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海の向こうに  作者: シュガーウォーク
母とともだち
6/25

2パート

「これはたしか触っただけで引かなかったと思うんですよね。」


「あれ、そうか。ならばこのレバーは?」


「多分最初の方に引きましたね。」


「じゃああれは?」


「何回か触りました。」


隆弘も加わり、広明と広樹は固唾をのんで見守っていた。いつの間にか拓人も一生懸命になっていた。夕飯を食べるのを忘れているくらいみんな必死だった。


「今までのを整理するとこれとこれは確実に違う。つまりこれらのどれかということになる。」


「しらみつぶしにあたっていきましょう。」



そして数十分たった頃だ。


優がいじっていたレバーにより、ついにメーターが反応した。



「おい、優くん!今メーターが動いたぞ。」


「ほんとか!」


何度か繰り返すと確かに動いていた。



広樹と広明は拍手喝采で優は安堵したかのように椅子に座った。


「よかったですね!」


「拓人くん、君のおかげだよほんとに。」



拓人を含めた5人はご飯を食べに行った。


「なんか、研究に振り回してしまったな。まぁ気に入ったら矢澤研にきてよ。」


「ありがとうございました。お世話になりました。」


手を振りながら優達と離れていく。突如拓人は虹色の光に包まれた。気が付くと過去に飛ぶ前の機械の中の椅子だった。



「おかえりなさい。」


吉田先生がいた。午前中にいた吉田さんがおじさんになって目の前にいる。とても不思議な感じだった。


「過去への旅は満足だったかな?」


言われてから気が付いた。22歳の頃に戻り、進路を間違える前の自分に会って忠告するつもりだったのに。何も変えてないどころか間違った過去に飛んでいた。しかも飛べるのは約束だから一回だけ。貴重な一回だったのに。若い頃の父さん母さんに会って研究の手伝いをしただけ。とにかく落ち込んだ。こんな現実ならばずっと1985年でもよかったのに。



戻ってきたところで何も変える事は出来なかった。引っ越しも済んでいるし、車で地元へ戻ることとしよう。



車の近くにいくと、車をじっと見つめている女性がいた。拓人の車を見ているのである。


何か変なものでもついているのだろうか。



「どうかしましたか?」


その人ははっとしてこっちを見た。


「お父さん!」


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