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媛西電車  作者: Hankyu3058
22/29

㉒宝塚市役所前「そうだ、京都に行こう!」

㉒宝塚市役所前駅

美波の得した200円は阪急電車に乗って消えた.

綾奈は電車代を払っても財布に何の影響もない

いいなぁ~美波も綾奈と同じ券を買えばよかったな~

な~んて考えながら歩いてたら直樹にぶつかった.

「いきなりとまらないでよ~」

「ごめん. …ここなんだけど」

宝塚大劇場をあとにして直樹が案内してくれたのは武庫川に

今津線と平行にかかる橋の上.

直樹が言っているのは中州に「生」の文字が作られているという話.

「そんなんある?」

綾奈が聞く.

「あの平べったい奴かな? 電車からならよく見えるんだけど…」

「じゃあ帰るついでに今津線乗ってそれみようよ」

「あ,もう帰るの?」

「じゃあ京都にいかない?」

「は? 今から? 何時だと思ってるんだ…」

「いいじゃない. せっかく関西に来ているんだから」

「何で行くの?」

「綾奈がタクシーをおごってくれる」

「断じてない.」

「…阪急でいけるの?」

「媛鉄で行こう? 安いし.」

たしか宝塚って媛鉄と阪急だいぶ離れてたような…

「たしか2キロぐらい先の末広公園のちがだったと思うんだけど」

「は? 2キロも歩くつもり? あの臙脂色の電車でよくない?」

「まぁ京都の中心部に行くんなら阪急でもいいけど…どこ行きたい?」

「八坂神社と清水寺. 修学旅行で行ったとこ.」

「八坂神社なら媛鉄のほうが便利だよ. 阪急から歩いてもなりに遠いから.それに全く京都の道を知らないし.」

京都についてから便利なほうがいいということで武庫川の河川敷を歩くことに

今日の予想最高気温は30度を越えていた真夏日だ.

石手川より水があるとはいえ川から涼しさは感じられない

それでも風が気持ちよかった.

「そういえば京都ってここより暑いんでしょ~」

「台地だからね~.」

「え?台地なの?扇状地じゃない?」

「え? 山地でしょう.」

「大阪と同じく平地じゃない?」

「あ~それかも.」

4人とも京都が盆地と気付くのはまだまだ後だった.

「小学校の範囲じゃないの.」

「そうだっけ? もう忘れている.」

「だれだよ兵庫の国立大学行っている人は」

「美波は経済学を学んでいるので地理は専門外!」

「日銀のマイナス金利が失敗した理由は?」

「失敗してないでしょ.」

「知らない.」

「で,京都ってなんなの?」

「台地でしょ~. 台地,台地.」

「じゃぁそういうことにしておく?」

その後,誰が一番賢いか? 一般常識のレベルは?

キャンパスライフを満喫しているのは誰だ?とか,

他愛もない話で盛り上がっているうちに媛鉄の駅についていた.

気付きにくい入り口から入って

公園の下の小さな駅から媛鉄に乗り込んだ.

電車は桜川の家の最寄の西宮を過ぎてもずっと地下だ.

「日本最長の地下鉄じゃないの?」

「そうかもしれないね」

日本最長の地下鉄ってどこだろう.

また家に帰ったら調べよう.

みんなの望み通り,4人まとまって座れるぐらいだったのに,

梅田に着くと人がいきなり多くなった.

「媛鉄も儲けてるんだね」

「いつも全然人いないし赤字だと思っていた」

「いや赤字でしょう. いくらここが儲けていても」

「でも昨日松山から乗った電車混んでたよ」

「川内過ぎたらほとんど人いなかったけどね」

「あ,あの気持ちよかった特急は座席が埋まっていた」

「でも美波が今治に行った日はがらがらだったよ.ねぇ」

「うん. 新境目すごかったものね」

「そんなにすごかったの?」

「本当に2001年に開業したのかぁ? っていうぐらいの駅」

「まぁほとんどがトンネルの中にあるからね」

なぜ媛鉄の儲けの話になったんだろう…

でもみんなが電車の話をしてくれているのは美波に関係ないけど嬉しい.

ホームで写真を撮っている変なおじさんも

道端であったら気持ち悪いと思うかもしれないけれど

駅で見ると電車がすきなんだな. って普通に思う.

「ちょ,媛鉄が地上に出た.」

「高架だよ.高架! 媛鉄が」

「すごい! 地下鉄じゃなくて本当に新しい電車みたい」

「新しいといっても来年で開業20周年だけれど…」

「そうだけど媛鉄に高架があるのか~」

「一応四国にも川を渡るときとか」

「都会らしくない. なんていうのこのコンクリート製な感じがいいよね」

「でもあっち側何も見えなくない?」

「あ,本当だ」

美波たちが座っている方と反対側の窓からは何も見えず壁が続いていた

半分地下鉄なのかな.

そう思っているとその壁が途切れて車の列が見えた.

長くつながって動かない.

「高速道路だよ きっと」

「嫌だな,あんな中行くのは」

「電車がどれだけ便利かわかるね」

媛鉄は再び地下に入り高架区間は貴重なものだと感じた.

そう思えば媛鉄完全乗車が果たされるんじゃないかな.

そんなことを考えているうちに電車は京都府に入った.

中学の修学旅行で京都に行ったきりなので久しぶりだ.

「あの時…修学旅行の時,京都にどうやっていったんだっけ」

「媛鉄1編成貸切にしたんじゃなかったっけ」

「安い,速い がそろっているからね」

「牛丼みたいに言うなよ. 安い,速い,旨い. 庶民の味方」

「確かに. ってそうじゃなくて媛鉄貸切にしたんだっけ?」

「そうだったと思うよ.」

「あの時2年生が150人ぐらいいたでしょ」

「それなら当てはまるじゃん. 1両50人ぐらいでしょ座席.」

「あ,そうか. 4両編成のを貸しきればいいものね」

「美波覚えていないの?」

「中学のとき電車に興味なかったから」

「あ~そうか… 貴重な貸切電車を」

「そういわれるとちょっと惜しいことしたなって感じる」

そうか…修学旅行,貸切電車で行ったのか…

もう一度乗りたいな…

扉上の路線図を見て桜が疑問を抱く.

「あれ? 祇園の漢字間違ってない?」

「たしかに違うよね」

「京阪電車は祇園四条だけど媛鉄は祗園なんだ.」

「へ? 統一しようよわかりにくい!」

「でも実際どっちが正しいんだろうね?」

そうこうしているうちに電車は目的地の駅についた

「祗園だ~! 京都だぁ~!」

「まぁ,そんなことより京都を半日だけど楽しもうじゃない!」

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