オリエンテーション開始
この作品は他の作者様に「私ならこの世界観で話を作るならこんな話にするな」というのを見たくて書いている作品です。
ぜひとも皆様のご意見や作品をお待ちしております。
いきなり入学証明証を探せと言われても、正直何をすれば良いのか分からない。何せ分かる情報は許可証の外見だけ。封筒サイズの紙であるという情報だけだ。
「どこに、どうやってあるか分からない。その上で」
期限は日没まで。何とかしないととは思うのだが。
「なあ、ちょっと良いか」
その時だ、とある男が話しかけてきたのは。
「お前地球人か? 顔がエンバンティアでは見かけない顔だからさ」
「確かにそうだが」
「そりゃあ良かった! 実は一緒に証明証を探してくれる奴探していたんだが、ギガンティアにしては俺身長低いから相手にしてもらえなくって」
「ギガンティア?」
「ヒューマンより身長の高いのが特徴の種族なんだが、俺がチビなせいでギガンティアだって言っても信じてもらえなくってさ。200cm無いからって何だよ」
眼の前の男は悔しそうに自分の頭を叩いて笑っている。坊主頭の巨漢なのだが、身長は190はありそうなので170の自分と比較すれば十分巨大だ。
「そういや名乗って無かったな。オルス・クロップだよろしくな。オルスって呼んでくれ」
「天滿水城、苗字が天滿で名前が水城だ」
「へえ、名前の順番逆なのか。よろしくな」
そう言いながら、二人で固い握手を交わす。
「それでだ、何かあてはあるのか? 俺も今は手がかりが無いか考えていたところなんだが」
「いや、俺何にも分からん」
なるほど、オルスには無いと。
「そうか。でも俺には手がかりはあるんだよな、多分だけれど」
「というと?」
そこで俺は、魔法で開けるかの見つける違いについてアイデアを出す。
「どう思う」
「よく気が付くな。そう言われると確かにそうだな」
「だから多分この証明書探し、一人で一枚の証明書を探すのではなく、複数人で人数分の証明書を探すのが前提になっているんだと思う」
「ああ、そりゃあ厳しいなあ。特に俺達エンバンティア出身には」
そこでそう言う不思議な言い回しをするため質問した。
「どういうことだ」
「自己責任って言ってな、エンバンティアではモンスターがいるから”襲われて死んでも自己責任”や”物を盗まれても自己責任”って考えがあるんだ。だから”自分で手に入れた入学証明書盗まれても自己責任”なんだよ」
「日本というか地球では盗みは窃盗罪って言って犯罪なんだけれど、エンバンティアは違うのか?」
「もちろん女神の定める懲罰事項にはあるさ。でも生きるために、死ぬ間際や人生きめる大一番に守る奴が何人いるかって話だよ」
「世知辛いね」
「ああ、女神さまに申し訳ないよ」
そんな話をした。
「じゃあまずは何からしたらいい」
「人数分以上あると言っていたが島内部って言っていた。正直広すぎるから”少しぐらいは研究所内”にもあると思うから、それを探すか」
「おう、じゃああそこに行ってみるか」
「あそこ?」
そう言って案内された場所、そこは教会や寺院に寺社仏閣、そのほかにも女神像などがある広場だった。
「ここは」
「宗教広場、アルケミヌス教っていう俺達が信じる宗教だけでなく、地球の宗教に関する施設もある広場だ。ここに何も無いってことは無いと思うんだよな」
「でもさあオルス」
「見つけた—!」
「よこせ! 俺のものだ!」
「いーや私の物よ!」
「何が悪いんだざーこ!」
「返せよバカヤロー!」
「本当に見苦しい光景が広がっているのは何で」
「……」
悲喜交々と言った表情がストレートに出ているが、一方で罵声怒声も一緒に聞こえていている。異世界でどの程度信じられているのか分からないが、信じている宗教に関する女神像の置かれている広場で窃盗が横行しているとしか思えない光景は失礼だが人の醜さがよく出ているなと感じてしまう。
オルスも嘆かわしいと言わんばかりに顔を覆っている。
「俺達も探そう、何か解決できそうな場所は」
「あ、あれなんかどうだ」
そう言ってオルスの指さす先にあるのは、身長の高い人たちが何か石の板のようなものを持ち上げて何かしていては、そのまま重さに耐えきれないのか落としているの繰り返しだ。しかしよく見れば上げられた石の板の向こうに暗いが道のようなものがあるようだ。
恐らく壁に空いた穴を滑車のようなもので吊るされた石の板が塞いでいるのだろう。滑車は良く見えないが。
そして、そこに挑戦者が何人か並んでいる。
「順番待ちなのかね。でも二人で挑戦すれば」
「一人分は取れるかもな」
そう言って、俺達はその石の板に挑戦することにして数分後。順番が回って来た。
「俺を閉じ込めるとかしないでくれよ」
「分かっているって」
そう言って、オルスが石の板を力いっぱい持ち上げて人一人通れる程度の穴が出現したのを見計らって俺も穴の中に入る。中は暗くて通りにくいが、迷う事は無さそうだ。一本道だから、それよりも……。
「お、帰ってきたな」
「……」
「どうだった水城。手に入ったか」
「悪い、俺じゃあ手に入れられなかった」
「は?」
「三人目の協力者を探そう。じゃないと今の奴から証明書が手に入れられない」
「はああ⁉」
申し訳ないが、そう言って俺は直ぐにその場を後にする。
「おい、説明してくれ。なんで取れなかったんだよ」
「俺の身長じゃ高すぎてな。身長がもっと低い人じゃないと」
「低い人?」
「お、あの子とか良いな」
そう言って、俺は木の下で休んでいる少女に話しかけた。
「ちょっと良いかな」
「ひっ、な、何でしょうか」
なんか怯えさせてしまった。だが、それでも彼女のような人の協力が必要なために、俺は頼むのだった。
「実は、入学証明書を手に入れるのに協力して欲しいんだ。良いかな?」
「協力、ですか」
「おい、水城。そいつティグミーだぞ、分かっているのか?」
そう言って俺は、まるで人間の子供のような身長の女性に話しかけた。
未完成です。でも端末の関係で中途半端すぎるほどに中途半端ですが一度投稿したいと思います。