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最終日 午前7時
「それでは、これより係員の誘導に従って、列を乱さず、ゆ〜っくり歩いて下さい。くれぐれも、前の人を追い抜こうとしたり、走り出したり、横に広がったりしない様にお願いします。怪我をされても治癒術師はおりませんので、手当ては出来ません。自己責任になります。ここまで来てそんな悲しい事の無いように、ゆ〜〜〜っくり歩く様にお願いします。繰り返しになりますがゆ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っくりお進み頂きます様、お願いします。」
列の先頭付近にいる警備兵の一人が、黄色い拡声器型の魔道具を使い、広場全体に呼び掛ける。が、余りに長過ぎる列では聞こえ方に斑がある。先頭集団は「そんなに大声出さ無くても聞こえます」の構え。その後ろからは
「何かごちゃごちゃ言ってるけど聞こえない」「もっと音量上げろ」「音割れしてるから、道具を買い換えろ」と言う反響ばかりが返って来る。そして、長蛇の列の最後尾は、そもそも聞こえておらず、前方から移動の準備…荷物を鞄に詰めたり、椅子を畳んだり…が始まったのを見て、そろそろか、と動き出す。いくら呼び掛けても、場の興奮を収める事は出来そうに無い…




