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雪夜の月  作者: 貴様 二太郎
本編
16/26

十六 今度こそ

 

 目を開けると、私は夢の中と同じ状態になっていた。意識はあるけど体は動かせない傍観者ポジション。


月乃(つきの)、ではないですよね」


 (ゆき)が険しい顔で私を見ている。

 さすが雪。一目で月乃()千歌(彼女)の違いに気がついたらしい。


「久しぶり……と言っても、あなたは私のこと忘れちゃったんだよね。私は千歌(ちか)。わけあって月乃の中でずっと眠ってたの」

「月乃は無事なんですか? 返答によっては、私は貴女を消すことも厭いません」


 なんか雪が怖い。千歌に対してすごい敵意を感じるんだけど。

 でも千歌はそんな雪を見てくすりと笑う。


「心配しないで。私たちは一蓮托生、月乃に何かあったら私も無事ではすまないもの。今だけ体を貸してもらったの。彼を――薬鷹(くすたか)を助けさせてもらうために」


 千歌は雪から視線を外すと、蠢いている黒い塊を見つめた。


「チカ……ちか、千歌? もしかして貴女は月乃の言っていた、私の失われた記憶に関係のある人なんですか?」


 千歌は雪を見ないまま、ただ無言で頷いた。


「ごめんなさい。詳しいことは後で月乃から聞いて。今は時間がないから」


 そして千歌は一言、「薬鷹」と黒い塊に呼びかけた。

 すると一番大きな塊がぴくっと反応を示した……ような気がした。そもそもがビクビクと脈動していたので自信はないけど、でも確かに一瞬だけ違う動きをしたと思う。


「薬鷹……、薬鷹。ねえ、あなたの声を聞かせて」


 千歌の呼びかけに、黒い塊はさっきより大きな反応を返してきた。ぴくっだったのがびくっになり、彼女が呼びかければ呼びかけるほどその反応は顕著になっていく。


「薬鷹……、呼んで。あの頃みたいにもう一度、千歌って、呼んで」


 頬を温かい涙が伝ってゆき、同時に千歌の想いが流れ込んでくる。


 ――好き、好きなの。今もあなたを愛してる。


「ぢ……がぁ」


 さっきより大きく、そして人型を取り戻しつつある塊からくぐもった声が聞こえてきた。意味のない言葉じゃない、まだ不明瞭だけど、“千歌”って言ってた。

 これなら案外早くけりがつくかもしれない。私はそう思ったんだけど、当の千歌から伝わってきたのはなぜか不快感。眉間に思いきりしわが寄っている。彼女のこの嫌がりよう、もしかして出てきたのは連翹(れんぎょう)


「ぢがぁ!!」


 ソレはひび割れた声で吠えると、ものすごい勢いで突進してきた。

 雪が迎撃するために槍を構えると、「手を出さないで!」と千歌が叫んだ。その声に雪が躊躇した一瞬の隙に千歌は走り出す。突進してくる、黒く蠢く塊に向かって。

 そしてたいした抵抗もせず捕まった。黒い何本もの腕に掴まれ、磔のように宙づりにされる。千歌はそんな状況で悲鳴一つも漏らさず、ただされるがままになっていた。


 黒い塊の一部が盛り上がると、連翹の上半身が姿を現した。悪鬼の如き形相で私たちを睨みつけ、壊れたレコーダーのように喚き散らし始める。白目まで真っ黒に染まった瞳、涎を垂らす口許には既に理性など欠片も感じられなかった。


「お前なんかに……お前なんかに薬鷹は渡さない。あいつは俺のものだ。俺の、俺俺俺俺、俺の、俺のものだぁぁぁ!!」


 そんな連翹を、千歌はただ無表情で見下ろしている。後ろからは私を心配する雪の声と、彼が戦っている音が聞こえていた。無限に再生する黒い腕に足止めされ、かなり苛立っているみたいだ。


 それにしても、千歌は一体何をしようとしているんだろう。何か確信があってやっているみたいだけど。彼女からおおまかな感情は伝わってくる。けれど細かい思考までは伝わってこないから、ものすごく不安だ。どうか私の体であまり無茶しないでほしい。

 

「ここ、殺、殺してや、やる。今度は、その魂ごと、殺してやるらぁあぁぁ!!」


 連翹は呂律の回らぬ舌で奇声を発すると、手刀を私の腹めがけて突き出した。

 もうだめだ、そう思った時――

 突然、目の前に壁が出来た。ううん、壁じゃない。これは……背中だ。

 連翹の腕は、私の前に立ち塞がったその背中から突き出ていた。流れ出る黒い血に、あの時の情景が蘇る。

 今目の前にあるのは最期の時、あの時も私を守ってくれた背中だ。


「千歌を、傷つける奴は……」


 胸に刺さった連翹の腕を掴み、千歌を守るように連翹に対峙する後姿。


「離せ、離せ離せ離せ、離せぇぇぇぇ!」


 暴れる連翹の腕が、ぐしゃり、と握りつぶされる。


「殺す、殺、殺して、やる。くく、あはは、もうやめてくれ! あはははは、殺せ、違う、殺してくれ、くく、あははははははは」


 狂笑しながら連翹を滅茶苦茶に殴り始めたのは、狂ってしまった薬鷹だった。


「薬鷹! こっちを向いて、薬鷹!!」


 連翹に千歌を殺されそうになり、一瞬だけ正気を取り戻して千歌を助けに来てくれた薬鷹。でも、それはほんの一瞬の奇跡。今や完全に正気を失ってしまった薬鷹は、千歌が何度呼びかけてももう振り返ることはなかった。哄笑しながら、連翹をひたすらに殴っている。

 そして殴られている連翹だけど、なぜか恍惚の表情だ。気持ち悪い、ものすっごく気持ち悪い。

 連翹は薬鷹に殴られるたびに気持ち悪い声をあげ、それに伴って雪を襲う黒い手が俄然勢いを増してゆく。私の体は捕らわれたままだし、雪は雪で勢いづいた黒い手に苦戦している。薬鷹もおかしくなっちゃったし、千歌はこの状況をどうするつもりだろう。

 でも、焦る私とは対照的に千歌は落ち付いていて、深呼吸をすると――


 ――()()の名残。()も名残――


 唐突に歌い始めた。

 これってあれだよね、曾根崎心中。千歌が好きだって言ってた悲恋の物語。


 ――死に行く身を(たと)ふれば。あだしが原の道の霜。一足づつに消えて行く。夢の夢こそあはれなれ――


 物悲しくも朗々と響き渡る千歌の声。それに重なるのは、箍が外れたような薬鷹の笑い声と気持ち悪い連翹のあえぎ声。


 ――あれ(かぞ)ふれば暁の。七つの時が六つなりて残る一つが今生の。鐘の響きの聞き納め。寂滅為楽(じゃくめついらく)と響くなり――


 歌に乗せられた千歌の気持ちが伝わってくる。


 私の為になら死ぬのも悪かないっていってくれたじゃない。私を見て、私の声を聞いて、もう一度あなたに触れたいの。だから戻ってきて、私の元へ戻ってきて、薬鷹!


 段々と薬鷹の動きが鈍くなってきた。いつの間にか笑い声は止んでいて、連翹を殴りつけていた腕の動きもずいぶんと緩慢になってきている。視線はうろうろと空を彷徨い、何かを思い出そうとしているように見えた。


 ――鐘斗(かねばかり)かは。草も木も空もなごりと見上ぐれば――


 薬鷹が振り返った。戸惑いながらもこちらを見上げてくる彼は、侵食してくる堕ち神と必死に戦っているんだろう。


 ――雲心(くもこころ)なき水のおと北斗はさえて影うつる星の妹背(いもせ)の天の河――


 彼の瞳からドロッとした黒い塊が流れ落ち、次いで透明な雫が零れ落ちた。そして千歌の声に、涙に震えるかすれた声が重ねられる。


 ――梅田の橋を(かささぎ)の橋と契りていつまでも。我とそなたは女夫星(めおとぼし)――


「渡す、ものかぁぁぁぁ!!」


 嫉妬に狂った咆哮をあげたのは連翹。彼は私の四肢を捕らえていた腕に力を込めると、一気に引き千切ろうとした。


「この、()れ者が!」


 珍しい雪の怒鳴り声が聞こえた。そう思った時には黒い腕は切り裂かれ霧散し、私の体は雪に抱きとめられていた。


「月乃の体でなんて無茶を。守護の印でも軽減できないような攻撃は受けないでください」

「ごめんなさい。でも、月乃はあなたが絶対に守ってくれるって信じていたから」


 そう言って笑う千歌を雪は苦虫を噛み潰したような顔で一瞥すると、懲りずに襲いかかって来た連翹の方へと向き直った。

 ところが私たちめがけて伸ばされた黒い腕は突然方向を変え、本体であるはずの連翹を押さえつけた。連翹が暴れ喚くほど、その拘束はますます強くなってゆく。ついには彼のくぐもった呪詛の声しか聞こえなくなり、連翹の姿は黒い腕の中に埋もれてしまった。


「千歌……、本当に千歌、なのか?」

「やっと会えた……薬鷹!」


 千歌が薬鷹の胸に飛び込み、そんな彼女を薬鷹は戸惑いながらも抱きしめる。

 でもなんだろう。気のせいか、背中に突き刺さるような視線を感じる。


「千歌、千歌。すまなかった、俺と兄さんのごたごたにお前を巻き込んじまって。俺はお前にどうやって詫びりゃ……」

「違う! 薬鷹は悪くない。あなたは昔も今も、ずっと私を守ってくれたじゃない。むしろ私のせいであなたが死ぬ羽目になったのよ。謝らなきゃいけないのは私の方。ごめん、ごめんなさい、薬鷹」


 薬鷹の腕の中で号泣する千歌。歓喜、安堵、後悔……様々な彼女の思いが私にも伝わってきて、思わずつられて泣きそうになる。とはいっても、今の私は意識だけだから涙出ないけど。


「……うぐっ、まずい。このままだと、また」

「薬鷹!? しっかりして、薬鷹」


 薬鷹は千歌を突き飛ばすと、頭を抱えもがき始めた。彼の瞳が三度(みたび)黒く侵食されてゆく。


「今のうちに……、逃げ……ろ。逃げて、くれ」

「いや! 薬鷹を置いてなんていけない!!」


 まただ。このままだと、またあの日を再現するだけだ。どうすればいい? どうしたらいい?


「抗いなさい! あなたの愛しい人を助けたいのなら、今は全力で堕ち神に抗いなさい」


 正気を失いそうな薬鷹に、雪は凛とした声で発破をかけた。そして踵を返すと、さっき壊そうとした小さな扉の前に立ち槍を構える。

 雪は深く息を吸うと、目にも止まらぬ刺突の嵐を扉に浴びせ始めた。でもその猛攻をもってしても槍は扉まで達することはなく、全て手前の見えない壁に弾かれてゆく。


 ――ぴきっ


 一瞬、微かにだけどガラスにひびが入ったような音がした。最初は気のせいかなと思ったんだけど……。薬鷹のうめき声、連翹の呪詛の声、千歌の薬鷹を呼ぶ声、雪の槍が弾かれる音、今ここには溢れるほどの様々な音が満ちていたから。


 ――びきっ


 また聞こえた。いろんな音に埋もれてしまっているけど、今度は確かに聞こえた。さっきより音が大きくなってきている。


 ――ばきんっ


 今度ははっきりと聞こえた。その音に千歌も振り返り、音のした方――雪の方を見た。


「もう少しだけ、もう少しだけ堪えてください!」


 雪が壊そうとしている小さな扉の前、雪の槍を全て弾いてきた見えない壁に大きな亀裂が入っていた。どうやら薬鷹が表に出ている間、あの防御壁は弱まるらしい。だから雪は薬鷹に何とか自我を保ってもらおうとしていたんだ。

 さっきまで傷一つつけられなかった見えない壁はひびだらけで、いつ壊れてもおかしくない状態になっていた。


「やめろ、やめろやめろやめろぉぉぉ! 我に触れるな! 我を見るな! 我を、曝すなぁぁぁ!!」


 黒い塊は地鳴りのような絶叫をあげると、一瞬にして薬鷹と連翹を飲み込んだ。そしてそのまま体中から生えている無数の手をキャタピラのように使い、壁を這うように走り抜けると、その醜悪な巨体を扉の前に滑り込ませた。薬鷹や連翹を飲み込み、ぶくぶくと大きくなったその姿はまるで巨大なムカデのよう。

 ぐねぐねと動きまわるふやけた無数の腕、ぶよぶよとしたヘドロのような体。その姿は幼き日のトラウマを思い起こさせ、気がついた時には爪が食い込むほどに強く拳を握りしめていた。その痛みでいつの間にか千歌から体の支配権が戻ってきていたことに気づく。


「何人たりともぉぉ我が魂に触れること罷り成らぬ! 我は神、神神、神なのだぁぁぁ!!」


 黒い塊の先端に出来た大きな口は、泡を飛ばしながら狂ったように叫ぶ。そしてそれが暴れまわるたび社が揺れ、私は立っていることもままならなくなっていた。

 あと一撃、あと一撃なのに。その一撃がなかなか入れられない。相手も死に物狂いで抵抗してくるし、何よりあの無限の再生力だ。私を守りながら戦っている雪は明らかに苦戦していた。


 私、足手まといだ。

 雪みたいに戦うこともできないし、千歌みたいに薬鷹に訴えかけることもできない。何か、何か今の私にでも出来ることがあればいいのに。襲われて、攫われて、守られるだけなんていやだ。私も何か、何でもいいから雪のために出来ることをしたい。


 ――人の願い、それがなければ私たちは存在できません。


 不意に雪の言葉が頭をよぎった。そういえば言ってた、人の信仰心や畏怖が神の力の源だって。だから人の記憶から消えてしまった神様は神格や力を失ってしまうんだって。

 なら、今の私に出来ることは一つ。

 私は雪の背中に向かって二回お辞儀をすると、ぱんぱんと拍手を打った。そして祈る。とにかく祈る。

 

 私のことを守ってくれてありがとう。私と遊んでくれてありがとう。ずっと一緒にいてくれてありがとう。友達になってくれてありがとう。それから、それから……


 思いつく限りの感謝の祈りを捧げた。こんなことで雪の力になれるかわからなかったけど、何もしないよりましだ。もしこれでダメならまた別の方法を考えるだけだし。開き直った私は、今の自分の思いの丈を全て注ぐ。


 雪と一緒にいると幸せな気持ちになるの。雪が笑ってくれると私も嬉しいし、悲しそうだと私も辛い。触れるとどきどきするけどいやじゃないし、実を言うとちょっと嬉しかったりする。さっきは自分と雪に流れる時間の差に絶望しかけたけど、それでもやっぱり私は雪と一緒にいたい。雪の長い時間の中のほんの少しでいいの、少しだけ私にあなたの時間をください。だって……

 雪は私の一番大切な人で、大切で、一番好きな人なの。だからお願い――


「負けないで!」


 今の私の気持ちを全部詰め込んで、ありったけの声で叫んだ。

 全部、私の持ってるものなら全部あげるから、だからどうかみんなを救って。


「月乃の願い、この蛇神玉屑(ぎょくせつ)が確かに承りました」


 雪は神堕ちと戦いながらも一瞬だけ振り返り、満ち足りた笑顔で私の祈りを受け取ってくれた。すると雪の体は淡い光を放ち始め、それを浴びた黒い塊の動きが鈍り始める。


「あぁあぁぁ、願いぃぃ……、祈りぃ。欲す、我も……おぉぉ」


 ソレは慟哭しながら、幾本もの腕を雪に向かって伸ばしてきた。雪を包む光に触れればたちまち消えてしまうというのに、それでも焦がれるように次々と、次々と。


「ゆっくりお休みください、かつて神だった者よ。……これで、終いです!」


 光を纏った雪の一撃は神堕ちの体を貫き、そのままの勢いで防御壁に突き立てられる。すると大きなガラスが割れる音と共に扉の前の空間が粉々に砕け散り、槍は御扉を粉砕し貫いた。


「おぉおおおぉぉお……あぁああああぁぁぁ……」


 神堕ちから幾つもの断末魔が放たれていた。あれだけ際限なく再生していた体は、乾いた土のようにぼろぼろと崩れ落ちてゆく。そうして瞬く間に小さくなった神堕ちの中から現われたのは、気を失っている龍臣(たつおみ)さんだった。


「龍臣さん、大丈夫ですか!?」


 慌てて駆け寄り声をかけたけど反応がない。そこへ雪がやってきて、私の肩に手を置くと首を振った。


「彼はもう目覚めません」

「目覚めないって……、死んじゃった、てこと?」


 目の前の彼は微かにだけど息をしていた。まだちゃんと生きているのに、雪はなんでそんなこと言うんだろう。

 そんな気持ちが顔に出てしまっていたのか、雪は私を少しだけ悲しそうな顔で見た。


「今はまだ、かろうじて生きています。しかし魂のない体は、直にその全ての機能を停止します」


 魂が、ない? だって、龍臣さんの中には薬鷹と連翹がいたはず。その魂がないってことは、まさか……


「龍臣さんの中に入ってた魂は? 二人の魂はどこ!?」

「ちょっ、落ち着いてください、月乃。説明しますから、とりあえず落ち着いてください」


 いきなり食ってかかって来た私の剣幕に驚いたのか、雪は憂いを帯びた悲しげな顔から一転、ハの字眉毛の困り顔になっている。その雪の表情で私は我に返り、掴んでいた雪の衿を離した。


「月乃、周りを見てみてください」


 雪に促され顔を上げた私の目に飛び込んできたのは、思わず目を瞠るような光景だった。



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