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最終日 霧の中から
「兄者、さきほどまで黙って我らの話に耳を傾け、己が罪を認めたかに見えた魔女が、急に大声をあげたかと思えば急に黙り込んでおりますが、いかがいたしましょう?」
「喚いたり黙ったり、変化が急すぎて不気味ですが、魔女とはこんなものなのでしょうか、兄者?我らに囲まれながら臆するところがないのも薄気味が悪いと申しますか、あくびまで漏らしておりますが…」
「今、通期手形を3万ビラで購入してすぐに2万4千ビラに値下げされた哀しみについて議論しておったのに邪魔をするとは、許さんぞ魔女めが!弟たちよ!三連撃だ!慈悲など掛けず、初めから討ち取っておれば、このような腐臭漂う霧に巻き込まれずに済んだのだ…ゆくぞ!我ら兄弟、生まれし時は違えども、死すべき時は同じであれ!いざ必殺の」
金色兵の決め台詞は、霧の中から現れた緑色の手に阻まれ、言い終わること無く、途切れた。




