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恋カモ  作者: 夏みかん
序章
1/12

憂鬱な日々

噂に苦しむ美少女と、噂を受け入れている孤独な男。

そんな2人が織り成すちょっと変わったラブストーリー。


イジメの真犯人を探す中、男の過去を知った美少女と、そんな美少女を救うために動く男。

奇妙な同盟の果てに、真実の愛は存在するのか?


お楽しみに。

今朝も鳴る目覚まし時計の電子音に目を覚まし、途端に憂鬱な気分になる。その理由は夏休みが終わったからではない。いや、それもまた理由の1つではあったものの、その根本的な理由ではないのだ。現に夏休みが終わってから一週間が過ぎている。ため息をついてパジャマを脱いだその肢体は元ご当地アイドルのメインを務めていただけのことはある抜群のスタイルだ。そのアイドルを辞めて2年が経つが、今でも彼女は可愛く、そして美人だった。だがその美人も台無しな暗い表情は何故なのか。とにかく、制服に着替えた彼女は再度深いため息をついてからゆっくりとカーテンを開く。眩しい日差しからして今日も暑い一日になりそうだと思う。眩しく輝く太陽に照らされた外を恨めしそうに見つつ、少女は通学カバンを手に部屋を出た。表情から暗さを消して、家族の前では普段通りの自分を演じる。半年前から始まったこの演技にももう慣れたが、夏休みはそれこそ自然だったこともあって演技力が若干落ちたことは否めない。両親に元気よく挨拶をして用意された朝食を取る。先に家を出る父親にいってらっしゃいを言いながら洗面所に向かった彼女の表情はひどく暗いものに戻っていた。学校なんて行きたくはない、それが本音だ。だが、それは出来ない。両親に心配をかけたくないし、何より負けたくないからだ。鏡に映った自分を睨み、今日もまた無意味な気合を入れた。正直、もう心は折れそうなほどボロボロであったものの、それでも根の部分を腐らさずに今日まで頑張ってきたことを無駄にしたくない。身支度を整え、時間になって家を出た。自分の心とは正反対である恨めしいほど快晴の空を睨みつつ、少女は今日もまた重い足取りで駅へと向かうのだった。

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