ラストパート
20歳の姿に戻った健太は未来に戻ってきた。
愛が出迎えた。
「おかえりなさい。30年前はどうだった?」
「なんだかよくわからない。けど、幸せだった。」
「これ、お土産?」
「あぁ、そうそう。」
「なにこれー!アイドルグッズじゃん!うれしー!」
そして、健太はチェンジロボを合体させた。3体のマシンの合体。まるで過去と現代と未来のようだ。
シュリケンジン、さっきのが過去と現代と未来ならこっちは今回のタイムスリップに関わった真美、愛、優、拓人、そして健太。
オトモ忍の真ん中に来るのはもちろんぼく。
2つのロボット。大切にするね。
拓人は勉強しなおすということで社会人学生として学生になるかどこかの学校に行くのかそれとも就職しなおすのかを悩んでいたが、やはり腰を据えて勉強し直した方がよさそうだ。
コストの関係から就職し直しを目的として地元で勉強する事とした。
30年前から今に来て学んだことを無駄にはしない。
1985年の真美や優、志穂達はあるものを見ていた。
「大きいねー。」
「今度あそこでバーベキューしようよ。」
「いいね。」
同じものを優も見ていた。
「昨日は荒れてたけど今日は大人しいな。やっぱり天気がいいからなぁー。」
「優くーん。こっち手伝ってくれー。」
「今行くー。」
2015年、親になった真美と優が一緒に歩いた場所でもある。優は見ながら言った。
「拓人。がんばれよ。」
「また見てる。ほら、広樹くんのオムライス。あの子にもっと練習させないと。」
「そうだな。」
同じものを拓人も見ていた。
「今日もでかいなしかし。今日は天気がいいから穏やかだ。」
2045年。
愛はピアノを弾くのを一時的にやめおばあちゃんが撮った写真をアルバムにしまい窓の外を見た。同じものがそこにはあった。
「そういや、6歳くらいの時の健太はお父さんとっても大好きだったもんなぁ。だからあの姿になったのかな。」
2つのロボットを机においた健太は部屋の窓の外を見た。
「幸せだった。俺もがんばんないといけないな。お父さんが過去でがんばったように。」
海である。60年経っても海は海であり姿を大きく変えることは少ない。
いつの時代でも海はそこにあり、存在感を放つ。そしてその向こうからは太陽が登ってくる。
彼らは海を見ているがその向こうに広がる未来を見ていた。海の向こうにある未来へ。太陽は輝いていた。




