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夢の精 - 黎明夢遊勇者 - 恋人双星  作者: ジョナ・アキラ
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第九話:初めての友達

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漢拏山噴火口上空高所、我来也が現れて、キラと岩窟王の間の戦いを乱入し、二人の戦いを中断させた。我来也が手元にある宝石を手に持ちあげ光らせて、岩窟王を魔法陣の非物理的地面表面に落ちさせて、倒れたまま痛み蠢くようになった。そして、キラに向けて言った。「体の中の天意珠をくれて、優子を助けろ!彼女は間もなく意識が戻る」


  キラが身体中の天意珠を取り出して、掌の中に現れさせて、それを我来也師匠に渡した。


  我来也師匠が岩窟王の方向に向けて、こう言った。「もう苦しみたくなけらば、天意珠をこっちに渡すんだ!」


「いやだ!我こそ闇の帝王…」


「ならば、消え失せるがいい!」と我来也師匠が脅かした。


「待って!我が死ねば、あいつも死ぬ!」岩窟王が言い返した。


「彼女の体内にはめ込んだ天意珠のせいか」


岩窟王が呆気にとられた。


優子が目覚めて、キラが優子の体を持ち上げて、大丈夫かなと訊いた。優子が咳をして、天意珠の欠片を吐いた。その天意珠の欠片が我来也の方へ飛んで、我来也の手元にあった天意珠と合体した。


我来也師匠の目が光って、天意珠も光った。


その時こそ、岩窟王が緑色の光で光って、木端微塵になった。


塵と化した後、岩窟王を支えた天意珠が残り、それが我来也の手元にあった大きい天意珠と合体した。


優子が立ち上がったが、キラが倒れた。


キラはまだ意識があったが、ちゃんと立てるほどの力がなかった。


「キイイイイイラアアアアアアアアアアア」


彼女が彼の肩を支えようとしたが、彼は弱すぎた。


「師匠」優子が叫んだ。「天意珠を使って彼を元に戻して下さい」


「やってみる」と我来也が言った。


我来也が宝物を高く持ち上げ、梵語で唱えた。


「キラ!頑張って!」と優子が泣きながら叫んで、キラの手を握りしめた。


「大丈夫、姫!俺がいつも、お前を守る為に、いるんだ」と彼が微笑んで言った。


「完全なる天意珠チンタマニよ、この少年の魂を癒し賜え」と我来也師匠が唱えて、宝石自体が光った。


宝石が強力なエネルギーを発生し、キラの半分物理的な体を充電した。


しかし、リバウンド反応があったようだ。


キラが叫んで、癒す筈の力が、返って彼を更に痛めた。


岩窟王のかけた悪の魔法が治療工程を邪魔したようだ。


「キラ」と優子が叫んだ。


キラが痛みに足掻いたが、目がずっと優子をみつめていた。


彼の体が、物理的な特性を失いかけていた。即ち、消えようとした。


優子が手をつかんだが、もう、その手の感じられなくなった。


「ゆう…こ…」


彼が消えた。


「キイイイイイラアアアアアアアアアアアキイイイイイラアアアアアアアアアアアキイイイイイラアアアアアアアアアアアキイイイイイラアアアアアアアアアアア」


優子が叫んで、泣いていたが、もうそうする場合じゃなかった。


皆が立てた魔法陣が急に消えてしまい、両方が漢拏山噴火口に落ちようとしていたんだ。


我来也が浮揚して、優子の方へ飛び込んで優子を救おうとした。


優子が浮揚できたが、そうする気分じゃなかった。


噴火口への急落下がその悲しみと苦しみが終わると願った。


しかし、彼女が声を聞こえた。


「優子」と。


我来也が優子の手を摑まえる前に、彼女が無意識的に浮揚術を起動させた。


優子にとって、悲しい一日だった。


優子が友人をなくした。


実は、彼は彼女の人生の中の初めての友達だった。


敵と戦う為に、我来也の元で優子がまた修行に励んだ。我来也がキラについて説明した。キラが死んでいなかったが、自分の元の体と一体化した。彼女の半幽霊身体が滅んでも、同じ結末だ。彼がまた目覚める準備ができたら、彼が自ずと目覚めるだろうと、我来也が説明した。


それが、後一年だった。


我来也が彼女に、隠密任務の為に、シンガポールへの交換留学生の役割をするように命じた。


あの声が聞こえてから、優子の気持ちが裏腹だった。


なんらかに理由で、もしこの任務を受けたら、キラをなくした時自分の命を投げ出す覚悟ができたころ聞こえたその声の源を探し出せる気がしたけど。


任務開始前、我来也師匠が彼女に3つの贈り物を与えた。その贈り物は、ある重要人物に捧げる為にあった。


重要人物と聞いた時、優子が、その重要人物が彼、声の持ち主だろうと思ってならない。


一つ目が魔法のペンだった。二つ目がノートだった。三つ目が封印護符だった。その封印護符の名前は「四心符」だった。


「我は、天意珠の力をこの三つのアイテムに分割した。この力が分割されアイテムに変化させられる時、最早人に多大な力を与える事が出来なくなった。有害アイテムではない限り、武器としては使えない。そのペンが人の内心を映し出す力があり、ノートがそれを記録する。四心符が、それを付ける人を、命がある限り守る。」


「だが」と優子が訊いた。「天意珠とはもともとなんだったのか?」


「あれはもともと東南アジアのシュリーヴィジャヤ王国がもともと所有していた力の源の役割を持った宝石をエミュレートする為に作った宝石です。力が溢れていて、3つに分割する必要があった。あるオランダ人の女の人が一つの欠片を手に入れた。そのオランダ人が後ほど、マタハリというスパイに成長し、処刑された時あれはマタハリ自身じゃなくて、魔法で出来たクローンでした。あのクローンは世間にマタハリが死んだと見せかけるためであり、マタハリが魔女となってマタブランに改名した。残りの天意珠は、中国商人がそれを取り入れて、マレー諸島にいるコレクターに売った。コレクターからコレクターへ渡った挙句、朝鮮半島へ渡ってしまった。」


 「なるほど」と優子が言った。「それを彼にプレゼント?」


 「思い出して!お前が見たかったやつだ。キラを覚えているかい?その人の中には、キラの意識が眠っている。」と、我来也が言った。


  優子の頭がめまいするほどどきどきした。でも、他の理由でもめまいした。


  彼女が色んな忘れてしまったものを思い出した。忘れられた過去の思い出の欠片。


  最初から圧倒的だったが、思考が安定したら、思い出が透き通るようになった。  


  優子の唇にある微笑みが浮かび上がった。我来也が久々初めて、彼女の微笑む姿を見た。


  彼女が初めて言った言葉は「あなたは、私のワンダーウォールです」。




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