フィルド・ノーズ市役所① ミドリ視点
「いいですか?」
口酸っぱくセレちゃんが言う。本日3回目、通算5回目だ。
「フィルド・ノーズ市役所は、死神会でも高水準の警備を誇ります。もし正体がばれたら逃げてください」
「無理では?」
「もちろん、私も同行しますので安心してください、煙幕も持ったでしょう?」
僕は手渡された球体の小型煙幕を見つめた。
「まぁ、受け取るだけですぐですから」
「あと、ハニトラにも気を付けてください、死神は美人が多いですから」
「あなたが一番ですけど」
「/////」
「じゃあ、行きますか?」
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僕らは、病室を出て、病院から出ているバスに乗って
市街地へ移動した。
ところで、皆さんは車窓は好きかな
僕は車や電車に乗るとすぐに寝ちゃうんだけど、
寝ようとしたら叩き起こされた。
こんな虚しい事ないよ。
久々にバスから景色を見た。
朝なのに夕方の色をした空と、今向かっている街の
家々の屋根が照らされ、反射した光が眩しい。
この世界にも太陽があるのだろう。
セレちゃんは昨日の疲れからかウトウトしていた。
でも、手だけは離してくれなかった。
そんな心配か? 子供じゃないのに。
しばらくして、バスが停泊した。
「ディープ・スプラウト前〜
ディープ・スプラウト前〜」
どうやら集合住宅の前に止まったようだ。
人々が行き交い、少し窮屈になった。
さて、次のバス停が目的地だ。
セレちゃんはいびきをかいていた。
「フィルド・ノーズ市役所〜
フィルド・ノーズ市役所〜」
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「着きましたね〜」
目をこすりながら、彼女はバスを降りた。
以外とすんなりここまで来てしまった,,,
瞬間、彼女がキリっとする。
「気を付けてくださいね」
「え?」
「もう警戒されています」
市役所の中に入ると出入り口の所に一人、
受付の所に二人、警備の様な人がいた。
「あそこで新聞を読んでいる人もです」
セレちゃんが小声で伝える。
思ったよりも囲まれているらしい。
「ほら、番号札、取ってきてください」
僕は窓口の人に番号札を貰い、待機スペースのベンチ
に腰掛けた。
堂々と、と言われたが正直無理だった。
昨日逃げた時のセレちゃんも、それに追いつく追手も
早すぎて、ずっと目を瞑っていた。
結局、ずっと下を向いたまま順番を待った。
「75番の方〜」
やっと順番が来た、さっさと帰りたい。
セレちゃんは付いてきてくれないらしい、座って待ってる。と言われた。
,,,,手続きは一瞬だった。
昨日の時点で情報をまとめて出していたのだろう。
セレちゃんがすぐ終わると言っていたのも納得だ。
終わったので、セレちゃんに報告だ。
下を向いたままのセレちゃんに話しかける。
おーい
反応がない?
というか周りの人は何処に?
瞬間、僕は服を掴まれぶっ飛ばされた。
僕の上半身が露わになっていて、飛ばされた先の破片がおそらく刺さっていた。
目の前には、巨大な3つの頭がある犬がいた。
おそらくケルベロスという物だろう。
,,,,,上に人が乗ってる!?
「第一フェーズは終了。次は、目撃者の削除かな?」
逃げなきゃ、死ぬだろう。
しかし、足はもう動かない。




