フィルド・ノーズ市役所② ミドリ視点
死にたくない時ほど、ピンチの時ほど、人は動けないものらしい。
目の前の恐怖を、僕は半ばあきらめて、ただ見つめていた。
「しかし」
上に乗ってる人が話し始めた。
「なぜおまえは、消えない?」
「死神は、この領域内に入ったら半径100M圏内にワープするようになっているはず。」
「お前、なんなんだ?」
やばい、もう一度攻撃が来る。
、、、煙幕を投げて、どうにかなるレベルか?
僕はケルベロスに払われた、もう一度壁に叩きつけられ、少し腹に切り傷ができた。
「む、やはり難しいな、領域は、もう解けてしまうか」
「やっぱケルベロスはやりすぎだったんじゃないか?」
「,,,」
「もう、気絶したのか。」
「死神にしては、弱い男だ」
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頭がうるさい、昨日からずっとだ。
でも、まだ気絶していない。頭の衝撃はもう耐性ついてるんだわ。
それに、さっきまでしなかった車の音がする。
領域だかテリトリーだか知らないが、どうやら解けたらしい。
。。誰か。。。助けて。。。。。
僕は上に手を伸ばした。
なぜか、体が浮いている気分がする。
死ぬときってこんな感じなんだな。
どうせ死ぬなら、セレちゃんの膝の上が良かったな、寝心地よさそうだったのに。
「は?」
信じられない、目の前の男が浮き始めた。
もうケルベロスの攻撃が届かない場所に行ってしまっている。
「実行犯を発見!」
「止まれ!止まらないと武力を行使させてもらう!」
警備が二人か、まあ行けるか。
「ケルベロス、奴らの相手を」
さて、あの上のやつどうしよう。
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浮いてるな、このまま死ぬかな、
ちょっとワクワクするな。
浮いてる時間長っ。
目を開けてみた。確かに天に昇っていた。
上には、瓦礫の破片があって、一緒に浮いている。
まだ、死んでないのか?
あ、破片砕けた。
,,,,落ちてね?
猛スピードで僕は落下していた。
やばいやばいやばいやばいやばい!
どうすりゃいいの?なんで浮いたの?なにこの現象⁉
空中でもがいて、手をたたいた時だった。
「は⁉」
体に芯ができたようだ。
何かのパワーを今、持っている気がする。
僕は、どうしたのだろう。
「うわ!?」
地面を踏んだ。
,,,感覚がする、まだ僕は空中にいる。
しかし、この足は地面を踏んだ。
何かを、踏んでいる。
空を、踏んでいる。
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息切れをしている。
無理もない、俺の能力は
「近くの生物の動きを遅らせる」という能力だ。
あいつは、なぜ生きているのか。
それはおそらく、ケルベロスの動きが遅くなって
十分なパワーが無かったからだ。
だが、奴はダメージ自体は受けている。
奴を人質に、任務を遂行してやる。
だが、奴の能力が分からない、それは危険だ。
だが
ここまで、わざわざ付けた翼で飛んだ。
それだけで良い、奴は殺す。
「目撃者を逃がしてはいけない」
それが俺の、マグダ・レヴィンズのルールだ。




