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海の向こうに  作者: シュガーウォーク
思い出したくなかった記憶
10/25

2パート

中学生になった愛は得意なピアノのコンテストがあった。



しかも、部活は吹奏楽に入ったがでピアノは出来ずクラリネットだった。したがって今度のピアノの発表会が発表会としては最後となる。だから愛はみんなに聞いて欲しかったし、お父さんは真美も誘うと言っていた。すっかりおばあちゃんが嫌いになっていた愛も見に来てくれるのならうれしいし、少し嫌いな気持ちも弱まると思っていた。



しかし、真美は来なかった。ピアノの前で礼をした時目で探したが真美の席は空だった。そして、ピアノを引き終わり、礼をして帰る時もおばあちゃんの席は空だった。愛は嫌いを通り越してがっかりだった。きっと見に来てくれると思っていたのに。見に来てくれたらまたおばあちゃんと向き合う事ができると思っていたのに。



愛は落ち込んだ気持ちでカーテン裏に行ったのを覚えている。



何度も信じようとしたが裏切られたし、真美はもともと何を考えているのかわからない人。だからやはり信頼する事もできない。



そして、今回である。自分の息子が傷心して帰ってきたのだ。暖かく出迎えて優しくするべきではないのだろうか。家族での優しさの拠り所はお母さんじゃないのか。誰に会うというのだ。いや、誰に会うとかそんな事はさして問題じゃない。誰に会うよりも息子を第一に会ってあげるべきなんじゃないのか。



愛はとても不機嫌だった。全く信用できない。信頼なんてありえない。



もっといえば前のピアノの発表会のようにまた誰かを傷付けるつもりなのではないだろうか。



このままだと真美に会った時に平手打ちのひとつもしてしまうかもしれない。だめだだめだ。今の真美は私が自分の孫であることを知らない。そんな事はできない。



愛は怒りをしずめるように外を見ていた。



拓人はそんな愛の様子を見ていた。細かいことはわからなかったが愛が真美に対してあまりいい感情を抱いていないことは感じ取っていた。



真美が行きつけのカフェに呼び出した。



拓人は困惑しながらも行く事にした。しかしその前に6歳くらいの男の子が現れた。



「ねぇ、ちょっとお話したい。」


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