2話(男性視点)
昼の休憩中、俺はクラウドの仕事の話しと愚痴を聞いていた。
「いや、ホンマ違約金は金になるんやけど毎回手続きが面倒やわ、しかもやナニが『例の件片付いたから先生への口利きお願いしますね。』アホー!あんさんに貸した借り、たんまりあるちゅーねん。」
「あー、とにかくお疲れさん。ほら飲め今日は俺の奢りだぞ。」
「ごくごく、くー仕事終わりの酒は染みるってコーヒー牛乳やないかい!」
クラウドは両親ともフランス人、金髪で碧眼なんだが小4から高校になるまで大阪にいた影響か何故か日本語がエセ関西弁だ。
「それで、これまで通りに絵は描いていって良いんだよな?」
「ぷはー!そやね~依頼されとる数はお偉いさんが3でその他が6やから問題あらへん。うんあまい!もう一杯。」
どっかのCMを想わす言葉使いに苦笑して売店で買って置いたコーヒー牛乳をクラウドに放り投げると無駄にカッコ付けて受け取る姿にクラウドをよく知らない女子達がキャッキャッはしゃぐ声が聞こえ元なりする。
クラウドはコーヒー牛乳がすきなのだ。
「あっ、そやそや詩乃っちから彼女紹介したいとか言われてな付き合ってみぃへん?。」
「ぶっふ!お、お前タイミング狙って言っただろ!」
丁度俺がお茶を飲んでる時だったので軽く吹いてしまった。
「ごめんね、ごめんねぇ~。それで、どうしますシャチョサン、ギョクサイしますぅ?」
「何でフラれるぜんてい?!何だ俺をそんなに魔法使いにしたいのか?!」
「魔法使い?…………フッ興味ないね。興味あるのは………お前の稼ぎだ。」
またキザたい表情でやたら『興味あるのは』と『お前』と『だ。』を遠くに聞こえるように話し、俺の顎をクイと持ち上げるを、俺は凄く嫌そうな顔でこたえた。
また遠くから聞こえる声は無視した。
「そんな、嫌そうな顔されると傷つくわ~、てなぐわいでマジ話。詩乃のお友達が【ゲンソウ】に合いたいんやと。」
「………無理確かにお金貰えるくらいには絵を描けるけど、あれは条件があって描けただけだ。俺の絵の才能は歪だから誰にも正体知られたくない。」
過去のトラウマが微かによみがえり、俺は自然と腕を抱いていた。
「ほな、しゃあない謎の天才画家【ゲンソウ】じゃない、普通の三蔵として合コンボウリングや!」
「なんでやねん!!」
俺は想わすツッコミを入れてしまい、クラウドにどや顔をさせてしまったのだった。