表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/81

殲滅2

「サーラ、場所を変えよう」

ベアちゃんが叫んだ。

「何処に?」

叫び返すと、ベアちゃんはステップを踏んで移動を開始し始めた。

私は、慌ててランプを掴むと、あとに続いた。

ゾンビどもは、私達を追いかけてついてくる。

「サーラ、ゾンビは纏めて焼いてしまうのが一番効率がいい。だから、出来るだけ開けた場所へ出たいんだ」

私は考える。

この辺りで開けた場所と言えば、洞窟の前にある広場だ。


以前、お父さんに聞いた話では、イブレア村が出来る以前、この辺りはゴブリン集落があったらしい。


洞窟は、ゴブリンの棲みかで、元々は自然に出来たものらしいけれど、ゴブリンによって人為的に広げられたのだろうと言っていた。


洞窟前の広場も同じようにゴブリンによって作られたんだろう。

ゴブリンの知能は低いけれど、仲間意識は強く、統率も取れている。

洞窟前では、ゴブリン達が集会をしたり獲物を分けたりしていたんだろう。


ちなみに、ゴブリンは道具を作るのは下手だけれど、使うのはそこそこ出来る。

なので、人間の里から道具を持ち去ることも、まあまあ多い。


まあ、そのへんもゴブリンが嫌われる理由の一つだね。


私的には、ゴブリンの雄の見境のない性欲の話の方がトラウマだけど。


いや、そんなことより。


「洞窟の前まで案内する!」


「ん?いや、でもそれって」

ベアちゃんが何か言いかけたけど私は走った。

ここからなら、洞窟は遠くはない。

「ほら、もうすぐ見えてくるはず…」

そこには、洞窟の入り口が夜中の暗闇に、ぽっかりと口を開けていた。

「いや、そうだと思ったよ」

ベアちゃんがため息をついた。


そこには、洞窟前にうじゃうじゃとひしめくゾンビ達がいた。


そいつらは、私達に気付くと、キシャーとかなんとか奇声を上げて襲いかかってきた。


「サーラ、敵の真っ只中へ飛び込んだんだよ」

ベアちゃんが剣を構え直しながらため息をついた。

「あ、ごめん…」

「まあ、いいよ。どうせ全滅させるつもりだったし。インフェルノで焼き付くすよ、いい?」

「う、うん。わかった」

詠唱を開始する。

ベアちゃんも詠唱をしながら手振りで敵を挟み撃ちに出来る位置を示す。

洞窟の入口に近い方にベアちゃん。

逆側が私。

二人一組で移動してきたから、距離が出来るのは少し不安だったけど、すぐにその弱気を押し込めた。

私は距離を縮めてきたゾンビに剣を振る。

剣は得意ではないけれど、お父さんに習って一応は型はできる。

牽制は効かないゾンビだから、弾き飛ばすつもりで大振りで薙ぐ。


詠唱完了!


「インフェルノ!」


範囲魔法のインフェルノ。

集まっていたゾンビを瞬く間に消し炭にする。

けど、数が多すぎた。

わらわらと洞窟からゾンビが現れる。


いや、ちょっと待って?どうなってるの?

私はあせっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ