困惑
洞窟の中。
やつらは、きっとこの中だ。
飛び込むと、真っ暗な洞窟の中に気配がはっきりとわかった。
魔力が光って見える。
巨大な人工魔石と、幾重にも張り巡らされた魔方陣だ。
金属製の大きな筐体に守られたそれは、洞窟一帯に魔力を供給していた。
そうか!
これがゾンビを生み出していたのか。
直感的に感じた私は、考えるよりも先に飛び込んでいた。
小屋ほどの筐体に、私は体当たりをする。
それは簡単にバラバラになった。
魔方陣が機能を停止していくのがわかった。魔力の流れが、見える・・・
私は洞窟の外へ出ると、残ったゾンビたちをゴミでも片づけるようになぎ倒して始末した。
そして、私は気を失った。
再び目覚めると、どこかのベッドの上だった。
かび臭い匂いがしていた。
それと、何か温かい腕の感触。
腕?
はっとして立ち上がる。
「アデルモ?」
半裸のアデルモがベッドの上にいた。
え?
いや、え?
私もハダカだ?
私は一糸まとわぬハダカだった。
「いや、いやいや、なに?」
よくわからず、服を探す。
ない!
「落ち着いて、サーラ」
起き上がったアデルモが私を見つめる。
「いや、見ないで!」
「ああ、ごめんよ」
そう言って目をそらす。
「サーラ、君は倒れていたんだ。洞窟のそばの小道に」
そう言いながら、アデルモは頭をかいた。
「その、何故かハダカで・・・」




