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第三話 逃亡

「――はああああああああああ!」

雑念を消すように雄叫びをあげながら、遠距離の敵には光の矢を、取りこぼして接近を許してしまった者には鉄の刃を振るう。今私は、あの部屋を後にし、狭い通路をひたすらに突き進んでいる。『光』が入ったせいで私の身体能力は大幅に向上しているようで、大柄な男と鍔迫り合いになろうが、苦もなく剣を弾き返して一閃に伏すことができる。

兎に角、先ずはここから脱出しないと。

「止まれ!」

「アイツだ、捕まえろ!」

「外に出すな!」

ああ、次から次へと!

前方から、更に5人の兵士がむらがってくる。3人は剣士で、2人は魔法使いのようだ。前衛と後衛、バランスが取れていて、相手をする側としては、出来れば遠慮したい構成である。

「ああああああああっ!」

手数で勝負なのか、一人の魔法使いが飛ばして来た複数の火の矢を跳躍して避け、着地するままに、続いて攻撃を仕掛けてきた兵士を切り伏せる。

私より動きが全然遅い。振りかざされる剣をいなし、相手の心臓に滑り込ませるように突きを放つ。引き抜きざまに、回り込んできた3人目の喉を裂く。

前を見ると、もう一人の魔法使いが仲間の盾になるように一歩踏み出す。隙を与えないように、交互に攻撃をする戦法らしい。もう後衛しか残っていないのだから、この判断は正しい。

この人は一際優秀なようで、『矢』系統の初級魔法ではなく、中級魔法である『槍』を大量に放ってきた。

「――『氷槍(アイス アロウ)』」

速い!

加えて数が多い。狭い通路、避けきれない。


―――だからと言って、特に問題はないけれど。

「『光壁(フォース アスピダ)』!」

文字通り、私の身体を覆い隠す程度の大きさの光の壁を形成する。外れた氷の槍は床に深々と突き刺さるが、私を狙うべく光の壁に命中したモノは、全て粉々に砕け散っていく。

ポカンとした、魔法使いの間抜けな顔。

綺麗な氷の破片が、宙を舞う。

二撃目を撃つべく、後ろのもう一人が、焦った表情で杖を振るう。魔力が凝集し、術者の命令に従い真っ赤な炎へと姿を変える。

させるか!

「『光槍(フォース ランシェ)』」

キラキラと光る破片の間を縫って、氷槍よりも数段速い光の槍が、二人の魔法使いを纏めて串刺しにした。

作りかけの炎の魔法が、虚しく飛散して消える。

「……ごめんなさい」

仲良く崩れ落ちる二人の横を抜けて、どこに有るかも知らない出口を目指してひたすら走る。

……もしかしたらこの人達は、ただお金で雇われただけの人かもしれない。自身の仕事をこなそうとしただけで、悪い人じゃ――――――………駄目だ駄目だ、こんな心の有り様じゃ。

今は悠長に悩んでいる暇なんて無い!前だけを見ろ!

私は、手の震えを潰す様に、血濡れの殺人道具を強く握りなお―――


――――――ッドオン!バヂイ、バチバヂイイッ!

な、何だこい―あああああ!

歯が立たん、早く兵を集めろ!何でこんなに時間が掛か――

ドッ!ザンッ、バヂイバヂッ


「…何?」

通路が揺れ、戦闘音と大勢の悲鳴が、コーラスの様に混ざり合う。が、そのけたたましい音は直ぐに止んでしまった。

嘘のように、静寂が訪れる。

恐る恐る、音のした方向を見ると、丁度、曲がり角の奥に重厚で大きな扉があった。

ええと…今の音は、この中かららしい。ここに来る迄にこんな大きな扉なんて無かった。危険な香りがするが、もしかしたら、外に続く道である可能性は捨てきれない。

私は足音を消し、気配を殺して扉へと近づく。勿論、道場破りのようにいきなり開け放ったりしない。ただの、様子見だ。扉まで2メートル程の位置で足を止める。

「……………?」

どきどきどき。未だ、静かなまま。扉に手を掛けようと、更に一歩、接近する。

……瞬間、

ガガガガガッガガッガガ、バアンッ!

轟音と共に弾けるように内側から扉が開き、爆風が視界を遮る。私は思わず顔をかばい、粉塵に包まれる扉から目を反らしてしまった。

攻撃魔法が扉に当たったのが原因らしく、ヂヂ、バヂと青い電流が走っている。

「ッ!…ケホっ、けほっ…なに―――」

何が、と、最後まで言い切ることが出来なかった。

砂煙の中から、焼き切られた人間の腕らしきモノが、私の髪をかすめ後方にぶっ飛んでいく。

最初の一人以外、返り血を浴びることを避けてきた私の頬に、赤黒い血液が付着する。

「…………あ」

別に、今さら血が肌に付く程度で動揺などしたりしない。

ただ私は、あるものから目を反らせずにいた。

部屋の中央に立っている、一人の男。

くたびれた黒い外套を羽織り、顔を隠すほど深くフードを被っている。右手には赤い模様の入った黒い刀、左手には、両腕の切断された兵士の胸ぐらを掴んでいる。その周囲に大量に転がっているのは、私が築き上げたのと同様、ここの兵士達の死体。

私はとっさに、扉の影に身を隠す。ひしゃげて出来た隙間から、こっそり様子をうかがう。

すると今尋問されているのか、更に強く締め上げられ、両腕の無くなった兵士が泣きそうな声で叫ぶ。

「ししし知らない!わ、私は、それらに関して何も聞かされていないっ!」

「黙れ。使徒とやらの実験で、強い魔力を持った奴を捕獲してるはずだ。何処にいる?場所を言え」

「だ、だから知らない!」

「もう足しか残ってないな。ま、片足あれば移動は出来るだろ」

「ヒイッ!?」

やれやれといった様子で、明らかに無茶な要求をしている。

…いやいやいやいや、苛立っているみたいだけど、片足は無理なんじゃ………

有言実行、とばかりに、男が刀を振り上げる。すると恐怖に耐えきれなくなったのか、今まさに片足になりそうな兵士が、今度こそ泣き叫んだ。

「ろ、牢のようなのは確かにあるが、いいい今は使われてない、見張りの人員も最初から居なかったんだあ!」

降り下ろしかけた手が、ピタリと静止する。

「……………………ここには居ないのか」

時間ねえってのに、と舌打ちでもするような、呟くように小さな声。身体能力と共に五感も強化されている私にはともかく、哀れな兵士さんには聞こえたかどうか。

それより、この人の目的は?誰かを探しにここに来た……?

使徒って何?その『誰か』は、私のこと…?

ぐるぐると纏まらない思考を巡らせていると、男が兵士から手を離して床に落とした。声にならない悲鳴を上げながら、這うように逃げて行く。もう彼に戦う力は残っていない、いや、心が折られたといった方が正しいか。

追撃する必要もないはずなのに、男が刀に力を入れる。模様が光り、青いオーラのようなものが刀に纏っていく。暗い部屋にゆらゆらと光るそれは妖艶で、とても美しい。でも―――

もう周囲に、兵士はいないのに。

嫌な予感が的中する。

男が、此方を振り向く。


「………そこの隠れてる奴、出てこい」

ですよね。

瞬間、私は全速力で走り出す。来た道をではなく、前―――相手に、向かって。…戻ってもどうせ捕まるんだ、前に進むしかない。お互い、刀をかまえる。

「女…?」

私の姿を見ると、男が少々驚いた反応を示した。が、私はお構いなしに光矢を放つ。

「待て、止まれ!」

甲高い金属音を響かせ、矢を全て弾かれる。ダメか、やっぱりこの程度では。

私は思いっきり床を蹴り、相手の頭上を飛び越えるように、高く、高く跳躍する。相手が上を見上げ、目があった。目まで青いんだな、なんて感想を抱きながら、相手と私を結ぶ直線が床と垂直になった時、

「『光盾(フォースアスピダ)』」

光の盾を蹴り、真下――相手に、体重、腕力、跳躍力、回転による遠心力を全て乗せ、力の限り勢いよく降り下ろす。

ギャリギャリギャリ、真っ赤な火花と、耳を塞ぎたくなるような、金属同士が激しくぶつかり合う音が木霊する。

「…ッ!」

相手が、僅かにバランスを崩す。でも、そんな私の全力の一撃も防がれてしまう。

でも、ここまでは計算通り。

「はッ!」

相手が私を押し退ける力を利用し、再度、高く飛び上がる。もう一枚光の盾を形成すると、相手は次の衝撃に耐えるべく、顔の前に刀を構え直した。

そして、光の盾を蹴り、私の身体は進行方向を変える。――――真下ではなく、相手の後方。

つまり、先へ続く通路へと。

私が選択したのは、まごうことなき逃亡。はなっからこんな化け物と刃を交える気なんて毛頭無い。まともに戦ったら勝敗なんて目に見えてるからね。

着地ざま、次いでに光矢を撃ち込んでおく。

「――!?おい、そっちは――」

またもや全て叩き落とされたが、だいぶ距離をとることに成功した。

直線だと魔法で狙い撃ちにされる、でもあの曲がり角まで行けば!

――バタバタバタッ

「―――あの女だ!ここで止めろ!」

大勢の足音、今当に進もうとした曲がり角から、兵士達が現れる。しかも、距離を取っているとはいえ、後ろには奴がいる。走り続けてきた足が止まった。前、後ろ、見比べても頭に浮かぶのは破滅のみ。

「嘘、逃げ場が…」

前方の魔法使いが、詠唱を始める。

一本道、手数が多ければ避けきれない、加えて剣士達もいる。どうしよう、盾で防ぐのにも限界が―――

「―『雷撃(ケラヴノス)』」

後ろから、詠唱が聞こえた。。私の方向へ、青い雷が凄まじいスピードで迫る。

「ッ!」

まともに反応出来ず、私が取った行動は、ぎゅっと目をつむり、普通の女の子のように腕で顔を庇う事だけ。

直撃―――

ガガガガガガガガッ!!

先程聞いたのと同じ、金属を裂くような轟音。でもそれは、私の遥か後方―――兵士達を凪ぎ払った。

「…え?」

一撃目に続き、私の真横を、次々と青い雷が通り過ぎていく。この威力なら、兵士との直線上にいる私を巻き込んでも、両方とも問題なく消し炭にする事が出来るはずであるのに…

頬に、汗が伝う。その衝撃と威力に気圧され、一歩、二歩、思わず後ずさる。

「――動くなッ!!当たるぞ!」

びくッ

鋭い声。頬に汗がつたっていく。

これは少しでもかすれば、痛いではすまない。

今の私は、戸惑いと焦りで酷い顔をしているだろう。そんな事はお構いなしに、敵を排除するべく、更に攻撃魔法が放たれる。

後ろを振り向くことも出来ないので、どのような形勢になっているかも解らない―――が、悲鳴がやみ、彼が魔法を撃つのを止めた事から、結果は明らかであった。

おそるおそる振り返ると、通路は焼け焦げ、身体のパーツが足りていない死体と、それ以外は人の形をした黒い人形があるだけという、それはもう酷い惨状。

そう、残っているのは私だけ。

…………助けて、くれたの?

つかつかと靴音を鳴らし、黒いのが近づいてくる。

「あの、えっと」

「あんまり警戒しないでくれ…俺はちょっと別件で来たんだ。アンタを捕まえようとかそう言うのじゃない」

困ったように笑って、そう言う。

いや、あの惨状を作り上げておいて警戒するなとかは無理だと思う。

「ええと……助けてくれて、ありがとう。私は優璃、神薙優璃と…言います」

「…ユーリ・カンナギ…?…カンナギってのは聞いたこと無いな。…ああ、悪い、紹介が遅れた。俺はネア。一応、ランク5の冒険者をやっている。別に畏まらなくていい、普通にしてくれ」

そう言って、今までずっと深くかぶっていたフードをとり、隠していた顔があらわになる。

黒い髪に青い目。整った顔立ちをしていて、とても格好いい人だ。年は私よりも上に見えるけど、どう見たって成人しているようには見えない。恐らく、18歳くらいだろうか。

と言うか、それより………

「ランク、5…」

その知識は頭に入っている。魔物を討伐したりする仕事を取り仕切っている、ギルドと呼ばれる組織において獲得できる最高ランク。それがランク5だ。先程の戦闘能力を見れば、確かに納得出来る強さだ。

「まあ、一応、な。それより……ユーリ、お前は、何故ここにいる?まさかとは思うが…使徒か?」

使徒?なにそれ、それは知らない。

と、いう私の顔を見てか、まさかな、と肩をすくめた。

「ま、いろいろと訳ありみたいだな。そういうのは慣れてる、詮索はしないから安心してくれ」

「うん、そう言ってもらえると助かるよ」

まさか異世界から来たとは言えないからね。質問されたらどうしようかと思った。

「とりあえず、外に出たいんだよな?俺も用事は済んだから、良かったら一緒に行かないか?」

「い、いいの?それは願ったり叶ったりだけど…」

「ああ、二人の方が速いだろうしな。俺が前に出るから、援護を頼む……と、その前に…」

私の全体をじっくりとながめる。

…な、なに?

「お前、目立つな。顔が割れたら不味いだろ?使い古したので悪いけど、取り敢えずこれ着とけ」

するとネアは、宙に魔方陣を描き、その中から黒い外套を取り出した。ネアが今着ているくたびれた黒い物とは全く別の、シンプルなデザインながらも品のある物。布地に光沢があって、一目で良いものだとわかる。外套と言うより、フード付きのマントといった方が正しいか。

そして、それをずぼっと私に着せた。

「わぷっ」

「ははは、ぶかぶかだな。顔も隠せ」

「う~…」

ぱちん、ぱちん、と2つの綺麗な銀の金具をとめ、更に、顔が隠れる程深くフードを被せてくる。

話から推測するに、恐らく此方の外套が、ネアが普段使っているものだろう。ランク5冒険者だと、やっぱり知っている人も多いはず、つまり、変装の為か。

…世話焼きで優しい人だというのは解ったけど……いささか強引じゃないかなこれは!

でも、お礼はきちんと言います…

「あ、ありが、とう…」

「ん。じゃあ、行こうか」

「…了解!背中は任せて」

私がそう言うと、何だか少し懐かしそうに笑う。その表情が、妙に印象的だった。





そこからの私達の進撃は相当なものだった。

ネアが道を開き、零れたのを私が矢で撃ち抜く。加えて、ネアが道を覚えていた為、そう苦もなく外へ出ることが出来たのだ。

「はあ…はあっ…はあ……」

「おー…何とか間に合ったな…」

今、私達は丘の上からとある教会を見下ろしている。そう、私が今まで逃げ回っていた施設は、なんと教会の地下であった。あれだけの規模の実験施設だ、やはり、他にも同じような支部がまだ複数あるのだろう。

でも、ここはもうお仕舞いだ。私達が見下ろしている景色、それは、大勢の騎士団の人達が教会の中になだれ込んでいく風景。

教会の奴等が必死の抵抗を見せているが、それも長くは持たないだろう。

私は、助かったのだ。

「ははは、この騎士団は優秀だな。この様子じゃ今晩中にかたがつく」

ネアが教会を見下ろし、笑う。

「さて、長かった戦いも終わり。お前はどうする?いく宛が無いんだったら、取り敢えず俺と――」

私の方を振り向いたネアの言葉が、止まる。驚いた顔で、心配そうに私の顔を覗きこんでくる。

「おい、どうした?…大丈夫か?」

「……終わってなんか、無いよ…」

ぽたぽた、透明な雫が、私の水色の目からとめどめなく溢れていく。

私は、泣いていた。戦いが終わって、緊張の糸が切れたと言うのもあるけど、それで安心してしまった自分がいた事が許せなかったから。

「と、友達が…!シエルが、いなくて……何処にも…!」

私は『光』が入ったせいか、今なら解る。シエルも、こっちに――異世界に連れてこられてしまったのだと。でも、あの施設にはいなかった。

あのアパートでの光景が、徐々に蘇っていく。

「おい――」

豹変した私を心配してか、ネアが私の肩をつかむ。

でも、だめだ――止まらない。

「玄関…の、所…血がたくさん、だった…!」

此方に来ていても、無事である保証は何処にも無いから。生きているのか、それとも、

「……すまないが、俺にはお前の抱えているものは解らない。でも、お前も…誰かを探してるのか」

「……え」

ネアが、先ほどの楽しそうな表情とは違う――どこか、辛そうに笑ってみせる。

「俺もな、仲間を探してる。半年前に、互いのやることを目指すって事で、一度別れたんだが…3ヶ月前に、ソイツが捕獲されたって聞いた。囮になって、仲間だけ逃がしたらしい」

当時の事を思い出すように、目を閉じる。

「当時ソイツの率いてた仲間がな、泣きながら報告してきたんだよ。おまけに、貴方が持っていて下さいなんて言って、包みを寄越してきた。中には、…ソイツの愛用してた武器が入っていた」

………それって、まさか、

困ったように、笑顔をつくる。

「………本当…形見みたいで、嫌だよな」

この人、まだ探してるんだ。絶望的状況なのに、相手が帰ってくることだけを信じている。

それに比べて、私はなんだ。

「…強いね、ネアは…あはは、私だけこんなに泣いて、バカみたい。大切に思ってるなら、信じないと、だめだよね」

「まあな、往生際が悪いとも言うけどなー」

「自分で言ったくせに、意地悪」

ネアが、今度は楽しそうに笑い、私の深く被ったフードを外す。目が合う、夜風が心地よい。

「はははは、それに、ほら。泣いてばっかじゃ、顔向け出来ないだろ。せっかくなら、笑顔で迎えてやれよ」

そういって、ぽんぽんと、安心させるように私の頭を撫でた。子供みたいで、この年でこれは少し照れ臭い。

「うん、そうだよね、絶対諦めない。あ、ありが―――」

すると、言い終わらないうちに、

「貴様等あ!そこでなにをしているッ!教会の仲間か?!」

…仕事熱心な、騎士団の皆様でした。

…………せめて、お礼くらいは最後までいわせて欲しい。このタイミングって何。

「おっとバレた~。此方まで人員回す暇があるのか、随分と余裕だな」

「この状況で、マイペースだね」

「お前もな」

緊張感ゼロな面持ちの私達は、丘の下を見下ろす。手柄を立てようと、数人の騎士が、かけ上がってくる所だった。しかし上り坂であるため、あまり早くはない。これなら、足止めをする必要もない。

「じゃ、行くか」

「うん。お世話に、なります。……本当に、ありがとうね」

フードを、深く被り直す。

今はただ、信じよう。先ずは、行動することから始めよう。

黒いマントの裾を翻し、私達は走り出した。



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