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第六科学が世界に生まれて  作者: 桑鷹三好
入学試験編
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オリエンテーション開始2

自分で書くよりこの世界観は皆様に書いていただいたほうが面白いもの書けると思っているので、皆様の作品お待ちしております。

ティグミー、それはギガンティアがヒューマン(人間)より身長が種族全体として高い種族だとしたら、逆に種族全体として人間より身長の低い種族、だそうだ。


「正しくうってつけじゃないか」


 そう言って、俺は彼女に協力を頼んだ。


「でもいいのかよ。三人分も証明書集められるのか」

「多分大丈夫だと思う。とりあえず先ずはあれを獲得しよう」


 そう言って、俺は件の石の板の前にもう一度立つ。


「オルス、頼むぞ」

「あ、ああ」

「じゃあお願いしますね、ミレーさん」

「は、はい」


 ビクビクしながら、ミレーさんは石の板の前に立つ。


「フン! おいしょ!」

「ミレーさん、お願いします」

「はい」


 そう言って、子供のように小さい女性が穴の中に入っていく。そして、しばらくした後。


「み、見つけました!」


 そう言って穴から戻って来た。手に確かに許可証を持って。


「ど、どういうことだ水城!?」


 オルスが困惑しているため、種明かしをすることにした。


「穴が奥に行くほど天井の低くなる構造だったんだよ。匍匐前進すれば行けないことはないのかもしれないけれど」

「私達ティグミーなら気にせずちょっと屈めば通れるってことですね」


 そう、穴は天井が低くなる構造だった。人間では低すぎて進みにくい程度の高さに調整されて。なので、人間より身長の低い種族が必要だったのだ。


「とりあえず一枚目だ」


「よこせ!」


 そこで、猿のような外見の人がミレーの許可証に手を伸ばしたため俺は手を叩いた。


「何してい……」


 そこで俺は目を疑った。たった一枚の許可証のために、十人程度の男女がミレーを囲もうとしている様子に。


「ティグミーごときが」

「手に入れるのは簡単そう」

「これで僕も入学」


 自力で許可証を手に入れようとしない意地汚い生徒の姿がそこにはあった。


「奪うつもりなら、俺が相手になるぞ。オルス、ミレーとその許可証を守れるか」

「あ、ああ」


 その返事を聞くやいなや、即座に俺は眼の前の猿のような人の顔を掴んで……。


「ガハッ!」

「……」


 地面に叩きつけた。草と土が舞い上がり、相手の頭が地面より下にめり込んでいき微かに骨に罅の入った音がする。地面では悲しき生徒が痛みのせいか痙攣している。

 それよりも上手く行ったと感じさせたのは、見せたかった囲んできた他の入学生が全員俺の行動に視力が追いついておらず今頃になって「う、うわあ!?」と声を上げたことだ。


「もう一度聞くぞ、俺が相手になる、いいのか?」


 俺はそう、最終警告をした。


「ち、ちくしょう、覚えてやがれ」


 そう言って、先程まで囲んでいた生徒は散り散りに去っていく。残されたのは俺たち3人だけ。


「あ、ありがとうございます」

「すげえな水城。見た目によらず強いんだな」

「昔鍛えさせられただけだよ」


 感謝を述べるミレーと、驚くオルスにそう返す。


「それよりも時間は限られているし、次のありそうな場所探さないと」

「入学許可証をですか」

「うん、本当はそれも俺たち二人のどちらかのものにするはずだったけど、君のものだし」

「え?」

「おい、水城そりゃあないよ」

「これから探せばいいだろ。じゃあね、また入学後に会おう」

「あ、あの」


 そこで、ミレーさんは意を決したように話しだした。


「もしかしたら入学許可証のある場所に、心当たりがあるかもしれません」


 その言葉に俺たちは直ぐその場所に案内してもらうことにした。


「ここです」

「資料室」

 そこに案内されて、俺たちは

「最初ここでパズルみたいなものを見つけたのですが、あまりにも難しくて」

「パズルだあ?」

「これです」


 そう言って見せられたのは、10体の手のひら大の女神像と女神像を置けそうな正方形の凹みが縦3個、横3個正方形の形に並び、その横にもう一つだけ正方形の凹みのある板が置かれた台座。

 確かに資料室には似つかわしくないなにかだ。


「これどうやって解くんだ」

「多分女神像を正解のパターンに合わせて配置すれば良いのですが」

「あー、パターンが多すぎると」


 これは確かに一人では解けなさそうだ。


「あ?」

「何かヒントがあれば」

「炎、氷、草」


 屈んだ俺がそう語ると、二人は目をぱちくりとさせてオルスが質問する。


「水城、今なんて?」


 なので、俺は台座の正面を指さして答えた。


「いや、台座の正面に漢字で十個書いてあるんだよ何か。もしかしてこれ順番に読めばヒントになるのかなって」

「それヒントどころかきっと正解ですよ!」


 オルスが質問してきたのでそう答えると、ミレーが目を輝かせて答える。


「正解ってどういう事だ?」

「炎は魔法の基本元素の一つ、氷と草も副元素の内の二つ。つまり、今漢字とか言ったその文字は、魔法を司る十の元素の可能性が高いんだ」

「魔法は対応する属性の女神様の恩恵で得られるものですから、属性さえ分かれば配置する女神様の像を選ぶなんて簡単です!」

「俺達には読めない文字だから、地球人の力が必要だったって事だな」

「水城さん! 答えを早く!」


 感心しているオルスと、興奮するミレーに促される形で、俺は順に漢字を読んでいく。


「一番上が左から炎、氷、草、次が左から水、闇、土、離れて光。最後に風、鋼、雷」


 そう答えると、二人はすぐさま女神像をガチャガチャ動かして配置している。そして最後の一つを配置すると。


「開いた!」


 台座の蓋が動いて、中身を取り出せるようになった。当然中身は。


「入学許可証だ!」

「二枚目ゲットだな」

「すごいです!」


 三人で興奮を分かち合うのだった。

キャラクターの紹介も書きたいですがいずれまとめて。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 異世界の文化や人と衝突し混じり合いながらも協力していく感じの学園モノになりそうですね。 種族や文化のギャップがいろいろ楽しいジャンルなので、次に何が出てくるか楽しみになってきます。
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