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第六科学が世界に生まれて  作者: 桑鷹三好
昇格試験編
35/67

ダンジョンの逃亡者2

皆様の作品お待ちしております。

 幸い、袋小路であることさえ除けばその場所は洞窟の中では死角であるため松明の炎さえ目立たなくさせれば作戦会議をするには良い場所だった。


「さて、何が起きた」


 俺はそう質問をした。


「正直俺は魔法には疎い。何せ最近勉強しているが実は魔法が使える傾向は一向に見られないらしい」

「それ本当にゃ」


 少し困惑しながらリタが聞き返してくる。


「本当だ。一橋先生はそもそも魔法を扱う適性が無いタイプの日本人の可能性はあるし、まだ何とも言えないから様子を見ようとは言っているが」

「良くそれで魔法系統の授業の単位獲得できるな」

「話がそれています。皆さん戻しますよ」


 リタにオルスも呆れ果てる中、ミレーが話を戻す。


「実は、私の方でも先生がいなくなったのは見ています」

「なに」

「これです」


 そう言って、ミレーは球を見せてくる。


「先ほど、球でを見ていたら先生の反応が消えたのを見て変だなとは思っていました。でも、間違いありません。状況から察するに、先生は何らかの方法を使ってこの場所からいなくなりました」


 そうミレーは結論付ける。


「可能なのか、魔法として」

「正直可能は可能です。ですが……」

「ですが?」

「失礼かもしれませんが、普通こんなことを可能にしそうな魔法なんてそれこそアークメイジクラスの魔法使いじゃないと使えないのではと思います」


 そう言ってミレーは説明を始めた。


「エスティシャ・ベロル先生は普通魔法を使うのに長けていないドワーフでありながら強力な魔法を扱う事で有名な方です。ですが、彼女にはとあるおかしな話があります」

「それってなににゃ」

「一つは単純にそんな強力な魔法を扱える種族じゃないはずだということ。ドワーフは土魔法などの掘削や採掘を助ける魔法、そして鋼魔法の鍛冶を行う魔法を使うのには長けていますが、エルフやアークメイジならいざ知らずダンジョンを探索するのに向く魔法を扱うはずがないんです」

「魔法以上に体力や腕力が馬鹿強いから、ダンジョン向きな種族と言われているだけってか」

「はい」


 オルスの言葉をミレーは認める。それに、と繋げて彼女は話を続ける。


「それに、エスティシャさんは自分でも探検家を名乗り冒険者じゃありません。それはあの方が商人ギルドの出向だという事も裏付けています」


 そう、エスティシャ・ベロルは『商人ギルド』の代表。

 本来商人ギルドの代表ともあれば有力な資産家の人が来るとかがありえそうだが、あくまでも探検家の彼女が代表として来ている。


「変なんですよ。商人ギルドだって魔法由来の独特な道具を作ることで権力や財を成した方なんていくらでもいます。私たちはいざという時にそのまま投げることで時間稼ぎに使える松明を採用していますが、ランタンだって明かりに使う人はいます。他にも魔法ペンなどはとても有名な発明品です」

「要は、そう言った発明をしたやつらの方が来ない訳が無いって事か?」


 オルスがそう質問する。


「というより、将来への投資を考えれば発言力を得るために商人が来ないはずがない。だとしたら、商人ギルド内で彼女が来ることに誰も反発しないだけの理由が無いとおかしいんです」

「聞けば聞くほど、まるで彼女が強い魔法を使える証拠を言っているように聞こえるが」

「じゃあ、商人を黙らせて出向する理由にできる魔法って何ですか」


 そう言われて、全員が黙った。


「もし彼女が商人の護衛などをしているからだとしたら、きっと護衛程度と言って多くの商人はむしろ代表に選ばせるなんて」


 だが、そこで根本的に気になったことを質問してみた。


「そう言えば、彼女が探検家って名乗る理由ってなんだ」

「ああ、それはダンジョンを多数攻略しているからですよ。ボスも弱いダンジョンですが」

「ダンジョンを攻略?」

「はい、例えばお宝を持ち帰るとか」


「もしその宝を持ち帰ることを確約してここに出向していたらどうなる?」


意外と二作品目行けるものですね。

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