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『剣と魔法と光線銃って!?』  作者: Ark-Royal(Aircraft carrier)
『入り乱れる天空人達の追憶』
31/35

『静寂に咲くあの花のように』ーー最終回後編1ーー

すみません。


最終回後編を、少しばかり長引くので振り分けた事を謝罪し?



マイ「むむう!…かなり待たせた挙句に”これ”はダメダメなのです”」

康介「いや…その突っ込みの前に”いつまで居るんだ?”お前w」

マイ「は、始まり始まりなのですっ!」←(キリッ?


康介「ちょっ!?…む、無視され」

シルビア「……ふ」←




「問題はこの区間がある部分事の詳しいデータが断続的に不足しているって所かしら」

『不足部分なら大体の検討で予想すれば大丈夫じゃね?』

「んもぅ!この先何があるのか予測出来るんなら僕も心配しないわよ!」


 ――一体どのような根拠でその自信が持てるのか。

 ドマーニ国、スコン郊外にある屋敷内。その一室中央付近から長机に設置された液晶を通しながら突貫で付け足したような端末を手早く操作する人物のシルエットが淡い光に照らされている。



 その彼女の表情を横目に同じく康介の元ダライバルでのパイロット教育を過去に勤めた元教官にもなる青年は、不安げに見つめるラスラと違いある確信を持てていた。



 液晶越しからでも見て取れる。普段からの成績等で見れば平凡以下。

しかし、土壇場にて康介の教官でもあり。彼が所属した新型機のテスト部隊を勤めた彼ことダン。

 飛行時間所か正規兵でもある自分自身でもなしえなかったミッション。


 それを不可能を可能にしてしまう数々の経験の記憶を思い出し。安堵する自分。



 似たような状況での彼の神技とも言える、エースクラスに匹敵する天才ぶりを思い出しては「心配ないんだな、なら少し自由にやってみろ」と、横やりがてらに彼女のわきから康介に話しかける。



「ま、今回私が彼を出した責任はあるんだがな、勝利の女神は果たして…」


 ふと煮え切らない様子でこの星にて知り合いになったギルドメンバーの1人。ガゼットは、ラスラを含むメンバーの会話を苦笑し、見つめる。



 遠く離れた場所からの彼の仲間。今現在康介と共に行動するシルビアの無事帰還を胸に、目線を液晶からこじんまりとした白い窓に向ける。

 同行する康介の天性ぶりを信じるが如く、窓越しに薄っすらと地平線を滲ませるオレンジ色の星空を眺めていた。








          ◆





          ◇










「ちぃっ。こりゃぁ…まるでハイスクール時代に熱中していたバトルシューティングよか面白れぇってか?」



 コンソールからの遺跡内部でのマップ情報を無視するような有視界飛行さながらな惨状。

 凡そにして数千度はあろう炎が、荒れ狂う生き物のように広大に広がる空間全体をかき回し。そして彼が今現在駆る脱出用船舶に巨大な壁の如く差し迫る。



「ナッサウさんっ。七番から十六番までのビームポットを開閉!俺が合図したら」


『もうやっている。照射タイミングでの電子ロックは任せろ』



 「流石はナッサウ!」と、その一言を告げる前に、彼女は一番熱源が高い各部分に次々と瞳を滑らし左舷から、更に前方役600ヤードにまで差し迫る熱源ポイントを軽い電子音を響かせロック。


 次々に照準を定めて行き、彼女の真紅の機体上部。及び下部のインテーク付近に設置したハードポイントシステムが稼働。

 眩いオレンジの光跡を残し系34にもなるホーミングレーザーが差し迫る熱源を数ミリの誤差で貫く!



 巨大な果実の如く連続して前方に広がる爆炎と余波。

それ等を康介の巧みな操縦技術で船体を揺るがし突破。



 遥か後方760ヤードをバックに無数の巨大な波紋が広がり倒壊した遺跡各所の数千トンを越す質量の天井とフレームがドロリとひしゃげ、渦を巻き、下方全域に広がる溶解炉と化す。



『ひゅー…こりゃぁまるで恒星探索に赴いた偵察隊の気持ちも分かるな。にしても凄まじい物だにゃぁ』


「エルザスさん。とりあえずはいつ何時この遺跡が核融合爆発してもおかしくないレベルすよ。早くバイパスの接続の確認次第でジャンプし、とにかく」


『分かっている。大丈夫。きっとジェイくんならバイパス接続修理。やってくれる。うん。心配…』


『ないって言う保証あるの!?ねえ、とにかくこの地点を中心に役数十キロは吹き飛ぶのよ!とにかく急いで頂戴!』


「「「了解っ!」」」




 ジェイがこの脱出劇の最後を決める。その確信を胸に刻みながら康介は、突貫にも似た脱出用ランチを機体コクピット越しから操作する。



 本来一般の兵士なら底知れぬ恐怖を生み出すようなゲームオーバーイコール”全滅”。

 そのようなプレッシャーに押し殺される最悪な状況にもありながらも頼もしくも完璧な実戦での技術にエルザスを含むこの船に関わる全クルーが実感していた。



 それが根本的にかのダライバルでの軍隊教育を、ましてや数々の実戦経験すらまともに受けた事もないようなテストパイロット候補生でもある彼は、目を見張るような天性振りをここぞとばかり披露する。



「うし、相対速度が持ち前以上に良好。これなら行ける!しかし後方から迫る熱波を利用すんのも後どのくらい持つか、そんなもん気にしていたらこっからの脱出ミッションのお楽しみがなくなっちまうな」


『前方役786ヤード先に高エネルギー波動検出。遺跡最下層から加速度的に上昇!このまま直進は無理だわ。今直ぐ回避プログラムを此方にって聞いてる?』




 耳を劈く轟音と熱波でキャノピー越しからの視界が歪む中、絶え間なく警告を必死に促すラスラの表情からして今現在航行する区画事地下から来る大規模なエネルギー波動が襲いかかるのは時間の問題だ。




 それを察知しながらも康介は怯まずその僅かに残された可能性に掛け、スロットルレバーを強く握り締め、熱源が渦まく道筋を駆け抜けていた。





          ▽




「まさかな、ラデル・シグザンドにて皇帝なるモナルカ様の忠義を尽くしながらも、行方知れずの反政府の指導者パッシュ師を探し、このような禁断の産物に携わる事になろうとは」



 時折揺れる密閉型の居住区。広さにして100mへいべ四方を無論そこには遺跡倒壊から誘導避難された総勢300名が3箇所に指定され、生命維持装置に守られている。

 不安そうにひしめき合う民間人。更にこの遺跡を根城にしていたとされる盗賊や、その者を拘束しに訪れたメリクリウス帝国の近衛師団。


 その1人にもなる民族衣装に身を包む魔導師の彼も例外じゃない。



 ひしめく人々を横目に居住区の一角にある壁に持たれるよいに落ち着いた様子の人物。そして数名の忠義なる部下を従えながら彼に詰め寄り愚痴を零す。



「歴代の大神官にその名を刻むバーテルともあろう者が何を悩む?」


「貴公を皇帝に差し出す立場の我が逆に情けをもらうとは。メルゥーラの教えを背き我等のこの手は汚れ、忌まわしい”機械”に侵される。ふふふ、もはや神聖なるかの地を踏むことが許される訳は無い…さあ、笑ってくれたまへ」



 数十名の忠義を尽くす部下が見守る中。メリクリウス帝国。その神官を務める1人の魔導師。バーテルと言われたある1人の人物は、この最悪な状況下にそぐわないような数名の少年少女達の希望に満ち溢れた姿を辞任し、眉を潜ませる。



「ほらどいたどいたっ!」


「居住区の皆さん。後少しの辛抱です。もう少し…」


「ジェイ――早く、時間がもう」



 うつ向くように立ち込む避難民達をかき分けるように駆け抜けて行く少年達。

ジェイは、前方で人混みを広げながら駆けるサラを横目にこの区画にて不安を募らせている避難民達に向け、笑顔を返し、けして諦めない強い決勝を差し向けて行く。


 その彼を背中から押し込むようにシルビアが先を急がせながら通過する。



 そして――その彼により区画全体の見えない不安が遠のく様を眺めるバーテルの口元も、少し緩んでいた事に気付き苦笑する。



「絶望に満ち溢れた静寂に咲くあの花のように希望を消さない少年達。混沌渦まくメリクリウスやこの世界を希望に導くようにあのような少年少女達も居る。この世界も捨てたものではないという事か」




 数々の悲劇や惨劇を目の当たりにしては冷め切っている彼の心はいつの間にか、忘れかけていた何かが胸の奥からこみ上げて行くのを実感し。


 ――そして彼は



 つづく!


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