1パート
未来に飛んだ愛が最初にすべき事は一つである。今、病院にいるおばあちゃんに会いにいく。
愛は車に乗り、走らせた。
病院では健太が窓の外を見ていて、母、父と共に真美を見ていた。真美の呼吸は大きく、落ち着いていたがぎりぎり生きている様子だった。
「やっぱり姉ちゃん、ばあちゃん嫌いだから会いにこないのかな。」
「小さい頃は仲良しだったんだけどね。何が変わってしまったのか。」
愛は車を走らせながら自分が大きな勘違いをしていた事を思っていた。
おばあちゃんは私の事を嫌いなんかではなかった。むしろ大好きだった。
将来の可能性を広げると言う意味ではある程度は勉強する事は大事な事。そのためには多少嫌でも机に向かう習慣をつける必要がある。
だからほかの人よりも人一倍勉強して欲しかったのだ。
それが何よりも愛の未来につながるという事だった。
プリントの件も真美は間違った事をしたが愛にとっては軽く謝っただけのように見える、
「ごめんなさい。」
は本当に申し訳ない思いから言っていたのだ。
あまり、真美は感情を表に出さないから適当に謝っているように見えたが本当はあの時のように顔を手でおおってしゃがむように心の中では謝ってたんだ。
発表会、来てくれてたんだ。本当は私の事大好きなんだ。おばあちゃん、必ず間に合うようにがんばるからね。
「もし、私の孫がいたら私はきっと大好きになる。それだけは!それだけは自信がある!」
その一言を心の中で何回もかみしめながら車を走らせた。
愛は病院につくとまた走った。
必ず間に合うからね。
戸を開けると母、父、健太が立ち上がって愛を見た。
みんな顔が真っ青だった。間に合わなかったのか。
「真美おばあちゃんは?」
「大丈夫!まだ生きている。」