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第六科学が世界に生まれて  作者: 桑鷹三好
ダンジョン実習編
18/67

ダンジョン実習1

二次創作などお待ちしております。

「さて、怖い話をしちまったがそうならないようにするのが俺達教師の役目だ。安心して今日の授業に挑んでくれよ」


 わはは、何て笑い飛ばして教師は名簿を見ている。


「さて、一つ質問何だが、水城。水城は何処にいる」

「はい」


 そう呼ばれた俺は、手を挙げる。


「水城、お前って前衛と中衛と後衛どれだ」

「というと?」


 そう質問すると、教師はこう返してくる。


「この後チーム分けをしてもらうが、お前だけバランスブレイカーだからせめてチームメンバーの役割は被らないようにと……」

「それですが、こちらが希望するメンバーで組んでは駄目でしょうか」

「ほお、そりゃあ構わんが。もうチームメンバーが決まっておるのか」


 周囲がざわめく中、俺が立ち上がると他の三人も自然と立ち上がる。


「オルスが前衛防御職の盾持ち」

「おう」

「リタが中衛兼斥候役」

「はいにゃ」

「ミレーがヒーラーの後衛です」

「はい」


「じゃあ、お前は後衛か? 陰陽師だか何だか知らんが、魔法使いに似た職業だって聞いているぞ」

「……はい」

「んじゃ、水城達は決定だな。他の奴らも早くチームメンバー決めろ」


 そう言って教師が促すが、何故か俺にチームに入ってくれという奴らが後を絶たなかった。


「俺強い剣士だから絶対に役に立てるって」

「是非私に魔法使いとしての事を教えてください」

「あんなビースティアより俺の方が断然役に立つって」


 そう言うが、俺は全員の誘いを断った。そして、ようやくと言った時間が経って全員が何かしらのチームに入った後、ダンジョン実習は始まる。

 先生が扉を開いて、そして全員が入った後にもう一度を閉める。それを終えてから、洞窟の様なダンジョンを進んでいく。


「まず、当たり前かもしれないがダンジョンではその場所ごとに明かりが必要な場合がある。光魔法を使える奴や、闇魔法で視覚的に暗さを消せる奴はもうやっているともうが、無ければ当然俺みたいにランタン持つかぶら下げて歩くしかない」


 ダンジョンを進む教師はそう語る。


「先生、どうしてそんなこと確認するんですか」

「何でって、お前自分のランタン割られているの気が付いていないのか?」

「え、え、あれ⁉」


 そこで、一斉に全員が視線をその生徒に合わせる。そしてその後に、何人か同じように自分のランタンが割られていることに気が付いた。


「どうして、何で」

「どういう事⁉」

「ははは、毎回このダンジョンに入った奴らは引っかかるなあ。この」


 と言って、先生は足元の黒い塊に攻撃をする。なんてことはないように振るった斧が、黒い何かを突き刺すと、それは煙のように霧散すると何か残していなくなった。


「ウォークシャドウ、洞窟の様なダンジョンにはいっつもいるモンスターに」

「先生、そいつ地面から出現しましたよ」

「おう、眼が良いな。だが、正確には影から手を伸ばすように動くモンスターだ。水城」


「そうじゃなくって、地面を割るようにして、亀裂から影が這い出てきて出現しましたよ」


「本当に眼が良いんだなお前は。単位1を追加でやろう」

「え?」

「地球出身の奴は知らんじゃろうが、モンスターは基本どこからでも出現する。それは地面でも、壁でも、天井でも、何処からでも出現する。そして、その時にダンジョンは地形が崩れる。今さっき水城が言ったように、地面が割れて亀裂から出現するのがよくあるパターンだ。そして、基本亀裂は数秒すれば元に戻るはず。例外は往々にしてあるがな」


 じゃあ、俺がさっき目にしたのはモンスターが今まさに生まれる瞬間だったって事か。


「そして、そのモンスターはモンスターごとの習性に従って本能的に人間を襲う。もしくは人間の不利益になることをする。ウォークシャドウなら、執拗に光源を攻撃するといった具合にな」

「なんででしょう」

「そんなもの、暗闇になればウォークシャドウはどこからでも攻撃し放題だという事を奴らは本能的に知っておるからだ。影からしか攻撃出来ないが、暗闇になれば奴らにとっては全てが影だから攻撃し放題という訳だ」

「でも、光が無いと影は出来ないのでは」

「そんなことは知らん。ダンジョン生物学の授業でも受けて議論してくれ。儂にとって大事なのは、光源を絶やさないようにすることだけだ」


 まあそうか、今この場で重要な情報は、オルスのランタンは無事だからこれを壊されないようにすることだけだ。


「さて、違うモンスターが出てきたぞ」


 そう言うと、目の前には緑色の醜い顔をしたモンスターがいた。


「ゴブリン、まあ語るまでもなく有名なモンスターだ。女は注意しろよ、少し油断すればあいつらは直ぐに孕ませようとする」


 そう先生は言いつつも、戦闘をしようというそぶりを見せない。あくまで俺達にやらせろと。


「オルス、戦闘準備。前に出すぎないように盾構えて。ミレーとリタも武器構えて」

「おう!」

「分かりました」

「やってやるにゃ!」


「言っておくが、今回はあたりだ」


 そう言うと、奥からうじゃうじゃとゴブリンの集団が集まって来る。


「はあ⁉」

「おい、水城あの数は」

「早く水城達の様に戦闘準備をしろ。もう戦闘は始まっているぞ」


 そう言って、戦闘は始まる。初戦からゴブリンの軍団だが。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 世界設定の詳細が凝っていて良いです。水城が今後どういった活躍をするのか期待しています。色んな種族が彩り豊かに描かれていて素敵です。ランクが鉱石で決められるのも綺麗で良いと思いました。九藤が…
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