表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
揺り篭  作者: 紅茶
16/18

解体はハイエルフが

ギルドマスターとシャル、ベルは部屋を出て、解体部屋へ向かった。解体費用は魔物のランク事に異なり、

F級魔物は鉄貨1枚

E級魔物は鉄貨5枚

D級魔物は銅貨1枚

C級魔物は銅貨5枚

B級魔物は銀貨1枚

A級魔物は銀貨5枚

S級魔物は金貨1枚

となっているようだ。

買取価格からしても、かなり良心的な価格設定である。

今回の二人の解体費用は

A級魔物が

ブラッディベア1

ポイズンスパイダー12

フローズンビー7


C級魔物が

メタルスパイダー8

キラーバタフライ5


ということで、

A級魔物が20匹で金貨10枚と

C級魔物が13匹で銀貨6枚と銅貨5枚

となったため、ベルたちは受付で二人で1650リンを割り勘して支払う。

(ベルの支払い金額825リン)


そしてギルドにいる人たちは僕たちのことを凄くちらちらと見てきている。

「シャルだよな?」

「女連れ?」

「私のシャル様…」

「貴族みたいな髪だな。」

「シャルの奴いい女捕まえやがって羨ましいぜ…」

などなど、小さな声でコソコソしているようだが、ベルの地獄耳にはその声がよく響いた。

(めっちゃ見られてる…)

(…男だって言う?)

(面倒になってる自分がいる)

(俺は女避けにちょうどいいと思ってるよ?)

そう言ってシャルはにこりと笑う。

(僕を女避けに使うなんて…)

「おい、お前ら、勘違いだ。こいつ、男だからな?」

ギルドマスターがギルドにいる人に向かって声を浴びせる。

「「「男おおおお!?!?!?」」」

「嘘だろ!?あの見た目で!?」

「いや、でもたしかに女にしては体格が…」

(僕…そんなに女に見えます?)

(…。髪が長すぎる。髪の長いやつは男にもいるが、そこまで長いやつはあまり見ないし、伸ばしてても髪留めを使っているぞ。)

そう言われて結ってある腰あたりまで伸びた髪を手に取る。

(確かに長すぎるかも…?髪留めは壊しちゃったんだよね…)

そう、元のベルーナの持ち物であっただろう髪留めはダンジョンでの(リュカオン)との戦いで壊れてしまったのだ。本当にベルーナには申し訳ない。今はアイテムボックスの中に保存されてある。

(切りたくないならそれでいい。ただ、まとめておいた方が戦闘には良い。切りたければ、そうだな、肩辺りまでは切った方がいいかもな。)


髪を伸ばすのは貴族令嬢か男児であることを隠すために女児として育てられた貴族令息くらいである。多分ベルーナ・クラークはクラーク家の長男だったのだろう。クラーク家だとバレたとしてもベルが祝福を持っていないようにみせるために令嬢として育てられたということだろうとシャルは考えた。これをベルに伝えるべきか否か。いや、…伝えた方がいいのかもしれない。クラーク家だとバレる可能性がないわけではない。しかし髪を切ってからクラーク家の嫡男だと知られた場合、祝福を受けている可能性を疑われるということである。


(ベル、クラーク家は…)

シャルは自身の考えをベルに伝える。クラーク家の事情、クラーク家の男児と明らかになると襲われてしまう可能性があること…。


(…なるほど。苗字は明かすつもりはないけど、気をつける。まぁ、いざとなればシャルもいるし、助けてくださいね?)

(それはもちろん。何か分からなかったらすぐ聞いて欲しい。)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


解体部屋には、1人の眼鏡をかけた緑髪で耳の長いエルフと数名の人?エルフ?がいた。「おや、初めまして。マスターから先程聞きました。ベルさんですね。私は副ギルドマスターのマーリン。解体部門の統括の方を任されております。シャルさんも、ご無事でよかったです。」

そう言ってマーリンさんは微笑んだ。

「初めまして。ベルです。」

「マーリンさんも、元気そうでなによりです。」


(マーリンさんって、エルフ…ですか?)

(マーリンさんは、ハイエルフの純血だ。純血はこの世に5人しかいない。)

(絶滅危惧種じゃないですか…!?ハイエルフと、エルフって…なにがちがうんですか?)

(ハイエルフは金髪〜翠髪で翠瞳、エルフと同様尖った耳だが、見ての通りエルフよりかなり長い。エルフは生きて1500年だがハイエルフはその倍は生きる。あとは、そうだな、ほぼ精霊のような存在で特定の場所に留まることを嫌うから、自由に暮らしてる。ハイエルフは5人しかいないからどこかに捕らえられてもすぐバレる。なんなら捕まるなんてヘマしないし逆に制圧できるくらい強いから、こうやって堂々と生きてるんだ。)

(…。なるほど。すごいエルフなんですね。)

(そういうことだな、エルフがハイエルフになるという話も聞いたことはあるが、神の祝福が必要らしい。)

(…祝福ですか。)

(ああ。ベルが受けているそれだ。人間は上位種が存在しないから、進化のようなものは無いようだな。)


ベルとシャルは魔物の死体を取り出す。

「おお!これはすばらしい紅色!!さぁ皆さん、お仕事ですよ!」

はじめに取り出したのはブラッディベアである。

深紅であればあるほど強いその魔物はハイエルフのマーリンさんですら驚くほどの赤だったようだ。

解体はスルスルと進み、マーリンさんの腕の良さが際立っている。

「結構数が多いから、ご飯でも食べてきていいよ」

と言われたので、シャルとベルは解体部屋を抜けて夕ご飯を食べることにした。


「いいところある?」

「そうだな、ちょっと高いが、天ぷら屋というのがある。どうだ?」

「天ぷら!いいですね。僕それすきです。行きましょう!」

5分ほど歩いただろうか。レンガ造りのその建物からは天ぷらの香りが漏れ出している。

エビフライの模様の入った看板に、

[フィンリーの天ぷら屋]

という文字が書かれている。

街の名前+店の種類という、なんともシンプルすぎるネーミングである。

店に入ると結構栄えているようでお客さんがかなり居た。ある客はワイン片手に天ぷらを食べている。

「ワインに天ぷらとか聞いた事ないです…。」

「エルフは酒と言ったらワインだからな。それ以外はあまり好まない。まぁ、それ以外の酒もここは置いてあるが、俺もワインの方が好きだな。」

「そうなんだ…」

「ベルは19歳だよな?俺と同い年だから、もう酒は飲めるぞ」

「やっぱり飲酒には年齢制限が?」

「あぁ。18歳からとなっている。エルフからしたらまだまだ子供だが、人間のルールと合わせている。」

「そうなんだ。エルフは何歳から大人なの?」

「そうだな、50は超えないとな?」

「50ですか、100歳くらいを想定してた」

「100か、まぁ、1人前になるにはそのくらい必要かもしれないな?」

(だが、混血のエルフは短命で、150年程しか生きられない。)

(純血の1/10じゃないですか!)

(そうだ。ハイエルフほどじゃないけど、エルフは数が少ないから、このまま混血化が進むと絶滅しそうだな。)

(それは…混血化を止めないといけませんね。)

(…あぁ、そうだな。)



ベルとシャルは席につき、メニューを選ぶ。

天ぷらというより、揚げ物が多くあった。

ベルは山菜の天ぷらの詰め合わせととり天を選んだ。

山菜の天ぷらの中には大葉の天ぷら、さつまいもの天ぷらなどが入っていた。とり天は小ぶりだが、サクサクとした食感で美味しい。

シャルはうずらの卵やメヒカリの天ぷらなど手馴れたように個別で選んでいた。

メヒカリという魚の天ぷらは食べたことがないような気がして、1口頂いた。ベルは魚といえば焼くか生で食べるのが好きなので、天ぷらというのは新鮮だったが、軽い食感でとても美味しかった。


食事が終わってギルドの方へ向かうと既に解体が終わっていた。

マーリンさん達、さすがの速さである。

「ああ、お待ちしてました。終わりましたよ。」

そう言って剥いだ皮や殻を見せてくる。ほかの職人さんには付いている血がマーリンさんには全く付いていない。

マーリンさんは非常に優秀な解体人らしい。

「ありがとうございます!」

「いえ、うちの職員のよい特訓になりました。素早く正確に、それが解体人の流儀ですから。」

マーリンさん、素敵かよ。



マーリンの生物ノート


(ハイエルフ)

初代ハイエルフは精霊と人間から生まれた。

エルフの上位種。

強い精霊の加護を持つ。

金髪〜翠髪 翠眼

長く尖った耳


(ブラッディベア)

A級魔物

肉食系動物(熊系)が魔物化したもの

毛皮が赤ければ赤い程強く、高価である。

爪は脚1本に5つ。木を簡単に切り裂く。鎌に加工される。

魔石は赤い血の色。火の魔道具に使用される。




所持金328585リン




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ