『久遠』総長アトリとその幹部
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アトリは倉庫にいた。
学園の、ではない。
族のたまり場である倉庫にいた。
アトリはその族の総長をやっている。
中2の半ばの時、朱鷺を守るために習得した力を証明したかったアトリは、夜の世界へと足を踏み入れた。
突っかかってくる奴らを返り討ちにしていたら、いつの間にか仲間が出来て、いつの間にか全国NO1の族となっていた。
全てが、いつの間にかできていたものだが、今ではアトリにとって掛け替えのないのもとなっている。
この事は、親公認で人様に迷惑をかけないのと、門限は8時50分で、怪我をしなければいい、と三つの条件のもとに公認してくれた。
特に時間は厳守と朱鷺に釘を刺されたのを思い出す。
時間厳守のことを思い出し、倉庫には不釣り合いな無駄にきれいな時計に目を向けた。
これは、初めてアトリがここに来た時に時計がなかったため、その日に取り付けたものである。
「8時30分、か」
門限まであと20分後。そろそろ帰るか、と思い始めたアトリ。
「ほんとですね。総長は、そろそろ帰る時間でしたね」
「ほんとだぁ。早いなぁ、総ちょーの家の門限が厳しすぎなんだよぉ」
「「そうだよねー。総長は嫌じゃないの?」」
「じ、ゆ……な…い」
上から名前を言っていくと、
相良 馨 (サガラ カオル)
源 唯織
朝霧 羽汰 朝霧 羽美
一宮 瑠偉
羽汰と羽美は双子で、いつも気味が悪いぐらいの長文をハモらせている。
これが双子の絆か…。
話が戻るが、この五人は俺が総長をやっている『久遠』の幹部である。
『久遠』はそのまま、クオンと読む。永遠の意味を込めて。
そして幹部全員が、金糸雀学園の中等部に通っていて、何の縁か全員生徒会を務めている。
学園の名前からわかるように、アトリたちが通っている学園は金糸雀家が建てたものだ。
「嫌じゃねぇよ。ましてや俺は自由すぎるぐれぇだからな」
アトリの夜遊びは親公認だが、寮生活でばれないようにやっている。
よっぽど、親にばれないかビクビクしているより、俺は自由な方だ。
「まぁ、確かにそうとも言えますね。親公認の夜遊びなんてなかなかできませんよ」
馨たちも、世界有数の会社のご子息様である。
学園を卒業すれば、自由なんてないに等しい。
だから特に、今を楽しみたいのだろう。会社の後継ぎという、肩書きを一度置いて。
「あれぇ~?なんか外五月蠅くない~?」
「うる、さっ」
確かにうるさい。アトリたちがいるところは、倉庫の中にある幹部室のため、外といっても倉庫内の出来事だ。外には、大勢の下っ端たちがいる。
下っ端たちはいつもうるさいが、今回は異常なほどうるさい。
「「何かあったのかなぁ。僕たち見てくるよ!」」
「あぁ」
羽汰と羽美がドアノブに手を掛けようとした時、勝手に扉が開いた。
「「??この扉って自動だったけ?」」
そんなわけない。今日ここに来たときは、間違いなく手動だった。
それを知っているため、羽汰と羽美がわざとらしくいった。
まるで自動ドアのようなタイミングで、扉を開けていたのは、下っ端の和だった。
「そ、総長!襲撃ですっ」
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次は、最強執事朱鷺の出番ですっ!




