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水龍討伐

翌日。

冒険者ギルドに行くと、水龍討伐依頼が一番目立つところに貼られていた。


その前に立つ濃いブルーの髪の男。あ、アデルモだ。


「おはよう、アデルモ」

声を掛けると、アデルモは左手を上げて答えた。アデルモの隣にはオルランドがいた。オルランドは「夜明けの希望」のメンバーの一人。むっきむきな筋肉さん。短く刈った茶色い髪をしている。年齢はアデルモよりも10個くらい上らしい。

噂ではアデルモに仕えていた執事なんだとか。

ほんとかウソかはわからない。


夢で見る二ホンの世界には、インターネットっていうものがあって、スマホとかパソコンとかを使って、なんでもすぐに情報を集められるみたいだ。

けれど、こちらの世界には、当然、そんなものはない。

誰かの事を調べるには、いろんな人に聞いて回らないとわからない。


私みたいに、猫耳がバレるのが怖くて積極的に知り合いを作れない感じだと、情報レベルはどうしたって低い。


水龍討伐の依頼を見上げる。

『討伐対象:水龍と思われる巨大モンスター』

『場所:シンビリッツィ湖付近』

『推奨パーティー人数、15人』

『報酬金:大金貨15枚』

ほう、大金貨15枚かあ。金貨に換算して60枚。銀貨に換算すると2400枚だよ。

一人当たり大金貨1枚って計算だから、一か月は遊んで暮らせるね。

前のアースドラゴン討伐は大金貨7枚で、10人のパーティーで討伐に行った。一人当たり金貨2枚と大銀貨8枚。これでも日雇いの労働者なら1か月分の賃金に相当する。


「サーラ、水龍討伐に参加するか?」

オルランドさんが私に声を掛けてきた。

「報酬は・・・一人大金貨一枚か。まあまあだね」

オルランドさんが首を横に振った。

「いや、一人大金貨3枚だ」

「え?だって、15人パーティー推奨で、報酬が・・・」

「だが、依頼を受けたのは我々夜明けの希望だけなのだ。今回に限って応援は見込めない。つまり我々4人、サーラが来てくれて5人」

「なんで・・・」

「サーラは昨日、街にいなくて知らなかったのだろうが・・・。西の交易路がバッファローの集団に襲われて通行不能になった。おそらく魔物化したバッファローだろうということで冒険者が集められてな。皆が出払っているのだ」

「なるほどね。待てばいいんじゃない?バッファロー退治の人達が帰って来るのを」

「ところがそうも言っておれん事情があってな」

聞けば水龍は湖から移動をしているらしく、フォクシー村が襲われるのは時間の問題のようだ。そのため、フォクシー村を守るだけでもいいので、即時出立出来る冒険者を募集していたらしい。

「バッファロー退治のやつらが帰ってきたら援軍として送り出すからよ。それまで持ち堪えて欲しいって、まあ、そういうわけよ」

いつの間にかギルド長が後ろに立っていた。

ギルド長は、元冒険者。50近くになって冒険者家業がしんどくなってきた頃に、仲間の取りまとめがうまいからっていう理由でギルド長に推薦された、おっちゃん。見事に頭も禿げている。サザエさんの波平さんみたいな感じだよ。

「ギルド長直々の使命だ。運よく水龍を倒せれば大金貨15枚。倒せなくともフォクシー村への被害がほとんどなければ、一人大金貨1枚を支給してくれるってさ」


フォクシー村防衛任務か・・・


「防衛つっても、村から離れた場所で水龍の進路を変えるのが主任務になるだろうな。2日間、バッファロー退治から戻って来るまでの2日間、フォクシー村に被害を出さなかったら一人大金貨1枚。その後、応援の者達と共同で水龍を倒したら、その分の報酬は別に支払う」

ということは、防衛で大金貨1枚、討伐でさらに大金貨1枚か・・・。

まあ、最初から倒してしまえば大金貨3枚だけど。さすがにそれは無理があるよね?


そんなわけで、私は夜明けの希望と一緒に水龍討伐(フォクシー村防衛任務)に出発することになった。

片道1日、アデルモ所有の馬車で向かうよ。


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