君のよう
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
渡の両親のお話だと思います。
相変わらず、渡ママは渡パパの尻に敷かれてます。
彼女を連れて近所の奏楽堂に訪れていた。演奏が始まるまでの間、相変わらず彼女は脚を崩し、前屈みになって辺りを見回していた。それから軽く鼻を鳴らし、僅かばかりに口角を上げた。
「お行儀が悪いよ」
膝を軽く叩いて猫背を辞めさせると、彼女は軽く伸びをして優雅に背もたれに体を預けた。表情は不服そうだが、基本的に注意はきちんと聞く。それは恐らく、自らも悪い事だと思っているからだと思う。
「パイプオルガン聞くの、初めて?」
「教会みたいなところで一回生で聴いた。壮大だった。ぶっちゃけかなり好き」
口調、態度の悪さに反し、纏っているのは結構お淑やか。趣味もそれに倣ってか、芸術的だった。芸術、音楽鑑賞。自分で何かを作る真似はしないが触れるのは好きらしい。そしてそれに敬意を払っているせいか、触れて居る時だけは崩した態度をとることは無かった。
まぁ、始まる前はこんな感じだけど。
「そう。それなら良かった」
根は結構いい子なんだよね。強がりかな? 口調も、態度も。もしかしたら意外と根は繊細なのかも知れない。内心そうやって微笑んでいるとブザー音が響き渡る。演奏が、始まる様だった。
ホール全体に響き渡る厚みのある重厚な音。けれども高い音は細くオペラで叫ぶ様に、低い音は包み込む様に。動画サイトで聞いた時と比べて、音の幅が広い事に気が付かされる。
隣を見ると、目を細めて聞き入っていた。曲調が変わる時に目を見開いて、一度瞬き。それからまた目を閉ざして静かに聞く。気に入ってそう。
演奏が終わった後、さり気なく腰に手を回そうしたら、手を絡ませて来た。どうやらお見通しの様だ。
「パイプオルガンって、意外と表情豊かなんね。前聞いたのが、宗教曲だけだったからか……。それとは違うパイプオルガンだからなのか……。どーなのか? そこは知らんけど。こっちかなり可愛いね。子供、見てるみたいだった……。彼奴ら、数秒ごとに表情変わんじゃん?」
「気に入ったようで何よりだよ」
「前聞いたの……ちと遠いけどさ……今度アンタと行きたい……。その……泊まり掛けで……」
「デートのお誘いなんて嬉しいな」
「ちげーよ馬鹿。アンタみたいだったから。前聞いたの」
軽い舌打ち。それでも手を振り払う様な真似はせず、益々強く手を握り締めてくる。耳が赤い。照れ隠しの様だ。
態度は素直じゃない。評価の仕方も少しばかり比喩的。それでも包んで上げたい。
オマケ 楽器に例えると
「音色的に、アンタはやっぱりパイプオルガンだわ。役割的にはクラリネット」
「そう。君のお気に入りの楽器で良かったよ」
「バイオリンは気高過ぎる。貴婦人だからね。あんこらは」
日曜日に必死こいてしがみついてる私です。
やり残した事があるから……水族館……(・ ・)
渡パパは渡ママが前に聞いたパイプオルガン。
でも今回のパイプオルガンは渡ママ寄りです。
ころころ表情が変わる。子供のように。
腰に手を回したのを手繋ぎに変えたのは、離したくないから。
離されても抵抗出来ないから。
だったら自分で離さない手段が良い。
押しの強いまみぃらしい手段ですね。
最後のオマケは遠回しなプロポーズ。
吹奏楽においてクラリネットの比重って重いんです。
顧問に言われた『多少人数が多くても全く問題ない。寧ろ多いくらいが良い』というのは記憶に残ってます。
だから遠回しな『君がいないと駄目』発言です。
今回は渡の両親の話です。
前にも登場しましたね。君のお陰で世界が綺麗になった。で。
マムは気性は荒いですが、見かけは御清楚。趣味も御清楚。
でも相変わらず口も態度も悪い。スカートで立膝するタイプ。
なんでこんなキャラなのか……全く分からない( ˙꒳˙ )
渡のぱぴぃは恋人時代から尻に敷かせてます。
口調と態度は逐一注意してます。結婚してからも変わらず。
渡が敬語なのも、ぱぴぃの影響。