表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

アイドル

【予告版】スクールカースト最底辺の私、アイドルオタクな学校一のチャラ男プロデュースで人気アイドルグループのメンバーになりました~あなた達がチヤホヤするアイドルとバカにしている地味子は同一人物ですが~

作者: 本野夢詩

 私の名前は田神たがみ 茉莉まり


 今宵こよいは初めて出来た彼氏との初デート。


 彼氏の名前は曽根そね 海人かいと


 海人との待ち合わせが17時だったけど4時間経っても現れるそぶりは無い。


 時刻は、まもなく21時。


 場所は鹿児島中央駅、若き薩摩さつま群像前ぐんぞうまえ

 

 何度、電話しても出ない……LINEに既読すらつかない。


 そして、やっと海人から電話がかかってきたんだけど


「茉莉……別れよう」


 何で?


「え……『別れよう』って何で?」


 海人から別れ話を切り出される。


「茉莉とは、あわないなって……」


 いつも、かっこいいって思ってた声……でも今は雑音ノイズみたい。


「あわないって……何が?」


 私と海人、今まで凄い上手くやってたはず……なんで急に別れ話を?


「茉莉の趣味なんだけどさ……」


「私の……趣味?」


 一拍おいて、海人からこんな返事が来た。


「俺、腐女子とか無理!」


「腐女子が無理?」


 侮蔑ぶべつを含んだ声音で海人が続ける。


「この間、茉莉の家に行った時? 壁に貼っていた、アニメキャラのポスター……あれ、ほんとにキモい!」


 確かに海人と仲が悪くなったのは、海人が自宅に遊びに来てからだ。


 部屋にっていたポスターを見てから私に対する態度が急変、最初は視線恐怖症なのかと思ってたけど……まさかアニメが嫌いだったからだとは。


 あのときから海人は私への返事が遅くなってきたし、今日のデートの打ち合わせだって上の空だった。


「俺、オマエがあんなキモいの好きな人だって思わなかった。マジ、もう無理」


「……」


 携帯スマホが地面に落ちる。


 携帯スマホの画面には、私の大好きなアニメ『獣術回戦』の推しキャラが映っている。


 今度はLINEの通知が来る……電話を切ったようだ。


 [携帯の待ち受けにキモいアニメキャラとか、どうかしてるw]


 好きなキャラを待ち受け画面に設定して何が悪いの?


 [高校生にもなってアニメとか、正気か?]


 高校生にもなって人の趣味を罵倒ばとうするなんて正気じゃないよ!


 [アニメなんて、くだらないもの見てるからいつも赤点スレスレなんだろ。その時間さ少しは勉強でもしたらw]


 そういう彼も、いつも赤点ギリギリなのだけど……スポーツ特待生だから勉強はいいのかな?


「……」


 ってか私、何でこんな海人ヤツ、好きになっちゃたのかな?


 [じゃあな、もう2度と話しかけんな。さよなら、気持ち悪い腐女子ちゃんwww]


 それきり、海人からの連絡が来ない。


 私は携帯スマホを拾い画面を見る。


 海人から、ブロックされていた。


「……」


 海人に振られたこと以上に、大好きなアニメの推しキャラを馬鹿にされて辛い。


「私、もう一度、恋できる自信ないよ……」


「田神?」


 私の名前を呼ぶのは誰?


「田神……早まるな!」


 私を自殺願望者にし


「え……?」


 そこにいたのは一人の男の子。


「ま、松井……くん?」


 そこにいたのは私の同級生クラスメイト、名前は松井まつい和樹かずき、少し長めの金髪に高身長が特徴とくちょうのイケメン。


「松井くん、何でここに?」


 ニコニコと松井くんが私に微笑ほほえむ。


「付き合って」


 えーと……私、松井あなたとは面識ないけど?


「外、寒いだろ……あたたかい所で少し話さない?」


 じゃあ何で松井あなたは、こんな寒いのにTシャツ一枚でこんなとこいるのか……ってか私と松井あなたって何も接点ないのに、私に絡んできて何が目的?


 ……ほっといてほしい。


「待ち合わせ中だから!」


 けれど松井くんが


「振られたん、曽根そね 海人かいとに?」


 聞き捨てならない事を!


「どうして、それを?」


 松井くんは目を伏せて何か考え、溜息ためいきをついた後に、ポケットから携帯スマホを取り出す。


 携帯スマホケース、めちゃくちゃデコってる!


 サッサと携帯スマホを操作した後、ほいっ、と私に携帯スマホの画面を見せてきた。


 それは


「LINE?」


「そう、学級クラスのグループLINE」


 学級クラスのグループLINE……


学級クラスのグループLINE……そんなのあったんだ」


 初知はつしりなんですが。


本当マジ?」


 でも私が知らないってことは……そういう事?


「ここ読んでみて」


 何となくイヤな予感……


「ん、【速報:腐女子JK田神、振られる!】……はあ」


 何これ?


「曽根はグループLINEで田神をさらし者にしてる」


 何で?


「田神……真実を知りたいか?」


 真実……学級クラスのグループLINEで私が振られたことを曽根がさらしてる事……それと松井くんがここに現れた理由。


 知りたい……こくん、とうなずく私。


「曽根海人は浮気してた。クラスメイトの別の女子と」


 う、浮気……海人が他の女と?


「え。じゃあ私が腐女子だから別れるっていうのは……」


 松井くんは目を伏せて言う。


「建前だ……田神と別れる。実際には、クラスの一軍トップカーストと付き合ってるよ。寝取ってやったぜって、LINEグループで自慢してる」


 真実を話す松井くんの語気が……何で怒っているの?


「寝取られたの……俺の彼女なんだ」


 うん、それは怒っていいと思う!


「もう同級生クラスメイト全員ぜんいん、俺達が振られたこと、寝取られたこと知ってる。」


 何かキレた!


「今から一緒に殴りに行こう!」


 首を横に振る松井くん。


「俺……いいこと思いついた」

________________________


 松井まつい和樹かずき……私と同じ学級クラスの男子。


 ごりっごりに染めた金髪に、きつい目つき、原形をとどめないくらいデコられた携帯スマホ……松本くんは学校1のチャラ男だ。


 彼にまつわるウワサ……不良と喧嘩して勝ったとか、入学して学校の女子100人と●●●したとか、まあ真偽しんぎは定かではないが。


 学校でとても有名な二人……ちなみに、もう一人は私の元彼、曽根 海人。


 彼は『曽根そね殖産しょくさん』っていう地元でも指折りの大きな会社の跡取りだ。


 今や社会現象となった『妖滅ようめつほう』・『獣術じゅうじゅつ回戦かいせん』を連載している週刊漫画誌『週刊しゅうかん少年しょうねんスキップ』を出版している出版業界のゆう駿英社しゅんえいしゃは『曽根そね殖産しょくさん』の子会社。


 今年公開された『妖滅の砲』の映画、『妖滅の砲、夢幻列車編』は大ヒット、来年には『獣術回戦』の映画、『獣術回戦・れい』が公開予定。


 ほかにも複数の有名企業を子会社化しているが長くなるので割愛。


 そんな大企業の御曹司おんぞうしな海人は高校生ながら『曽根そね殖産しょくさん』が所有するサッカーチーム『鹿児島かごしまUユニオン』の選手で主力エース得点源選手ストライカー、そして焼けた肌がよく似合うイケメンだ。


 そんなイケメンと付き合えていた時点で奇跡……もう捨てられたけど。


「詳しく聞かせて!」


 私達は駅前の大衆食堂ファミレスで話している。


「今、グループLINEでは、こんな流れになっている……【振られた田神をからかってやろうぜ~】って」


「からかう……?」


 松井くんがうなずく。


「その方法なんだが……クラスの男子から選ばれたヤツが傷心の腐女子ちゃん、つまり田神にこくって、偽恋ニセコイ関係かんけいになる」


 まあ随分ずいぶん


「に、偽の恋人……」


 回りくどくて


「で、最後にドッキリでしたー! ってやるんだってさ」


 悪趣味だ。


 でもさ


「何でこんなこと、されんだろ?」


 松井くんが即答する。


「学校1のイケメン御曹司と付き合ったからだろ」


 つまり海人と付き合っていたことで、同級生クラスメイトたちから不興ふきょうを買っていたってこと?


「田神が振られてざまぁみろって、んでもっとひどい目に遭わせようってさ」


 シットッテ、コワイネ。


「もしかして松井くんが、あそこにいたのは」


 偽の恋人役に選ばれたのって


「ああ、選ばれたのは俺でした」


 何か某お茶のCMみたくなってる(笑)。


「さて……じゃ本題に入るか。田神、アイドルにならないか?」


 元彼と同級生クラスメイトたちも、よもや私達が仲間グルだと思わないだろうな……え、アイドル?


「あ、アイドル?」


 私が?


「そ、アイドル」


 歌って踊る


本気マジ?」


 アイドルに?


 「もちろん!なんと今、アイドルグループの募集が行われていてな」


 松井くんが携帯スマホで見せてきたのは


「えーと……『S21』3期生募集開始のお知らせ、何で『S21』?」


 アイドルグループ『S21』の公式ページ。


 『S21』はプロデューサー兼任する看板娘センターを筆頭にカワイイ女子が沢山いる大人気アイドルグループだ。


「それは……今の『S21』に田神が必要だからかな」


 何それ


「もしかして松井くんって」


 やっぱり


「ああ、『S21』の観客ファン……『仲間達バディズ』だ!」


 松井くん、『S21』の観客ファン……『仲間達バディズ』だったんだ。


 でもさ……


「私よりカワイイ女子、いっぱいいると思うんだけど」


 何で私?


「え、何言ってるの? 田神さん十分に美人じゃん」


「ふゃ゛あ!」


 え、私の聞き間違い……だよね?


「そう、その声……」


 あ、あの……


「今の『S21』が求めている声なんだ!」


 何で、そんなに興奮しているの?


「すまん、つい……ともかく田神が『S21』のメンバーになったら、みんなビックリするだろ!」


「た、確かに……そう、かも」


 私がアイドルになって今よりも綺麗になったら、みんなビックリする……かも?


「じゃあ?」


 昔の私なら断っていたかな。


「やる……やってやるー!」


 でも彼におだてられたら本当になれる気がしてきた。


「ありがとう田神!」


 彼が出してきた、その手を握る私。


「みんなをおどろかせような!」


「うん!」


 こうして、私は元カレと同級生クラスメイトたちに復讐するため、アイドルを目指す事になりました!


 あ、もう遅い時間だから今日は自宅に帰って休もう!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。


明日から、いよいよ『スクールカースト最底辺の私、アイドルオタクな学校一のチャラ男プロデュースで人気アイドルグループのメンバーになりました。あなた達がチヤホヤするアイドルとバカにしている地味子は同一人物ですが?あと「腐女子は無理」と私を振って学校一のチャラ男彼女を寝取った学校一のイケメン元彼がよりを戻したいと言ってきたけど、もう遅い。今いるアイドルグループは恋愛禁止ですし、仮に恋愛OKだったとしても仕事と推し活でリアルが充実しているので……ってか人の彼女を寝取るなんて論外です。』の連載が開始となります。


連載期間は約1ヶ月、十万文字前後の作品となる予定です。


連載版では主人公以外のキャラ視点のエピソードなども追加し、予告版以上に面白い作品となるよう全力で書きます!


『【予告版】スクールカースト最底辺の私、アイドルオタクな学校一のチャラ男プロデュースで人気アイドルグループのメンバーになりました。あなた達がチヤホヤするアイドルとバカにしている地味子は同一人物ですが?あと「腐女子は無理」と私を振って学校一のチャラ男彼女を寝取った学校一のイケメン元彼がよりを戻したいと言ってきたけど、もう遅い。今いるアイドルグループは恋愛禁止ですし、仮に恋愛OKだったとしても仕事と推し活でリアルが充実しているので……ってか人の彼女を寝取るなんて論外です。』と連載版を読んで少しでも『面白い』と感じたらブクマとか★とか気軽につけてくださるとうれしいです。


合わせて私の好評連載作品を紹介します。


『逆行TS転生アイドルライフ~不運な事故で死んだアイドルオタク、美少女になったので前世からの夢を実現するために推しのいるアイドルグループのオーディションを受けたらセンターに指名された件~』


https://ncode.syosetu.com/n1765gw/


ブクマ260件・総合PV790000突破の好評連載作!


『【予告版】スクールカースト最底辺の私、アイドルオタクな学校一のチャラ男プロデュースで人気アイドルグループのメンバーになりました。あなた達がチヤホヤするアイドルとバカにしている地味子は同一人物ですが?あと「腐女子は無理」と私を振って学校一のチャラ男彼女を寝取った学校一のイケメン元彼がよりを戻したいと言ってきたけど、もう遅い。今いるアイドルグループは恋愛禁止ですし、仮に恋愛OKだったとしても仕事と推し活でリアルが充実しているので……ってか人の彼女を寝取るなんて論外です。』に登場した、アイドルグループ『S21』を舞台にした作品です。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ