純血吸血鬼族
皆様の作品お待ちしております。
「ふあぁ」
先頭を案内するカティアさんは、あくびを一つして薄暗い階段を慣れた様子で降りていく。
「階段狭いな、一段一段もなんか狭くて危ないし」
「ギガンティア用に作っていないのです。無理してついてくる必要はないのです」
カティアさんは興味なさそうにそう返す。俺はだいぶ階段を下った所で質問をした。
「家がこんなに下るってことは、地下棲の種族なんですか」
「マスターはそういう訳ではないのです。ですが、街の中で住むにはこのくらい地下じゃないと安心できないそうなのです。長寿な分死ぬことに臆病なのです」
「はあ」
「着いたのです」
カティアさんは左手の扉の前でコンコンとノックすると、部屋の中に入るように促す。俺たちは促されるまま部屋に入ると、そこには見慣れた西洋の料理や懐石料理、他にも様々な料理が並んでいる。
「暗いですね」
「えっ、あ」
そっか、俺は霊力で暗所でも目が見えるようにしているけれど、普通は出来ないのか。
「すまない、私が明るすぎるのに目が慣れていないばかりに。愛しきカティアよ、蝋燭をつけてあげなさい」
「はい、マイマスター」
カティアさんが部屋の蝋燭に火をつける中、一人の男性……いや、かなり肌の青白い細身のお爺さんが立ち上がり挨拶をする。
「ようこそ、魔法科学図書の客人よ。私はコルコット・デルトバード。案内をしたカティアの主であるヴァンパイアだ」
「ば、ヴァンパイア!?」
「純血の、吸血鬼族にゃ」
「超希少種族ですよ……」
三人が物凄く驚く中、俺はどう反応して良いのか困っていた。何故なら……。
「あの、後ろの娘は」
「ああ、紹介するよ。メリス、挨拶をしなさい」
「メリス・デルトバードです」
「私の昆孫だ」
「昆孫!?」
この人一体何歳だよ!?
「凄いだろ、ヴァンパイアの中でもどちらかといえば穏健でいて長寿な爺さんは」
ミトレさんがそう紹介すると、カティアさんが席に座るように椅子を引く。
「お座りください。食事にいたしましょう」




