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最終日 午前6時34分

女は、突き出されている笏の先端の、光っている四角の区切りに、円鏡をくっつける…ピッ、残高3890ビラ

「…あの頃は、分かったつもりで動いてたけど、やっぱり動揺してたのかなぁ…」

赤ら顔のおっさんには、何かを貼り合わせた跡の様な線が、体中に浮き出て見える…そして、ぼんやりと光っていた…体の内側から。

「こんなのが見えて無かったんだもんね…」

女の直ぐ後ろに並んでいた親子連れが、こらやめなさい張りぼてを叩くんじゃありません!壊したらお金を取られるよ!と騒いでいる。

「子供にだってわかるのにね…ハリボテか…ネプタ…客寄せの作り物…異世界だから[ほんとに居るんだ]って思い込んだ私が悪い訳で…でも何で駅に置くの?苦浄駅にはホトケサマみたいなのが居たし、変転鳥駅はデカくて青い鳥的な奴が座り込んでて、邪魔だったし、こんなの嫌がらせじゃ無い?」

もう最後だから、どうでもいいけど、無駄に大きくて通り難いでーす…それと、何で石塔型なんだか…ボヤきながら腐臭が充満する中を、ホームへ急ぐ。

「半年、よう頑張ったな。終いまで油断したらアカンで」

もう一度叩こうと、振り上げていた手を止め、子供はじっとハリボテを見つめている。母親は何も聴こえなかったのか、早くしなさい!と子の手を取り、連れ立って改札を通る。





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