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第六科学が世界に生まれて  作者: 桑鷹三好
入学試験編
11/67

とあるビースティアとの一方的な戦闘

自分の公開した世界観で物語を是非とも書いて欲しいので皆様のお話お待ちしております。

「水城、次はどうする」


 一度研究所を後にして、研究所から南の方角に移動した市街地に出た。流石に研究所ではそろそろ限界ではないかという話になったからだ。


「街の人に話を聞くかな、何かヒントがあるかもしれないし」

「あ、見てください」


 ミレーの指す先、道の端にある側溝に手を伸ばしては「うー、にゃー」と言っている女性を見つけた。


「どうします、もしかしたらあれって」

「側溝の中に何かある、だけれど彼女では取れない、か」


 そう思った俺は話しかけることにした。


「ちょっと良いかな」

「にゃ?」

「何しているのかなって思って」

「あー、何でもないにゃ。ここの下がやたらとうるさいから何かあるのかなって思ってなんかいないにゃ」

「おい……うるさいって喋っているぞ」

「にゃ! しまったにゃ」


 口を塞ぐ仕草をするその女性は、しまったという表情をしている。


「第一、これ何なんだ? こんな道端に穴なんかあって」

「側溝って言って、雨が降った時に道が水浸しにならないようにするための雨の逃げ道を作るための穴だよ。地球では一般的だが違うのか」

「エンバンティアでは雨は水の女神の恵みなのでわざと地面より下に逃がすようなことはしません。地面が第一こんな石みたいな継ぎ目のない道路じゃないのでそこも違います」

「なるほど」


 文化の違いってこういうところに出るのか。


「それより、あんたらこんなにジリジリ五月蠅い中でよく話せるにゃ」

「そう言えば、水城は聞こえているか」

「いや、聞こえていないよ」

「当然私もです」

「にゃ? どういうことにゃ」

「これ、もしかしなくても許可証のヒントじゃないのか」

「側溝に乗っけてある石の板の一部を取り除くか、もしくはオルスが穴から手を伸ばせば届くかもな」

「おし」

「ちょちょ、何するにゃ」


 オルスは猫耳の女性が止めるのも構わずに手を伸ばす。そしてすぐに。


「これだろう」

「許可証です!」

「噓にゃ」


 三枚目の許可証を見つけるのだった。


「多分ビースティアしか聞こえない音で知らせて、ギガンティアの手じゃないと届かない場所に許可証が隠されていたんです」

「水城やったな」

「いや、それは彼女の物だろう」

「にゃ?」


 そう言って、俺は猫耳の女性に渡した。


「いいのか、水城」

「ああ、その代わり」


「ミレーとオルスの分の許可証を返してもらおうか」


「!」

「待て!」

「え、水城さん⁉」

「おい、待てよ!」


 猫耳の女性は慌てて逃げ出した。俺はすぐさまそれを追いかけて、追いつくと後ろから飛びつき地面にたたきつける。ごろごろと転がった末に何とか取り押さえ、俺は彼女から離れる。少し力を使ったためか疲労感が出ている。


「おい、どういう事だ」

「水城さん、皆さん速いです……」


 オルスがよく分からないといった様子で、ミレーが息も絶え絶えに話しかけてくる。なので、端的に俺は答えた。


「泥棒だよ」

「は⁉」

「こいつ、オルスが許可証を取っている間に二枚の許可証を盗んだ」

「そんな」

「なんで気が付いたにゃ。盗むところは見られていないはず」

「それより、盗んだなら取り押さえておかないと」

「その必要はないよ。こいつは多分喋るだけで精一杯、動けないから」

「え?」


「魔法にゃ。魔法のせいで一歩も動けないのにゃ」


 その言葉に、オルスとミレーが困惑する。

「何言っているんだ」

「分からないかにゃ! 魔法にゃ魔法! どんな魔法か知らにゃいけど、一歩も動けないのにゃ」

「でも水城さんって」

「地球人だよな」

「……」


「そう、俺は地球人。今は魔法は使えない」

 

「ど、どういうこと……!」


 そこで、何かに気が付いたのか目の前の女は目を見開いた。


「か、返すにゃ」

「は?」

「それを返すにゃ! 返してくれないと困るにゃ!」

「ど、どうしたんですか」

「悪かったにゃ、私が悪かったにゃ、だからそれを返してにゃ」


 さっきまでの様子から一変、彼女は突然怯えたようにそう懇願し始める。何が起きたのか、オルスもミレーも分からずに困惑する。


「まずは許可証の場所を教えろ。それを返せばこれも返してやる」

「まず返すのが先にゃ!」

「俺が主導権握っているのが分からないか?」

「……分かったにゃ。下着にゃ。お尻側の下着の中にゃ」

「だそうだミレー。調べてくれ」

「わ、私がですか!」

「流石に女の服の中男が調べるのは問題あるだろう」

「わ、分かりました」


 そう言って、ミレーはホットパンツの中の下着に手を入れて。


「あ、ありました」


 二枚の許可証を見つけるのだった。


「じゃあ返すか」


 そう言って、女性にとって大事なものを返す。


「いいか」


 そして、返すと同時に手を握って、無理やり起こし告げる。


「次やったらこんな物じゃ済まないぞ」

「は、はい……」


「お、おい水城」

「なに?」

「その人、おしっこ漏らしちゃっています」

「……え?」


 天滿水城、入学試験中に同じ入学希望生徒を泣かせて失禁させる。将来的にある種の教訓として語り継がれることになった珍事件である。

くれぐれも皆さんは主人公のように女の子泣かせて失禁とかさせないであげてください。

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