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芸術に関連する作品

源氏物語で、私の好きなキャラクター(女性編)

作者: 恵美乃海

以前運営していたホームページに収載していた文章です。

源氏物語の内容にふれていますので、未読で今後、内容を知らずに読みたいと思われている方は読まないでください。

  04.1.12記 


 源氏物語でヒロインは誰かということになると、紫の上、ということになろう。

もうひとり、選ぶとしたら、藤壺の宮。

さらにもうひとり選ぶとしたら、明石の上かと思う(宇治十帖は除いて)。 


 さて、タイトルについてだが、頭書の三人も含んで多くの女性と関係をもった光源氏になぞらえて、などと書けば、あまりにも天をもおそれぬ所業となる。

 例えば、自分が容姿、才能には恵まれないものの、生まれによって帝となり、ほぼ自由に多数の女性を傍らにおくことのできる立場であったとして、では源氏物語に登場する女性達のなかで、誰がよいか、という仮定で筆を進めたい(厚かましいが、これも自分のホームページでの特権)。 


 先ず、頭書の三人については、いずれも輝くばかりの美貌であったようだが、人間が出来すぎている感じで、どちらかといえば、敬遠したい。余り心が安らがないような気がするのだ。 


 では、誰か。

最初に頭に思い浮かぶのは、朧月夜である。

「女性は、自分が最も愛している男性と、自分を最も愛してくれる男性。どちらと結ばれるのが幸福か」

という、かなり興味のある命題について、朧月夜はその具体例となっている。

 彼女にとって前者は光源氏、後者は朱雀帝であったわけだが、朱雀帝の自分を思う気持ちを知りつつ、彼女は光源氏を受け入れる。 が、光源氏にとって、結局、自分は多くの女性のうちのひとりにすぎないということを思い知らされ、やがて朱雀帝の元に去る。 


 当時にあっては奔放という評もあったようだが、女性的魅力を感じてしまう。


 次に葵の上と六条御息所。


 四歳年上の光源氏の正妻、葵の上は、幼少より帝につくべき人に嫁ぐことになる、と言われていたのが、臣下である光に嫁ぐ事になったということ。

光が年下であり、また余りにも美しかったこと。

また生真面目すぎる本人の性格もあり、最後まで光とは打ち解ける事が無かった。 


 六条の御息所は光より八歳年上で、亡くなった先の東宮の未亡人であり、娘もひとりいるが、教養にあふれ、世に並ぶものなき貴婦人と讃えられている女性である。

 その声価に対する憧れもあり、光は彼女を手中にするが、やがては、あまりに教養高い貴婦人であることにより、心が安らがず、足が遠のいてしまう。 


 さて、この葵の上と、六条御息所が良い。 

頭書の三人は心が安らがないと書いた。このふたりは、それ以上に堅苦しい性格である。

なぜ、ということになるが、性格的な弱点をあらわに感じるから、私は意外に平気なような気がする。

 光源氏は典型的な二枚目だから、なかなか、きついものがあるのであろう。 


 私はこのふたりに対しては、三の線から、先ずからかいたくなるであろう、と想像する。

 それでだめならあきらめましょう。


 もうひとつ、このふたりが良いと思うのは年上だから。

 私は少年時代、通常の男性であれば通過儀礼的に経験すると思われる「年上の女性に憧れる」という精神構造と無縁で、そのことを今になってとても勿体無かった、と後悔している。

 高校生の時に、女子大生に。大学生時代に年上のOLに、きちんと憧れ、恋心を抱いておけば、楽しかっただろうに、と思ってしまっているのである。


 4人目は花散里。

容姿は平凡で、光源氏にとって女性としての魅力を感じる事はなかったが、とにかく人柄がよく、そばにいると心がやすらぐ人だった。

公的な長男である夕霧の養母として立て、生涯、丁重に扱った。 


 私も上記3人、いずれも性格が結構きつそうなので、花散里にもかたわらにいてほしい。

また光と違って、私はこの人にも女性としての魅力を感じている。


 最後に女三の宮。光源氏晩年の正妻であり、嫁いだときは、あまりに幼く、光は失望する。

確かに嫁いだばかりの彼女はそのとおり。

しかしかの事件後は、なかなかに陰翳に富む、魅力的な女性になっている。

光もそれを感じる事はあったようだが、結局は心を開かないままであった。

いいじゃないの大事にしてあげなよ。と言いたくなってしまうので、彼女も、いらっしゃい、とさせていただこう。 


 というわけで、最終選考の結果、5人の女性を選ばせていただきました。善き哉、善き哉。

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