フィルド・ノーズ市役所③ セレ視点
朝早くに目が覚めた。
こうなると、もう一度眠くなってしまう。
院長にも、眠りが浅く、注意力散漫だと言われたことを思い出した。
バスに乗った私たちは、揺られながら、目的地へと
向かっていた。
道中、夢を見た。
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「どうしても気になる?」
「うん」
「あの子はね、「管理」されてるの」
虚しい、苦しい、自由のないこの夢。
そして、どうしても戻りたかった、学生の夢だった。
「セレちゃんってなんで頭良いの?」
「そりゃ、勉強たくさんしてるからよ」
私は辺境の生まれで、フィルド・ノーズに来たのは
高校生の頃だった。
正直、学校にはいい思い出しかない。
他の誰よりも青春をしたつもりでいた。
しかし、家は最悪だった。
どうしても私を次の院長にしたいのだろう。
親は、私の全てを「管理」した。
そこには自由のない、意味のない生活があった。
次第に「管理」はエスカレートしていき、学校すら
行けなくなってしまった。
勉強勉強勉強勉強勉強、まだ勉強勉強勉強勉強。
頭がおかしくなりそうだった。
卒業後、私は家出をして、自由になった。
色んな事をしたが、ゆく先々で友達に会った。
,,,すでに友達は就め先を決めていて、私は、将来の
自由と不安を天秤にかけ、家に戻って来た。
そこから副医院長までは一瞬だった、親の影響だろう。
「私は何がしたかったの?
何のための家出だったの?」
それだけが、疑問に残ってしまった。
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目を覚ましたら、市役所に着きそうだった。
正直まだ眠い。
重い体を動かし、バスから降りる。
今は、彼を守らなくてはいけない。
院長の、ーー父の命令だ。
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番号札を取って、私は席に着いた。
ここの手続きは相当時間がかかる、
もう一眠りしようか。
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次に目を覚ますと、私は外にいた。
起き上がり、市役所前だと気付く。
急いで辺りを見渡す、彼を探す。
ーーーフィルド・ノーズ市役所は、全壊していた。




