ダンジョン攻略作戦 攻略が始まる
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翌日、末広町の大通りに設営された緊急の陣地に俺とミレーやオルスにリタたちはいて装備の点検をしていた。
「アダマンタイト製の武器なんて初めて持ったにゃ」
「本当に俺達の体に合う様に武器も防具も新調してくれたんだな」
「水城さんはせっかくのタイミングなのに装備新しくしなかったんですか」
「武器が自分で作る呪符や専門の術師の作る装束だからどうもな」
そう言って武器や防具の使い勝手を確認していると、中にガリウス先生のお弟子さんが入って来る。
「喜んでもらえたなら嬉しいよ。あくまでも出来は量産品程度の品だから、オーダーメイドが欲しかったり、オリハルコンの武器が欲しかったりしたら師匠に依頼してくれ」
「あくまで私たちは緊急で装備を揃える事しか出来ないから、細かい所で装備をしっかり使えるように作ることが出来なかったのだけ悔いがあるけれど許してね」
「これだけの品なら十分戦えます。ありがとうございます」
「俺達鍛冶師は装備を作ることで戦う。俺達の戦いはここまでしか出来ないが頑張ってくれよ」
「武器だって支給品のくせにミッションの後は報酬として全部無料で渡すんだから、絶対に役立ててよ」
「「「「 はい! 」」」」
俺達はそう言うと、あてがわれたテントを後にして急いでダンジョンの扉の前に向かう。
「おい! 水城!」
「! ダゼルさん!」
「お久しぶりです、皆さんごきげんよう」
「フランソワさんも。どうして」
「クリフ・マゴメントの依頼で派遣されたんだ。ダンジョンの初見完全攻略ミッションなんだろう」
「しかも未知のダンジョンとは。大変なものですわね」
「でも、二人がいるなら頑張れそうです」
「私は?」
「え?」
「メリス、今は陽の出る時間で暗闇を出しているから他の種族の人には見えないんだよ」
「もしかして、コルコットさんとメリスちゃん?」
黒い靄の様な物に話しかけると、靄がなんかゆらゆらと揺れて反応する。
「おふた方もどうして」
「呼ばれたの。今回のダンジョン攻略に一人でも強い人が欲しいって」
「カティアにはお留守番をさせているから今はいないがな」
「ああ、レイネスもお留守番ですわ」
カティアさんはともかく、レイネスさんは嫌がりそうだなとか思った。
「そう言えば水城。お前の実家って京都何だろう」
「えっと、今は西都って言いますが良く知っていますね」
「お前家大丈夫か? 役所の人間が戻れない所まで金を無駄遣いしたのに人間性的に誰にも助けを求めなくって財政破綻した……」
「わーわー、何で知っているんだよ!」
「いや、エンバンティアの情報屋に聞きだしたらそんな情報が」
誰だそんな情報売り込んだ奴。
「水城大丈夫? ご飯食べている?」
「メリスちゃん平気だから心配しないで」
「もう、今はそれよりミッションですわ。向かいますわよ」
そう窘められたので、俺達は集合場所である扉前に向かう。そこには櫓が組まれている事と、数台の戦車などが包囲している事をにより物々しさを醸し出しているがその前で並ぶ冒険者達は全員顔が強張っていた。
「それじゃあ、皆さん。これより作戦開始一分前になりました。全員武器を構えていつでもダンジョンに向かえるようにして下さい」
クリフ先生の声に、俺達が全員走る準備をする。
「ねえ、水城」
「なんだリタ」
「あの櫓って、いざって時の神様への生贄って本当にゃ」
「ああ、正確にはあの櫓にいる巫女がな。自分の命を捧げるから、国難が必ず解決する未来に運命を変えてくれってな」
「じゃあ、そこに『愛子がいるのも』間違いないにゃ」
「……」
昨日まではしゃいで、楽しそうにしていた少女が今は櫓の上で祈りを捧げている。その様子に、俺は安易に言えないため口を閉じた。
「私、負けられないにゃ。絶対愛子のためにも勝つにゃ」
「はい負けませんから。愛子さんは私にとっても大事な方ですから」
「……頼もしいな、リタもミレーも」
「おいおい、俺は仲間外れか」
「まさかオルスも水城が!」
「え! 同性愛者だったんですか⁉」
「なんでそうなるんだよ!」
「ふっ」
なんか話が変な方に行ったが、俺達はすぐさま構える。
「勝って戻るぞ。全員で」
「「「 おう! 」」」
「扉を開いてください!」
クリフ先生の号令に、自衛隊が扉を開く。地獄のミッションが、今始まった。
書きだめ放出4




