表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
媛西電車  作者: Hankyu3058
13/29

⑬古町駅-2「やっぱり優しいよね」

⑬伊予鉄古町駅2

「夜ご飯作るから部屋で待ってて」

そういって綾は部屋を出た.

するとなんか笑い声が響いてきた.

何しゃべっているんだろう?

2人とも仲がいいねぇ~っ.

でも美波が桜川をどう思っているかがすごく気になった.

あの二人が両想いなら祝ってあげたい.

でも桜川ってケチだけどすごく優しいよね.

人関係なく. 別に美波だけじゃなかったし.

でも美波と桜川はお似合いだとおもう.

そんなこと思っていたらいつの間にか焼いていた肉が焦げてしまった.

やばい. 失敗した.

料理は得意だが考え事をしたらこうなってしまうのか…

どうしよう黒くなってしまった…

とりあえず肉もコレだけだからお皿に盛った

サイドはまともに作ろう.

そして完成した料理をさらに盛って2階へ運ぼうとしたとき

桜川がいてびっくりした.

「手伝おうか?」

何も頼んでいないのにそういってくれてすごく嬉しくなった

2人分の皿を持ってもらって2階へあがった.

綾は自分の分とお箸やコップをもって



てっきり桜川はトイレに行ったもんだと思っていたから

お皿を持ってきていてびっくりした.

ようやく夜ご飯だ.

…ん? なんかその肉黒くない!?

「なんか野菜炒めに肉を添えるつもりだったんだけど焦がしちゃって」

「真っ黒…」

「嫌だったら残してね」

たしかに食べるには勇気のいる色をしている.

いかにも不味そうだ.

「残したら失礼じゃん. 一生懸命作ってくれたんだし」

「いただきます!」

桜川は誰に対しても優しい.

その意見には賛成だ

「美波も食べるよ.」

「ありがとう.」

肉は少し不味かったけど他の料理が美味しかったので

打ち消される. 肉も焦げに負けているが塩味がついているので

焦げていなかったら極上の一品だったであろう.

しかしレストランでもないのにこんなにきれいに盛り付けが出来るね

「綾奈って料理学校でも行ってたっけ?」

「行ってるわけないよ. 趣味です. 趣味」

「趣味でここまでの料理が出来るってすごいな」

「きっと美波の電車と同じ.」

美波は何もいえなくなってしまった.

でも電車と違ってこっちは人の役にたつすばらしい趣味だよね

「ピザもあるよ」

そういって注文したら何千円かする大きさのピザを綾奈がもってきた.

「美味しそう! 綾奈の家って石釜あったりする?」

「あるわけないじゃん オーブンです電子レンジ.」

電子レンジでこの味はなかなかだと思うな.

電車の轟音もいい音に聞こえるぐらい美味しい.

桜の家のたこ焼きも庶民的でかなり美味しかったけど

綾奈のは高級感が漂う雰囲気.

そういえばたこ焼きでやけに辛いのがあったなぁ…

昨日の話なのに,すごく懐かしく感じてしまうよ.

「ごちそうさまです. 美味しかった.」

「美波の家で毎日作ってほしいぐらいだよ.」

「一人暮らしならなおさらだよね~」

綾奈が皿洗いでいなくなったから,ご飯の後は桜川と話した.

綾奈は部屋を出るときちょっといやらしい

笑みを浮かべてお皿を洗いに行った.

「ねぇ. そういえば筒石が言っていたけど病気って?」

桜川にやっぱり聞こえていた.

綾奈ったら口が軽いんだから…

「小さい頃 ちょっとね」

桜川はそれ以上追求しなかった.

追求されたらどうしようかと思ったよ.

でも話が続かなくなったので

美波のスマホのゲームを2人でまわした

携帯の扱いに全くなれていない桜川は

恐ろしいほどスコアをあげられていない.

スコアどころかゲームオーバーの表示を何回も出している

リズムゲームはそんなに難しくないよ?

「桜川ってアナログ系ちょう得意なのにデジタルになると格段劣るよね」

「劣るって言わないで. 確かにそうだけど」

「認めた~っ.」

「携帯もっていないけんしょうがない.」

確かにそうだね

「ちょ! 輪島みて! 出来た!!」

いきなり大きな声で何かと思ったら

まだスマホゲームあきらめていなかったんだ…

「桜川すごい!」

レベル1なんて漢字を書くよりも簡単だけど

まぁリズムゲームって1回ミスしたら即ゲームオーバーだから

桜川からしたら北極点にたどり着いたようなものなんだろうな



ようやくできたー!

このアナログ系の僕がデジタルゲームをクリアすることが出来た

思わず輪島に声をかける

「ちょ! 輪島みて! 出来た!!」

輪島はきっとレベル1でしょぼいとか思っているのだろうけど

「桜川すごい!」

すごいって言ってくれた.

でもいっきにレベルを5に上げた輪島はどこまで極めているのか

すごく速く流れてくる棒をどんどん押していく.

しかも1回もミスせずに…

顔が真顔. 超真剣にやっているのか? 集中力がすごい.

ここに来てから電車の音が聞こえるといつも反応していた輪島が

反応しない. すごい集中力だ.

「はい いっちょあがりっ.」

「すごーい さすが現代っ子」

「同じ年齢でしょ.」

「未だに携帯というくくりになれていないから」

「桜川は遅れすぎ. ちょっと時代についてこよう? 東京五輪!」

「関係なくない? 確かにもうすぐだけど」

東京オリンピックは小学校のときに聞いた誘致決定には感動したが

今となっては見ようとも思っていない.

って言うか,今までのオリンピックと何が違うか.

身近な場所で行われるということだ.

特に水泳や陸上,野球,サッカーその他もろもろ見てもいまいちわからない

それを見るくらいならまだ古いアニメを見たほうがいい.

今はマンガも電子書籍で読む人が多いらしいから味がないけど

アニメは子どもの頃から全く変わりなし.

そういえば松山を舞台にしたアニメはないのかな?

そう考えていたら…

「桜川っ! レベル7,出来た!!」

レベル7ってどんなに早く棒が流れてくるん?

そんな時綾奈が入ってきた

「誰がお風呂最初に行く?」

「一番後でいいよ,僕は」

「一番町がどうしたの? 大街道関係なくない?」

輪島の聞き間違いにまた筒石と目が合った.

ありえないよなぁ.

誰も一番町なんか言ってないし…

今日も最終的にじゃんけんで決めることに.

そして一人勝ちしてしまった.

「どこにあるの?」

「いってなかったけ~ いってなかったか~」

とのんびり言いつつ綾奈が案内してくれた.

入ったとたんにおどろいた

なんなんだこの風呂は一体…

大理石? いやプラスチックと信じたい.

風呂の床も浴槽も白いし.

どこの高級ホテルだよ…

本当に大理石なのかな?

触った感じがプラスチックじゃない!

電球も電灯色で…

しかもうちの家族全員で入ってもおそらく余裕の大きさ…

夜に一人で入っていたら広すぎて怖いな.

綾奈ってまさかの金持ち!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ