幻想理想郷 〜Lover Of The Clone〜
スピンオフですよー。
ネタですよー。
マジレスはやめてくださいね!
私はワタシ。
貴方はアナタ。
君はキミ。
同じようで異なる存在
では、自分はジブンなのか?
断定はできない。
果たしてそこにいる自分が本物であると誰が決めたのだろう?
少なくとも私はそうは思わない。
もしかしたら、自分は誰かの模造品かもしれない。
もしくは誰かのドッペルゲンガーであって自分は本物ではないかもしれない。
模造品である人を1人だけ知っている。
私の先輩だ。
模造品でありながらも必死にもがき、原点の思い通りにさせないために道を模索し続けた私の愛する先輩。
私を傷つけてしまうと嘆きながら私を遠ざけようとした優しい先輩。
みんなを救う為に透という自分の人格を殺した強い先輩。
これは私の視点の物語。
澄という模造品である彼の側に立ち続けた少女――立華奏 藍の物語である。
『残念、そこは落とし穴でしたー♪
アナタの人生おっしまぁーい!じゃーねー♪』
一人殺した。
弾丸1発で殺せた。
弾を無駄遣いせずに対象を殺せたので私は安堵した。
でも、まだ仕事は続いている。
SL9SDの弾倉を交換して、スコープを再び覗く。
サプレッサーを装着しているため銃声を聞かれて場所がばれるなんてことはない。
だが、殺した相手の銃創の角度、倒れた向きである程度は気づかれてしまう。
ならばどうするか?
答えは簡単
バレる前に全滅させてしまえばいい。
プシュッ、プシュッと銃口から音をギリギリまで抑えられた銃声が聞こえる。
銃声がするたびに人が古いfpsの敵みたいにパタパタと倒れていく。
無論全員頭をぶち抜いている。
彼らは苦しむことも無く逝くことができるのだ。
少しは救いになるだろう。
ワンマガジン撃ち切ると、敵は全員死んでいた。
「...仕事終了、帰ろ」
SL9SDをケースにしまい薬莢を全部拾ってから私は帰路に着くことにした。
私の家...といっても先輩の家なのだが、(現在居候)今は私にとってそこが先輩の家こそ私の帰る場所だった。
帰ってから何しようか考えていると、家に着いた。
が―、
「...まぢかよ...」
なんと鍵が掛かっていた。
これは恐らく先輩の仕業、今月でもう五回目である。
だが!
私を誰だと思っている?私は元スペツナズである(なぜ入れたかはまたいつか)
鍵開け《ピッキング》なんてお手の物である。
鍵が開くまで約5秒、私は開いたと同時に部屋に飛び込んだ。
が―、(2回目)
「.........あれ?」
なんと今度は先輩がいなかった。
...この失踪が後に2人のトラウマになることを彼女はまだ知らない