみに星海騎士隊とは魔王や魔物討伐の為の超エリート集団で魔王軍と互角に渡り合っている。

枝種は走りっぱなしでちょっとした小石につまずく

「うわっ………ハァハァ」

額の汗を手で拭い再び体勢を立て直した時、フオァンという音と同時に枝種の膝から下が切り刻まれまた倒れる。

「ハァハァ………うっ!」

枝種は疲れきっていて何も出来ずに意識を失う。星海騎士隊や人間に捕まった魔王の娘がどうなったかはあまり知られていないが魔王の血を引いているというだけでそれ相応の魔力があるので彼女等は死ぬまで鎖に繋がれ死ぬまで拘束され自由を奪われる。

話は戻り枝種が目を覚ますと暖かい毛布がかけられておりベットの上だった、枝種が体を起こすと扉が開き一人の男が入ってきた

「やぁ、大丈夫かい?」

男の両手にはコップがあり中はコーヒーだった。男はそれを枝種に差し出す、枝種はそれを受け取ると息を吹きかけて冷ましながら飲んだ。しばらくして枝種が口を開く

「お前…………名前は?」

すると男は

「人に名前を聞く時はまず自分からと習ってないの?」

「あ、すまない……私は、」

「迎枝枝種、でしょ!」

「!!!、な…何故?」

枝種は驚きを隠せず男の方を向くと男は指を口に当て

「さぁ何故でしょう?」

そう言って扉を開けて出る、枝種はしばらく考えてからすぐ近くにおいてあった白布を手に取った。実は男が部屋を出る時…

〔あ、そうそう服はそこにあるやつに着替えてね〕

そう言っていたので枝種は白布を来てみた、見た目はフードの無いマントだった

「フンッあんまり変わらないではないか」

そう文句を言いながら白布を着た枝種は部屋を出る。部屋の外にはさっきの男がいた。

「それじゃぁ迎枝枝種ちゃん、改めまして僕の名前は【アウィン・シルクハント】、気軽にアウィンって呼んでね!」

枝種はアウィンに自分のこれまでの経緯をアウィンに打ち明けた、それは枝種がアウィンを“魔族”だと思ったからだ。基本人間は悪魔や魔物を見ると決まって殺しにかかるからだ、なので枝種はアウィンを人の格好をしている魔物だと決めつけていた。話が終わったところでアウィンが枝種に言った

「う〜ん、君は何か勘違いをしているね?」

アウィンが自分について話す

「まず僕は魔物や悪魔じゃなくて正真正銘人だし、ここは殺しや暴力以外なら何をやってもいい家だし、この辺りにこの家以外の建物や建造物はないし、君がここを出ていこうが残ろうが君の自由だし僕はそれを止めはしないよ、止める権利もないし理由もないからね決めるのは自分だよ。」

聞かされて枝種は警戒した人間だとわかったからだ、しかし枝種はものの数秒で警戒を解いた。何故なら彼が何かしようものならもう何かしていてもおかしくないからだ、枝種はしばらく様子を見ることにした。そしてこの選択が枝種の後の人生にとって幸せをたどる選択だとはまだ誰も知らない。


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