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大切なものを失った伯爵が奴隷のダークエルフ少女を買ったら、いつの間にか最強の領地になっていた……  作者: 積と和〝
第1章 出会い

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11/27

(閑話)屋敷での一コマ

今日は魔物の討伐明けで、私とサラ、サンはゆっくり休養日をとることにした。

討伐の疲れがまだ体に残っているが、幸い天気も良く、初夏の心地よい風が柔らかく頬を撫でる。

空は澄み渡り、太陽の光が庭の緑を一層鮮やかに輝かせていた。


「せっかくの休みだし、少し散歩でもするか」

そう言って、サラとサンを誘い、私たちは屋敷の庭をゆっくり歩き始めた。

花々はちょうど見頃で、バラやジャスミンの香りが風に乗って漂ってくる。

小鳥のさえずりも心地よく、どこか休日の穏やかな時間を演出していた。


すると、庭の奥の方で侍女たちが楽しそうに話しているのが目に入った。

まだこちらには気づいていないらしい。

彼女たちは低い声で、しかし楽しげに何かを話し始めた。


「ねえねえ、最近伯爵様、ちょっとサラに甘くない?」

「いや、あれはかなり甘いでしょう!」

「もしかしてあれは…」

「そりゃやっぱりそうでしょ?」


その声を聞き、サラは瞬間的に顔を真っ赤に染めた。

サンもそれに気づいたのか、小さく頷いている。――サン、今それはやめてほしい!


私は深呼吸をして、できるだけ自然に微笑みを作り、侍女たちの方にゆっくり歩み寄った。

「君たちは…何を言っているのかな?」

柔らかい声で、しかしどこか威厳も混じった笑みを浮かべる。


侍女たちは一瞬で目を見開き、顔色を変えて慌てふためいた。

「な、なんでもありません!」

そう言い残して、彼女たちは必死に走り去って行った。

その慌てぶりはまるで子供のようで、誰かがつまずいて小さな悲鳴をあげたのが庭の静けさに響く。


「姉ちゃん、顔赤いよ」


「う、うるさい!」


私も内心は少し恥ずかしさで熱くなるのを感じていた。


「えー」

サンはにやにやと無邪気に笑っている。

ああ、こいつは本当に油断ならない。


私は深く息をつき、気持ちを落ち着けるように視線を前に向けた。

「…とりあえず行こう」

そう呟き、3人はまた庭の小道を歩き始めた。花の香りと初夏の風が、ほんの少しだけ気まずさを和らげてくれるようだった。

お読みいただきありがとうございます。

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