ホントの話
「申し訳ない」
フィンさんは僕に謝った。
今、僕等は庭園にある倉庫の中にいる。
結構なピンチを潜り抜けたのに、なぜ謝るのだろう。
「あなたにたくさんの嘘をつきました」
「はぁ」
「どうかお許し」
「いや、まあ あなたにも事情があるんでしょうし、いいですけど」
「どこから嘘だったんです?」
重そうに口を開け、彼女は話しだした。
「私のホントの名前は、ルスト・セレナーデ」
「あの病院の副医院長です」
「貴方には、この死神界で生きるため、身体に実験をさせて頂きました」
「は?」
「息、できているでしょ?」
「!」
「体の基本的な部分だけですが、肺機能の進化と、脳の拡張ですね」
待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て
「脳の拡張?」
「先程の男、彼は脳にインプットされた能力で私たちを生け捕りにしたのです」
(ちょっと話についていけなくなった。
何? 脳の拡張? 多分やっちゃだめだろ。
そんな事全く望んでないですけど!」
「途中から言葉に出てますよ」
すいません。
「勝手な事をしたのは認めます。ただ,,,」
「ただ?」
「ホントにできるとは思わなくて」
この人、思ったよりもマッドサイエンティストだ。
早く離れないと人体実験させられそう。
でも、まだ話していない事がある。
「あなたをなんて呼べば良いですか?」
「え!? あぁ、セレちゃんでいいですよ」
良かった〜〜〜〜〜〜〜〜
「今ホントにそこ知りたかったんですか!?」
で、これからどうするんですか。
「あぁ、まず貴方には、この世界での戸籍を持ってもらいます」
,,,取れんの?
「結構簡単ですよ、すでにこちらで手配しています」
「なるほど、最初からあっても良いと思いますけど」
「本人が取りに行くシステムです、流石にそこは通しきれませんでした」
「何処に取りに行けば?」
「フィルド・ノーズ市役所です」
「,,,マップください」
「焦らないでください、受取日は明日ですから」
「病室に戻って休みましょう」
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自分の病室に戻ってきた。めっちゃ安心。
「そういえば、これ」
僕は形見の日記を手渡された。
「今日あなたを拾った時に近くに落ちてました」
「ペンはこれをお使いください」
「,,,ありがとうございます」
正直、父の日記よりペンのほうが嬉しいなぁ。




