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講義(2)

オルランドとアデルモの顔を覗き込む。

オルランドと目が合った。口を開きかけた私を手で制した。


うん・・・黙ってるけども。


オルランドがため息をつくように話し始めた。

「ノルベルトさん。魔石には様々な色が出現する。我々は様々なドラゴンを倒してきた。その中には青い魔石を落としたものもあった。先日のフォクシー村に出たドラゴンも紫の魔石であった。赤い魔石だから人工魔石であるとは言い切れぬのではないか?」

ノルベルトは首を振る。

「ご存知の通り、通常の魔石は黒、もしくは黒に近い色をしています。そして変異種、大型化した魔物の中には色付きの魔石を生成しているものも発見されています。ですが、赤い魔石というものはこれまで見つかっていないのです。赤に近い紫・・・ワインレッドであれば自然魔石である可能性もある。だが、深紅ともなれば、それは人工魔石である可能性が非常に高い。アデルモ殿、そのウォーキンデッドから出た魔石を見せてはもらえないでしょうか?」

アデルモは、そうですね、と言いながらバッグの中に手を入れた。

ひょっとして持ってきてるの?


またオルランドと目が合ったよ。オルランドの目が「当たり前だろ?その話をしにきたんだからよ?」と言っている気がする・・・。いや、たぶん、そう言ってる・・・。


ノルベルトが包みの中から現れた深紅の魔石を見て「ほお!」とため息をついた。その魔石は美しかった。まるで宝石のような輝きを放っている。綺麗に整った形。左右対称に押しつぶされた円形。魔石としては大型のサイズ。そして透き通るような透明感。見ていると吸い込まれそうになる。

「手にとっても・・・?」

アデルモが頷く。

「気を付けてください。かなり強い魔石です。素手では触らない方が良いですよ?」


魔石は、魔力の無いものにとっては有害だ。


余程の物でない限り、身近にあったからといって影響を受けることは稀だけど。


ただ強力なものだと、魔道具として効果を発揮していなくても魔力酔いを引き起こすらしい。そして素手で触れると、粗悪な魔石でも影響がある。


私はあんまりわかんないけどね。

魔力が無い人は、素手で魔石を持っただけで強烈な吐き気を感じたりするらしいよ。どうやら人体は魔石から溢れる魔素を通すらしい。


ノルベルトは「私も一応魔力はあるのですが・・・」と言いながらも手袋をして魔石を受け取った。

ノルベルトは、それをひっくり返したり、透かしたりすると、次にルーペで表面を確認し、それから窓際にいって光を通した。


「ありがとうございます」

そう言ってアデルモに魔石を返す。

「これは9割方、人工魔石ですね」


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