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ゾンビ

「で、どうするの?殲滅する?」

「まあ、待て。今のところ、やつらは動き回っているだけで襲っても来ないし破壊活動もしていない。出来ればやつらの出所を知りたい」

「出所って・・・。追跡するつもり?」

「もちろんだ」

「噛まれたらゾンビになるよ?」

「・・・ならないって」

「わかんないよ?ベアちゃん、自分で病気みたいなもんって言ったじゃん」

「だから魔力持ちは影響されないって言ったでしょ」


しばらくの間、そうやって観察を続けたけれど、ゾンビたちは動き回るだけで何もしていないように見える。

こちらに気付いている様子もない。


とにかく体力勝負ってことで、交代で休むことにした。

1階の正面出入口も補強して、みんなで二階に上がり、4人がベッドに入る。


ゾンビが引き上げるような素振りを見せたら追跡を開始する。


追跡は二人一組で行う。

追跡に出る時は、誰かを起こして見張りにする。


そんなわけで、ベアちゃんとジャンニが最初の見張り役。

私達はベッドに戻る。



でも、緊張して眠れないよ・・・。

とにかく横になっているだけでも、と思うけど、一向に眠気が訪れない。


そもそも4時間くらい寝てたわけだし、一度覚醒してしまって全然眠くないよ・・・。


時々、ベアちゃんとジャンニが小声で話をしている。

何を言ってるのかまでは聞き取れないけど。

耳がどうとかって、いうのと、ベアちゃんが少し楽しそうなのがわかる。


開けた窓からは、外の気配がする。

静かな森の村。

こちらの雰囲気はとても気味が悪い。

足を引き摺るような音。たまにうめき声のような・・・。


ベアちゃんには言わなかったけど、蠢くゾンビ達は、元村人ではない。

たぶん、言わなくても気付いているっぽいけど。


だって、ゾンビ、腰に剣を差していたもん。

ボロボロになっていたし、月明かりではっきりとはわからなかったけど、あれは盗賊だろう。

冒険者にしては身なりが悪いし、そもそも対魔物装備と対人装備では似ているようで違う。

それに・・・。イブレア村の村人は魔力持ちが多かった。

火を起こしたり、水を出したりっていう生活魔法程度だったけどね。

村の女性は、お母さんから生活魔法を習っていた。

男たちはお父さんから攻撃魔法の講義を受けていたし、魔素濃度が高い地域柄、そういう人達が集まったのか、とにかく、魔力ゼロって人は知ってる限り、いなかったんだよ。


盗賊って、冒険者にもなれなかった人達が追い詰められてやる仕事、と言われている。

そして盗賊は、今回のイブレア村のような、人が住めなくなった村なんかで略奪をすることがある。


つまり何らかの原因で、イブレア村に略奪にきた盗賊の一味が全滅してゾンビになった?


だめだ。

やっぱり眠れない。


ごそごそと起き出す。

「どうした、サーラ」

ベアちゃんが私に気付いた。

「うん、眠れなくて」

「そうか。じゃあ仕方ないな。ジャンニ、お前、先に寝ろ。まだしばらくは動きは無いだろう」

「そうですか?ではギルドマスター、私は先に休ませてもらいますよ」

ジャンニは、眠そうだった。

全く目立たないけど、ジャンニはベアちゃんに酷使されていて、けっこう疲れてるんだ。


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