1パート
「健太といいます。」
「ううむ。愛ちゃんにそっくりだ。君も未来から来たのか。」
「お、はい。そうです。30年後からきました。」
「おお、お姉さんとは20歳もはなれてるのかー。」
「いえ、6歳差ですよ。」
「まてまて、計算が合わないぞ。」
「ほんとは20歳なんですけど、何故か6歳になりました。知識もほぼ自分6歳の時のものしかないです。覚えてるのもあるんですけど。」
「なんだそりゃ。じゃあ微分積分は?」
「かろうじてできます。ほぼ忘れてますけど」
「微分積分の出来る6歳児か。これは天才児だな。」
二人は笑いながらあるいた。健太は愛が誤解している二つの事を拓人に伝えた。拓人といれば愛達と合流できると踏んだんだのだ。
「お、子供だ。」
ひょこっと木の裏から飛び出した健太を見て志穂が言った。
「何してんの?」
「拓人くんとあそびたい。」
「拓人、モテモテだねぇー。」
志穂が茶化した。
拓人は健太に手をつかまれ引っ張られて行った。さっきあった時よりもさらに6歳の男の子らしくなっているようだと拓人は思っていた。拓人をカフェの近くのおもちゃ屋に引っ張っていき、試遊コーナーで遊び始めた。自分は隣に座らされ、赤い人形を持たせられた。
「拓人くんは、仮面ライダーとかニンニンジャーとか見てるの?」
「え、大人だから見てないな。」
「そっか。かっこいいんだよ。仮面ライダードライブ。車に乗って敵をやっつけるんだ。」
ん?仮面ライダードライブ?車に乗る?この子は真面目な顔で言ってるからふざけてはいない。最近の仮面ライダーはバイクではなく車なのか。しかし、それならば仮面ドライバーになるのではないのか。
拓人は最近の流行にはついていけないなと思い、拓人は彼の話をさらに聞いた。
「ニンニンジャーは、ちっさいロボットが大きなロボットに乗って運転するんだよ。」
健太は黄色や白などのいろのパーツをガチャガチャと組み上げ拓人の持っていた赤い人形を受け取り、座る体制にして黄色のパーツのくぼみに座らせた。
そして、頭の上にパーツを乗せた。
「できた。」
「ほ、ほんとだ。小さなロボットが座ってる。」
拓人は作る人はよくこんな発想を思いつくものだと感心していた。