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夢の精 - 黎明夢遊勇者 - 恋人双星  作者: ジョナ・アキラ
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第一話:私のワンダーウォール 

「ワンダーウォール」 (Wonderwall) は、イギリスのロック・バンドのオアシスの楽曲で、「“(What’s the Story) Morning Glory”」というアルバムにでリリースされた。

  作曲家のNoel Gallagherによって、「ワンダーウォール」が「自分から自分を救ってくれるる空想の友達」とか「生涯伴侶」と言う意味だ。

  平凡な暮らしの裏には、神秘、魔法、と死後の人生という要素が潜んでいる見えない世界が存在していると、多くの人は知らない。

  その見えない世界では、Morning Glory(暁の栄光)という名は広く伝われていた。それは、迫害される者と罪のない人の為に、悪の軍勢に立ち向かう英雄を証する名前だ。

  彼の性格は傲慢ではなく、心を開かせる程の謙遜な優しさだった。男女不問、多くの人に尊敬されるような、自然的なカリスマの持ち主であった。

彼は憧れる愛しい喜怒哀楽の時を分かち合う伴侶がいた。その関係は人を羨望の眼で見させたことがある。みんなは自分の関係はその二人の関係のように完璧だと願っていた。彼は彼女のワンダーウォールで、彼女も彼のワンダーウォールであった。

彼女はザ・ワンダーウォールとして知られて、二人はワンダーウォール恋人として呼ばれたようになった。

時間が経つと、ワンダーウォール恋人がその見えない世界から消えてしまい、はなればなれになってしまい、もっと自分を知るべく幾多の試練を乗り越え、自分の魂を更なる智慧と知見で自分の心を磨いて来た。

この世での再会と再現の時こそ、彼ら二人がもっと強くなり、闇の軍勢が震えると予言されている。

そして、その時刻はもうすぐだと、噂が飛び回っている。

その時こそ、今なんだ。


          *********************   


アンナベルがそっと白い壁に手を付けた。その壁が青い光に強く光って、彼女全身に紺碧の光を浴びさせて、前にある門が自動的に開いた。彼女が入ると、目の前にある水のプールがあった。巫女の指示に従い、彼女は服装を脱ぎ裸になり、ゆっくりとその温かい禊用温泉に入った。そうすると、禊の儀式が始まろうとした。

彼女はそれを望まなかった。しかし、彼女には仕方がなかった。

我来也がらや様、あの子は大丈夫でしょうか?自閉症が、治りますか」と、温泉寺院の温泉の部屋の外側のプライベート室で、ある年寄の婦人が慌てて言った。

 金色の仮面を纏った男は、「その子の問題を…自閉症と呼びますか?」と、懐疑的に訊いた。「彼女は可也大丈夫だそうですよ」と言った。

 その年寄の婦人の隣に座っていたのは、彼女の夫だそうだった。彼は「あの子は勉強とか自分との遊びとかしかしない。誰かとも遊ばぬ!このままじゃ、グループCEOになるための対人関係を保つ能力をどうやって身に着けさせるか、もう心配してるんだぞ」

 プールの中に全身が浸っていた間に、アンナベルがある声を聴いた。

 それは男子の声だった。とても懐かしい声だった。その声が彼女の中を暖かくさせた。

 その感覚こそ、家、家族、あるいは運命の人を思わせるんだろう。

 その声は絶対に両親とか親戚とかの声ではなかった。

 実は、両親以外、他の親戚を知らない。

 プライベート室の中で。我来也様は冷静で説得力のある口調で言った。「李殿、ご心配なく。彼女は絶対に癒されて、輝く未来を迎えるんだろう」

その時プール全体が金色のオーラで光った。

プールの回りに誰もいなかった。式を監視する司祭もいなかった。彼女自身が自分でプールに踏み込み、一人で禊を行った。

しかし、彼女は一人でプールから出てこなかった。ある人が彼女を運び出した。その人が彼女にそっくりだった。双子同然だった。その双子が彼女を浴衣に身を纏わせ、自分も全身に顔から足指まで覆われる服装を身に着けた。

プライベート室に戻ったら、我来也様が言った。「もう完治です。一人でシンガポールへ行って留学できるほど、独立しています。旅行の準備も、して行って下さい。」

「よかったね、あなた」と婦人が喜んで主人に言った。「シンガポールが充分に安全のはずだよね?娘の命を狙う奴等から隠せるんだね」

我来也様が返答した。「シンガポールが充分に安全です。国境に結界が貼られているので、騎士の奴等が彼女に手を出せないのです」

「名前ぐらい変えてみたらどうなんだね?アリス!アリスはどうだ」と、お父さんである李さんが進めた。

「アリス!アリスファン!それで簡単に発見されないだろう。新しい身分を証明する為に新しいパスポートを用意しよう。」と我来也が言った。「同時に、代わりに他の誰かが東アジアで影武者として活躍してもらう。」

「有難う御座います」と李婦人が涙の余りに、感謝の気持ちでお辞儀した。

我来也様が心の中で、「貴方たちが何も知らないからね」と思った。

何年間も経った。何年前、彼女はある戦いで疲れ切って、死の淵を彷徨った。彼女を救う為に、我来也が禁断の呪文で彼女を子供の体に戻し、彼女の細胞を使って両親の役割をするクローンを作った。そのクローンたちは魂もなく、大人になるまで育ててくれる役割を果たす。その後は彼女と合体し、完全体にする。完全体になれば、両親としての智慧と経験は彼女の頭に戻される。

  今回、彼女はまた、二つに分かたれた。一人がシンガポールで留学するようになった。もう一人が、我来也師匠の下に残り、働くことになる。

  タクシーを予約して、意識不明のアンナベールとその両親をホテルに返した後、全身が覆われた女子と話した。仮面を脱ぐと、顔がアンナベールそっくりだった。

  「自分の体から自由になる気分はどうだ?」と我来也師匠が訊いた。

  「最適です」と彼女が答えた。

  「学校に戻りたいかね」と我来也が訊いた。

  「いいですけど、その目的は何?本体から人格を引き離すのはただ学校に戻るだけじゃないはずでしょう?もう一人の私も留学するからね」

  「そうだ。お前はノヴァガイスト(新星幽霊)だ。あなたの本体から生まれた影だ。一定した肉体を持たないが、半物理的な体を持つようになる。滅ぼされたら、お前はシンガポールにいる双子の姉妹と合体してしまうだけだ。初めてじゃないから、プロセスに関しては覚えがあるよね?」

  彼は正しかった。初めてじゃなかった。幼少時期も一回経験したが、その記憶がはっきりじゃなかった。アラジンというおとぎ話のように、ランプの精が呼び出されるように、彼女は本体から呼び出された。今は我来也師匠の前で、アンナベールと瓜二つの人間として現れた。

  「あなたに秘密の任務を実行してもらう。中学生の正体を取る必要がある。最早準備済。」我来也が彼女に生徒身分証を渡した。 

  生徒身分証を見て「前田優子」と書いてあった。「それはAKB48の前田敦子と大島優子の合併名前じゃないか?」と、彼女が思った。

  そして、身分証のロゴを見たら、「星晶会大学」と書いてあった。

  「星晶会」は、最初は日蓮仏教を広める組織として始まったが、今は宗教的寛容を支持する為に日本で設立できた組織だ。その組織が世界中に大学を設立し、オカルト研究、オカルト武器、とオカルト犯罪者成敗の為の戦隊も編成されて来た。

  我来也がアンナベールの手を取り、日本での星晶会の校舎へ瞬間移動テレポートで連れて行った。そこで学生になると聞いた。その校舎の建物は古代ギリシャやローマ風だった。その校舎は、山の奥に隠蔽されていた。

我来也が彼女を窓の高い聖堂に似てるホールへ連れて行った。

そのホールの終端に二つの金色の像があった。一つは超美男で、一つは超美女だった。その像の下に、像の正体を表すラベルがあった。

「リオンドール、伝説の英雄。予言通り、自分の意識を10人の武神戦士の体に分かち、違う時代と国家に生まれ変わらせる事ができ、別の名前と身分で行動させることができる。その10人も合体して1つの存在に戻ることもできる。世界が危機に陥る時、彼は幾多の試練と転生輪廻を経て1つの存在として再び降臨する。遠くない未来、愛妻のモナフロディヴァと共に、大いなる悪から世界を救うと予言されている。」

そして、「愛妻」の像を形容するラベルもあった。

「モナフロディヴァ、あらゆる男の理想で夢にしか見ない伝説的な美貌を持つ女で、それを愛する資格を持つ男は一人しかない。彼女は自分の意識を10人の女神分かつもでき、違う時代と国家に生まれ変わったリオンドールの化身の別嬪伴侶になったと信じられていた。その10人も合体して1つの存在に戻ることもできる。彼女は幾多の試練と転生輪廻を経て1つの存在として再び降臨する。その合体の結果は美貌、知恵、知識を併せ持つ究極の女神となろう。愛する男リオンドールと共に、大いなる悪から世界を救うと予言されている。」

女神の像をじっと見ると同時に、ある声が聞こえた。

「優子君、私は、未来のあなただ。あなたはわたしになる運命なんだ。」女神の像が喋った。

「あたしがあなたになる?どういう意味?」

 「優子君、あなたはわたしにならなければならない」とその声が聞こえた。

「わたしはあなたになる?」と、優子がもう一回訪ねた。「どうすれば?」   

「今あなたの意識が不完全だ。最初からあなたの意識は完全だったが、10人の意識に分かたれた。あなたの意識はその一つだよ。」

「10人の意識?」

「あと9人はあなたが探すべきなのよ。探す次第は合体するの。そうすれば、あなたはわたしになれる。」

「どうやって見つけるの?」と優子が訪ねた。

「もう少しの辛抱だ。運命に導かれるべし。あなたが探しに行かなくていいよ。皆があなたの元に来るはずよ。今のところじゃ、現在の自分の意識の向上に励むがいい。あなたには果たすべき使命がある。我来也師匠が案内するよ。」

「自分の意識の向上に…励む?果たす…使命?我来也…師匠?」と優子が尋ねた。

「優子君…優子君…」

「はい?」と、優子がぼんやりそうに訊いた。

「優子君、どうした?」と我来也師匠が訊いた。「時間がない。さっさと会議を始めよう。」

優子が急にぼんやりするのをやめ、振り返ると、像を注目に思わず払ってしまったのを謝った。我来也師匠がついでに会議の議題に関して説明した。内容は、優子にしか執行できない任務だった。

任務を説明する前に、我来也が、任務の背景の関して、説明した。

100年程前、ヨーロッパで有名なスパイ、マタハリが銃殺隊に処刑された。

しかし、彼女は本当に死んだわけじゃない。

殺されると思われる前に、マタハリが魔女の使う魔法の秘技を使って、影武者として動く為のドールを作った。

その後、彼女が魔女になり、別の名前を使って生き続けた。

不死身にはなったが、日差しに弱い体質を持つようになり、自分を「マタブラン」に改名した。マタハリがインドネシア語で「太陽の目」を意味すると同様、マタブランはインドネシア語で「月の目」を意味する。マタブランがそれ以来、第二次世界大戦の頃、影に潜んでナチスとソ連の台頭を支持した。

太陽の元で弱まっても死なないが、苦痛の極みだった。それ以外、不死身で不滅だった。戦後は、シベリアのどこかで埋められた緑色のゴミ箱に封印された。しかし最近、その封印が解かれ、再び自由になったんだ。

「じゃ、あたしはどうしたらいいというの?」と優子が訪ねた。

我来也がある装置を手に持ち、優子の元へ歩いて、優子の右腕に付けた。なんらかの装甲手袋ガントレットだった。そのガントレットの中央に緑色の玉がついていた。

「なにこれ?」と優子が訪ねた。

「そのΧάοςἑταῖροι(カオスヘタイロイ)という装甲手袋ガントレットが、戦う時に、持ち主の手助けをする元素守護神を召喚することができる。」

「うわ!それは格好いいじゃん?」

「しかし」と、我来也が付け加えた。「カオスヘタイロイは我々の物ではない。マタブラン自身が我々の18人の精鋭生徒を捉えている。」

「何?どういう意味?」

「守護神たちは、元素由来魔法を使える人と他の種類の生き物を吸収することで力を得てる。幸い、その人間と生き物たちは殺されず、守護神の体の中に命を留めていた。」

「じゃ、生徒たちを自由にするべきじゃないの?」と優子が訊いた。

「無論!だがガントレットを戦闘中に使う事で、守護神の力を使い切らせる」と我来也が言った。

「でも、どうしてわたしが?カオスヘタイロイを、師匠が使えないの?」

「いいえ、女だけをあるじとして認めるように設計されている。そして、その女性は強力でなくてはな。魔女のマタブランの様にな。」

「わたしだけ?じゃ、わたしだけがあのマタブランを倒せるというの?でも、どうやってあのガントレットを手に入れたの?」と優子が訊いた。

「運が良かった。あやつとの肉弾戦の中でガントレットを幸い奪取できた。生徒たちを救いたかった。だが、あやつを逃がして仕舞った。そして、あやつは武芸大会を開催し、星晶会大学が一人の生徒代表をガントレットを所持するままに参加して欲しいと言った。断る場合は地震を起こし、日本を海に沈めると宣言した。だから、その代表はお前でなくてはならないと決めたんだ。」

「日本を海に沈める?そんな!そんな大会なの?」

「その大会はマタブラン自身が開催している。「願望玉」と呼ばれる七つの宝石を闇の儀式を通して現世に召喚しようとした。あやつはその為に、7人の参加者を器として要る。参加者の体に儀式の中に封印が施される。条件は、参加者は相手を倒す時、その相手の封印を奪取できる。全ての封印が集まれば、7つの「願望玉」をその7つの封印から召喚でき、その7つの願望玉を合体させれば、願いを叶える「天意珠」が生まれる。無形な物である限り、天意珠には不可能はないと伝えられている。たとえば、運命変化、異性運、御籤運、病気完治、選挙当選、大学入学、就職、権力。権力なら経済力も政権も不可能もない。」


「大会はいつなの」と優子が訊いた。

「今日から2日後。故に、そのカオスヘタイロイの力と能力を使い慣れるようになるまで後2日しかない。」

「それで、優子がカオスヘタイロイを使えるように努力を惜しまなかった。その力は9つの元素を司る9人の守護戦士を召喚する事ができる。その9人を召喚す続ける事で、守護戦士が力を使い切れてしまい、生徒たちが自由になる。」

その後、優子は大会に入る為に、準備万端整った。そして、マタブランが指定した大会の位置、ゴビ砂漠へ赴いた。


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