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三十路の魔法にひれ伏せ  作者: 擂鉢
第1魔法
10/19

回答



俺がどうして膨大な魔力を持っているのかを事細かくすべてを伝えた。・・・そう、全て伝えた。

この世界とは違う世界から来たこと、そして、魔力の理由・・・


俺が話し終えると、静寂が包む。


信じてもらえなかった?それとも話がまだ理解されていない?


そんなことを思っていると、静寂が王様の声で消された。



「・・・じゃ、じゃぁ君はッ童貞だからッ・・・ッ魔力がッしかも、性別がッないッ・・ッ」


「おい、笑いすぎて何言ってるかわからねぇよ」


「そうですよ・・・ッ失礼ですよッ・・・」



アンタもかなり失礼だぞ。

この場にいる奴みんな笑ってるじゃないか、花畑姉ちゃんもあの3人も笑ってるし・・・



「童貞でッ魔力高いとかッ・・・ッ笑わない方がッ無理ッしかも30過ぎてるとかッ・・」



童貞を馬鹿にしたな、俺の世界に生きる全ての30歳以上のチェリーを敵に回したぞ。

全員ここに来れたらこの世界終わりだぞ?俺並みの魔力保有者がたくさん来るんだぞ?



――いえ、マスターほどではありませんよー。他の皆様は妄想、道具などでの処理をされていると思いますが、マスターの場合その処理をも怠っていたじゃないですか。


「やめろ、その顔で処理とか言うな。それと、人の事情は放っておけ」


――ですが、情報は共有するものですよねー


「貴様ッ!都合のいいことだけ共有しようとするな!」



人の心というものが存在しないのか・・・あぁ神見習いにはないのか?そもそも人じゃないもんな・・・いや、そういうことじゃないんだよ!



「トージ前の世界でそんな辛い思いしたのに、この世界で性別なかったらまた未達成のままだね」


「ッフ・・・」


憐れんだ目で見ないでくれるかな?俺のライフをゴリッと削ぐのやめてもらえますかね?

あと、フィリー君笑ったの誤魔化せてないからね、普通に笑ったのわかってるから



「ふぅ、そろそろちゃんと話をしようかッ」


「俺はさっきからちゃんと話をしてるんだけど」


「まぁ、そう怒るなよ。童貞のおかげで晴れて、大量の魔力をゲットできたんだろ」


「嬉しくないんだよ」



願って手に入れた魔力とかだったら嬉しいけど、勘違いで手に入っちゃったわけだし・・・

しかも、この世界に来てすぐは魔法主簿江垂で必死だったし、今もまだまだ知らないことだらけだし



「と、いけないまた話がそれそうだった」


「王様、まとめたりするの苦手だろ、王様なのに」


「まとめ役はフィリーがしてくれるからね?・・・で、俺の事ってわけじゃないけど参考になれるようなことを君に教えてあげよう」



情報をもらえるのはうれしいけど、フィリー君またすごい顔してるよ。王様いらないことは言わないって学習しろよ・・



「実は俺たち以外にも転生している人間はこの世界にあと2人いるんだ」


「2人もいるのか」


「もしかして、あの方ですか」



フィリー君が嫌そうな顔をしている。その顔を見て花畑ねぇちゃんは良い笑顔をしている。

彼の事だ一印象では物騒で、真面目なやつとか思ってたけど本当は表情結構変わるんだな。この空間にいるから素を出しているだけかもしれないけど・・・



「そうだね、俺よりもフィリーの方が詳しいし、フィリーよりも彼女の方が詳しいね」


「ならば、妾が教えてやろう」



偉く上から目線だね。気の強い女性なのかな?



「妾は花の精霊のマアガじゃ、その騎士の使いでな。」



指でクイッとされたのはフィリー君。王様と言いこの精霊さんといい君は苦労しているのがひしひしとつたわるぞ。機会があれば是非飲み会とか開きたい。こういうタイプの人間は酒が入ると面白い。



「なんで、精霊さんの方が詳しいんだ?」


「そうじゃな、簡単に言うと我らの王じゃ」


「精霊の王様?っていうことは人じゃないのか?」



精霊ってそもそもいまいちわからないんだよな。妖精と精霊の違いがわからないけど、また今度ユキにでもきくか。

精霊だけじゃなくてファンタジー素材をもう一度しっかり聞かなければ、この世界で生きていけない気がする。勉強は一気に詰め込むものじゃにもんな。昔からそういわれていたじゃないか



「そろそろ話しても良いか?」


「あ、ごめんごめんちょっと考えてた」


「精霊王は、人でも精霊でもないのじゃ」


「どちらでもない?じゃぁあれか、魔物とかか?」


「いや、なりそこないじゃ」



なりそこない?そんな人が王様をしているのか?



「精霊たちは、認めたのか?」


「認めない理由がなかったな、あやつは自分の実力で上り詰めたのじゃ。なるべくしてなった王じゃ」


「努力家だったんだな。でもなんで精霊の王なんかに」


「そうじゃなぁ、まぁ最初は人間に対しての復讐だったであろうな」



復讐・・・どんな過去があたか知らないけど、”なりそこない”っていう理由で恐らく嫌がらせでもされたんだろうな。

王様めっちゃガタガタ震えてるけど、当事者じゃないよな。まさか国を引っ張る王様がそんなわけないよな



「なぁ王様、つかぬ事を聞くが当事者だったり・・・」


「いや、昔に商談をしようとしたら初対面で首に刃物突き付けられたのがトラウマでさ」



あ、それは震えるな、トラウマもんだわ。お前の秘書は俺にしてきたけどな。



「そう恐れるな、王もそなたの事を深く気に入り、人間との関わりを持つことに興味を持ったのじゃ、それで良いじゃろ?」


「あぁ確かに、おかげで精霊が力を貸してくれてるからな」



会ってみたいとは思うんだが、少し怖いな。行くときは王様連れて行こう一人は絶対にヤバイ感じがする。

正直目をつけられる自身しか出てこない。



「王の事はまた今度教えてやろう、実際会って本人と話すのがよいのじゃが」



チラリと俺に目線を送られる。

「会ってみたい」とか言えば今すぐ連れていかれそうな雰囲気だな



「あぁ、もう少しこの世界を知ってから会いに行くよ」


「そうか、いつでも声をかけよ」



裏のありそうな笑顔を向けられた。うさん臭いというか、人を面白いおもちゃに思っているんだろうな。

なんとなく、顔からにじみ出てる。



「さぁ、あともう一人の転生者だけど、そうだね、この世界の王様みたいなところかな」


「王様、彼女は女性ですよ」


「女王と言った方がいいのかな」


「また王かよ」



転生者は王様が多いな。

この国の王様に、精霊の王様、最後は世界の女王様・・

魔力がほかの人より多いからそうなる運命なのかな?

ということは、近いうち俺も何かしらの王になるのかな?



「すこぶるめんどくさい、やりたくない」



王様って絶対めんどくさいよな、交流とか団体をまとめたりするの嫌いなんだよな。



「え、何がめんどくさいの?」


「こっちの話だから気にするな。そんで、世界の女王ってなんでなんだ」


「この世界に魔法を作った人物かな。魔法と言うか魔力を発見した人物だな」


「なるほど、だから世界の女王なわけか」



この世界を作ったといっても過言ではないもんな。俺の世界じゃノーヴェル賞どころじゃないかもしれないな。



「まぁあの人はほぼ行方不明みたいなものだよ」


「そういえば、200年ほど現れてないらしいですね」


「え、200?」


「あぁ、あの人は死なないから生きてるのは確かなんだけどね」



死なないって、不老不死ってことか・・・なんちゅうチートな能力



「俺よりもずっと長生きだけど、結構音沙汰無くなること多くてさ、正直迷信レベルだよ」



なんかそういうチート級なキャラって放浪壁あるよな、俺の偏見かもしれないけど。

世界全てを知り尽くしてるからこそ、放浪するのかな?



「もしかすると、君の存在に気づいて近いうちに会いに来るかもしれないね」


「できれば避けたいな。何からに巻き込まれる予感がする」


「まぁ、がんばれよ。さて、そろそろ戻ろうかな。この空間にいてても時間は過ぎていくからね。もうすぐ夜が明けるだろうな」



話し込んで、時を忘れていたけどそうだな結構時間がたっている気がする。そう思うと眠気がすごくなってきた。



「あ、ところで俺の鬼神関与の疑い晴れたのか?」


「鬼神の事でフィリーに敵視されてたんだね。んー、そうだな・・・君からは何も鬼神の気配を感じない。さっき言っていた大地の性質のせいかもしれないけど、とりあえず保留にしておくよ」



パチンと指を鳴らすと、白い空間が天井から溶け、元居た街中に戻る。

街にはうっすら朝日が差し込んでいる。


夜が明けてしまったのか・・・



「あなたの強さを見て、私が勘違いをしてしまいました。先ほどのご無礼をお許しください」



フィリー君が急に改まって、膝を地面につけた。

朝日と建物とか街の雰囲気がフィリー君によく合う。


めっちゃかっこいい・・・じゃなくて!



「そ、そんなかしこまるなよ、別に気にしてないし。さっきみたいな楽な感じでいてくれよ」


「ですが・・・」


「街中であんなに一方的に戦ってたのも悪いし」


「フィリーはもっと軽くなればいいんだよ、彼もそう言ってるし・・・そういえばずっと名前聞いてなかった。えっと、トージだっけ?」



王様に言われ、そういえばと思い出す。

ずっと名乗らずにあんなに話していたのか、盛り上がったから名前聞くの忘れてたな。



「俺の名前は、中津 冬司。トージって呼んでいいよ。こいつはさっき言った通りユキっていう名前。んで、そこの獣人族がウリアス」


「申し遅れましたが私は、この国の軍を率いております軍隊長のフィリーでございます」


「そして、俺がこの国をまとめる王様のハーストだよ。俺たちはもうこの街を出るけど、トージにはまた会いそうな気がする。」


「俺もそんな感じがするよ」



転生者同士だからか、何かの因果か分からないけれども、なんとなくまた会えるようなそんな気がした。

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