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最終日 墜落
あなたには何が起きたか分からない
ただ太陽が急激に離れてゆくのが見えるだけ
あなたの上にいるのはお日様だけのはずだった
いまや雲も山も凄まじい速さであなたを追い越し
あなたの代わりに天へと駆け上がる
その羽搏きひとつで自在に空を泳げるはずが
体中から力が抜けてゆく
そこであなたは気付く 胸に穴が空いている事を
先ほどの白光があなたの胸を貫いたという事を
墜ちるあなたの体は古木の枝によって打ち据えられる
何度も何度も強く強く
その度に光の欠片が舞い上がる
それはあなたを覆っていた羽根
雪のように白かった羽は見る影も無く汚れている
土や埃やあなたの血で
それでもなお残る光がひらひらと舞い落ちる
枯れ葉の褥に横たわるあなたに




