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第六科学が世界に生まれて  作者: 桑鷹三好
定期試験編
51/67

とんでもない怪物たち

皆様の作品お待ちしております。

「何だよこれ、全然魔法が効かないじゃない!」

「普通の拳も武器もまるで歯が立たないぞ!」

「毒は! 毒とかは駄目か!」


 シルバークラス以上の人たちが束になって攻撃をするそれらを見て、俺は早くも心が折れそうになっていた。


「なあ、水城はあんなのを一瞬で倒したのか」

「そうみたいにゃ」

「あれが、本当にゴールドクラス何ですか? まるでクリスタルクラスのようではないですか」


 その光景は、ミレーやリタだけでなく俺や他の挑戦者たちも含めてシルバークラスに到達していない人達を絶望させるには十分すぎた。


「うわああああああああああ!」


 細長いドラゴンが飛行種族達を空で蹂躙して。


「いやああああ!」


 虎が腕を食いちぎり。


「くそ! 返せよ!」


 猿が得物を奪って無力化して。


「何だよこいつ!」


 大蛇が挑戦者を押しつぶして。


「動けない! アガガガ!」


 鼠が毒を噛みつくことでばらまいて。


「重すぎるんだよお前!」


 牛がその蹄で盾ごと冒険者を押し倒して。


「ね、眠い」


 羊がその声で眠気を誘い。


「何処だよ! う、うわあああああ!」


 兎が跳ねては冒険者を葬り。


「何でばれるんだよ! うわああああああああ!」


 犬が隠れた冒険者も見つけ出し。


「駄目だ! 止められねえ!」


 猪がその素早さで突進を繰り返し。


「まるで武器が通らないぞ!」


 馬がその体で武器を止めて。


「た、助けてくれ!」


 鶏が言葉通りの意味で動きを封じ取り押さえている。



「こんなの、勝ち目があるんですか」


 シルバー以上の冒険者でさえ、手も足も出ないでいるその光景は自分達が信じていた相手との彼我の戦闘力の違いをあっさりと見せつけられるようであった。


「でも、やるしかないだろう」


 俺はそう言った。


「でもどうするにゃ。私達じゃ何も」

「あいつがいない! それはそうだ! だけど、俺達はあいつの隣で戦いたいからいるんだろう!」


 そう言って、俺は発破をかける。


「あの時からそうだ。あそこで俺は水城とかかわりを持てたからこそ今サファイアクラスまでなれた。あいつのおかげだ。でも、それだけで俺達に実力がないなんて言わせないんだよ!」

「オルス」

「オルスさん」


 その言葉は二人の目を覚まさせるには十分だった。


「あいつは知らないかもしれないが、俺達は何度も言われたはずだ! あいつのチームメンバーとして不適格だって! ふさわしくないって! そんな訳ないって言わせるぞ!」

「……分かったにゃ。やってやるにゃ」

「……怖いですが。やってやりましょう!」


 その言葉で、三人は走り出した。


「行くぞ! 狙いはあの牛だ!」


 そしてオルスは盾を構えて、全力の突進をする。


「うらあ!」


 盾と共にオルスの体は牛にぶつかり、そして注意を引き付ける。それまで丑に痛めつけられていた青年は逃げ出し、丑はオルスを新たな敵と認め巨体を発進させる。


「止めて見せる!」


 そして、オルスは全身に力をこめると丑の突進を正面から止める。顔を巨体で抱えるように受け止めたのだった。


「うぐううう!」

「ブオオオオオ!」

「やれ! ミレー、リタ!」

「ライトニングレーザー!」

「狙いの一撃にゃ!」


 ミレーの数少ない攻撃魔法に、リタの攻撃魔法が命中する。特に、リタの攻撃魔法はなんと丑の肛門めがけて攻撃された。


「ブオオオオオオオオ!」


 突然尻めがけて武器を突き刺された丑は悶絶して、そのまま後ろ蹴りをしてリタを吹き飛ばす。


「リタ!」


 オルスが心配して叫んだ時、丑も今度は角で応戦。正面から止められていた拘束を掃い、オルスも吹き飛ばすと、ミレーに突進してそのまま引き倒す。


「ミレー!」

「ブオオオ」

「大丈夫です」


 牛の倒された後、何とか小柄な体でも大丈夫だと立ち上がる。


「今度は失敗しないにゃ」

「おし」


 リタも吹き飛ばされてなお、諦めた顔をしていない。だから俺は立ち向かうのだった。

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