『静寂に咲くあの花のように――』――その14――
さてさて、続けざまにて送ります。
前回に続きます今回はっ?
お互い様々な思考の違いはあれど、ジェイはナッサウとのある作戦の最中。彼女に対し。アンドロイドではなく一人の人としての不思議な感情とともに芽生える大切な仲間としての絆を深める。
そんな最中、刻一刻と差し迫る巨大遺跡でもある移民船の核融合炉の暴走。
はたして康介達は?
マイ「むっ!今回もドラマチックにいくのですっ!」
康介「いや…んなことよかあんたはもろ部外者だろがw」
マイ「むっ?」←(解ってないバカ?
――ブラックホール――
文字通りこの宇宙全体を見てももっとも恒星間航行には不可欠な中性子量と同じくその莫大なエネルギー源の貯蔵庫とも言える。
超新星爆発を起こした恒星。その中心部が自らの重力でつぶれる自然現象。その膨大過ぎる半物質エネルギーに着目し、恒星間ジャンプ。
即ちアンゲロイ。及びダライバル艦船が使用する”亜高速航行システム。
超大質量ブラックホールを擬似的に使用しかの太陽型恒星の100万倍から数十億倍増程のマイナス質量を作り出し次元の歪により役数十億光年の旅を可能にするシステムでもある。
かのウォーズバイト博士が立案し、人類が地球と言う母性から巣立つキッカケともなる。
そして、気の遠くなる時代を経て、神の領域まで達する科学力は、かの銀河を二分するダライバル星間国家連合。そしてアンゲロイ連邦に分かれ対立する極寒の時代へと突き進む。
そう――ごく一部の辺境の惑星。其々の巨大星間国家の母性でもある地球から巣立つ人類と唄われる一種族はこの先に待つであろう滅びのレクイエムを奏でながら――
▽
◆
「全オートバランサー、及び全神経接続オールグリーン。と、マニュアルはっ?…うわ、356ページの」
「どうした?わざわざ機体覚センサーチェックプログラムなんか出して」
後ろから直に質問するナッサウを気にしながらジェイは、今現在二人が搭乗するアンゲロイ制可変戦闘機UG-X004の機体操作プログラムを手持ちのタブレットで取り出す。
「うわ、なにこれ。1550ポンド級液体火薬が満載じゃないですか」
「む?こいつは本来のパイロット側からの指示で敵艦隊。及びその中枢に位置する旗艦狙いな特攻機でもあるからな」
ジェイは、細かなアーム作業用に取り出す機体操作プログラム。その途上に出て来た火器管制制御に冷や汗を流す。
無理もない、今現在二人が搭乗するアンゲロイ制試作機は文字通りのナッサウのような大量生産型での生態アンドロイドにより。
かなりの規模の誘爆で敵中枢を精密に葬る作戦で開発された機体なのだから。
ジェイは、彼女が必然的に口を開き説明する「”消耗品”の重要パーツの一部」と言うワードに一旦タブレットを滑らせていた手を止める。
「む?どうした?何か問題でも、ならばマニュアル操作プログラム。あたしが変わっても」
「いえ、な、なんでもないです」
「そうか」
自分が今現在彼女の膝の上に座る中。心配げに自分に話しかけるナッサウの顔を見つめる。
背中から伝わる暖かい体温。人工的に作られた身体なのも理解はしている。しかし、直に伝わる心臓の鼓動も会いまりバイオ技術的に生産されたマイ型生態アンドロイド。
その、人が死なない為に変わりに過酷な人生を歩まなければならない運命で大量に作られ、最前戦に投入される運命。
ジェイ自身けして自分の人生が幸福でもないが、ナッサウのような定められた人生に懸念する。
「まぁ、ジェイ少年もそうだが余り思い悩むな、それにあたしはあの大尉に出会ったお陰でこうしてお前とも話していられるのだからな、それに人が持つ感情というのも…エルザスにあたしの…」
彼女はその後に続く筈の台詞を小さな唇を噤み飲み込む。少し赤らめた表情を隠すようにキャノピー越しから見える空洞の遥か上方。
そこから覗く二つの月明かりから照らされる光を仰ぐ。
薄っすらと降り注ぐ優しい光に特徴のある青髪から覗く赤い瞳。目鼻立ちが整う美しい顔立が、まるで人が創り出した芸術品にしては幻想的みも見える。
「これで、良かったんだよな、あたしは――」
自らに言い聞かせるように小さく囁く彼女。その美しい顔立ちを不思議な感覚も手伝い眺めていた彼は、少し斜めから自分に向けられた彼女の赤い大きな瞳に思わず目を逸らしてしまう。
「ふふっ、なんだ?」
「いや、べ、別に俺は」
「ほらっ。それよりも、その火器管制での自爆プログラムな、多分作動させても無駄だと思うぞっ。なぁに心配するな、発火ようセンサーは未だ機体に残されてはいるが肝心な液体火薬は機体から全部抜いてあるから大丈夫だ」
ナッサウは、目の前で頬を赤らめながら慌てる彼に可愛らしく微笑む。
そして、年下の後輩を可愛がるかのようにフワリと彼の金髪髪を撫でては嫌がる彼になおも笑ってみせた。
「さて、早い所DA-109を掘り起こしたと同時に康介を呼び。この状況からみんなで又生き延びるぞ!」
「ナッサウさんっ。わ、わかりましたからあまり力いっぱい撫でないで下さいよぅ」
彼女は自然と顔が微笑むのに気付く。この星で産まれ育った機械好きのジェイと名乗る少年と、元ダライバルに所属していた彼と同年齢の康介と名乗る少年。
――そして彼等を取り巻く様々な者達との絆。
出会いはお互いに敵対していたが、そんな頼もしい仲間との巡り合わせに自分が人に創り出されたアンドロイドでは無く。1人の人間としての仲間。
そして、この脱出劇が無事に終了し、新しい仲間と共に人生を人として歩める事を……
◆◇
「俺達はこんな場所で死にたくないっ!」
「これはかのメルゥーラが御怒りになられ私達を!」
「そ、そんな。い、生贄だぁ!誰でもいい、早く生贄を!」
「あんた、あの天空人だろ?だったらこの地震をなんとか沈めてくれ!」
「うっわ…こいつ等って…」
「あのっ。とにかく大丈夫です!私達の誘導にご協力をお願いします!後一時間でこの場所は天井から崩れます。その前に私達が用意する小型ランチに各班の誘導で順番に搭乗をお願いします!」
康介は神やらイカサマやらと騒ぎ立てる人混みを横目に溜息を吐きながらも必死に呼びかけながら臨時的に志願した指導する方々と共に誘導をする。
この作戦の立案者でもあるエルザスは、懐にしまい込む通信機を取り出しては各班の指揮を取る。そんな差中別区画で作業中のナッサウからの通信を受け。近辺で誘導する志願者にある一言を告げる。
康介達が誘導する反対側にもなる東区画にて同じく人混みを誘導するシルビアやサラ。
今作戦の要にもなる康介を自分の居る部署に集結するようにと。
そして、程よくも頼もしくもある一定周期での地響きを立てながら。彼の目の前に向け独自の駆動音に混じり二機の人型の巨人が歩み寄る。
真紅と銀色のバトルアーム。その二機の間に抱えられる全長40メートルはあろう小型脱出艇にもなるランチを軽々と抱えながら。
多少の時間のロスはあるもののナッサウとジェイは無事に任務を遂行し、瓦礫からスピットファイアを掘り出しに成功。
更にこの区画にて放置されている小型ランチを今度はスピットファイアと真紅の機体で回収し、この区画に集められる人々を乗せればと。
エルザスは、そのシルエットを仰ぎ、先ずは作戦の第一段階は成功と少し安堵の表情にもなる。
しかし、問題はこの後に山ほどある事も踏まえながら下顎に片手を添え駆け寄る康介やシルビア達に次の大仕事を告げる準備をする。
「さて、これからが大変な事になるな」と、思わず無意識の内に一人口ずさんでいた。
つづくっ!




