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絶望の仮想世界  作者: ぷらずま
第1部
2/22

射殺

※女の子がダメージを受けてる表現が苦手な方は閲覧をご遠慮下さいm(__)m

「…………うーん…」

酷く頭が痛い…

なんかすごい長い間眠っていたかのように、体を動かすのが怠い。

確か…

理科ちゃんが起動した直後、物凄い音が聞こえて…

多分今は例の別世界にいるのかな…

だとしたらすごい。

けど…

何故か音と言うものが聞こえない。

辛うじて聞こえるとすれば、僅かな風が、葉っぱを揺らす音くらい。

何がどうなったのだろう…

確かに、別世界に行った直後はアバターがまだ体に馴染んでないので、動きづらいとは言っていた。

ただ、動きづらいだけならいい。

しかしそれだけではなく、妙に気持ち悪く、すごく疲れている感じがする。

そして、怠さから閉じていた目を、そのとき私は初めて開いた。

目に入ってきたのは、たくさんの木と地面を覆う草。

どうやら森にいるらしかった。

動かすのが億劫な身体を無理矢理動かし、座る体勢になった。

それまでは仰向けで倒れていた。

私の格好は転送される直前のままで、あの装置を頭に着けてる感じもない。

まだ頭がずきずきするものの、思考を目一杯働かせて周囲を観察する。

やはり、木と草しか見えない。

上を見上げても、木が生い茂っていて空が全く見えない。

分かるのは、明るさはあるので昼間だということと、

「あれ…里菜ちゃん…?」

この場所にいるのは、私一人だけということ。

「里菜ちゃーん、里菜ちゃん!」

今出せる力を振り絞って叫んでも、返事はない。

近くの場所で転送されても、こっちに来る時はバラバラになってしまうということだろうか?

そして、こっちに来ても、理科ちゃんとはこっちに来ても会話は出来ると言っていたんだけど…

「理科ちゃん…?聞こえる?」

しばらく待っても、全く反応が無かった。

何か事故でも起きてしまったんだろうか?

妙に気持ち悪いし…

とりあえず、今ここでじっとしてても何も変わらないと思い、体を慣らすついでに森の中を歩きだした…


―かなりの時間がたった。

だんだん暗くなり始めたので、現実時間と同じように時間が流れているなら約6時間…

その6時間の間、私はずっと歩き続けていた。

体には慣れたものの、疲労しすぎでもう歩けない…

6時間森の中を歩き続けても、景色はほとんど変わらず木と草ばかり。

歩いていて気づいたけど、生き物は全くいないようだ。

蚊とかに刺されたり、せめて虫は見かけるかもしれない森の中を歩き続けてもそんな物は全く見かけなかった。

もう立っていられなくなり、その場に座り込む。

他の皆はどうなったんだろう…

一体何が起こったのだろう…

疑問ばかりが、頭の中に浮かぶ。

その疑問も、疲労と、疲労からなる睡魔に襲われ私の意識と共に深い闇に落ちた…



翌朝。

周りに明るさが感じられるので、多分朝になったんだとおもう。

そしてその瞬間、1つ気がついたことがあった。


今現実の世界では、どうなっているのだろう…


もし同じ時間が経っているんだったら、私達は私の部屋で死んだように眠っているんだと思う…

だとしたら、もしそれが親に見つかったらどうなるんだろう…

すごく親を心配させてしまう…

どうしよう…という考えのみが、私の頭を支配した。

でも、現状私はこのよく知らない別世界を歩き続けることしか出来ない。

解決のために、歩き続けるしかない。

そう思い、出口の見えない森を私は再び歩き出した…


「はぁ…はぁ…」

昨日、お昼ご飯を食べてから何も食べてない。

寝てもそれほど体力は回復せず、疲労がどんどん私の体に蓄積されていく。

このまま餓えてこの世界で死んでしまうのだろうか…

でも、転送されてるのは精神だけ。

なんとかなるだろう…

なんとかなってもらわなくちゃ困る…

しかし、歩いても歩いても森から出られず、気も滅入ってしまう。

「もう…無理…誰か助けて…」

遂に私はその場に座り込んでしまった。

寝ようにもお腹が減って寝れないし、そもそも眠くない。

それに疲れすぎてもう動けない。

ここで誰かの助けを待つしかないのだが…

誰かが来てくれる気配など微塵もない。

と、思っていたそのとき。


―がさがさっ―


「!!」

草を踏み締めて歩く音。

人がいるのだろうか。

とにかく大声で叫んだ。

「すいませーん! そこに誰かいるんですかー!」

声に気づいたのか、音が大きくなる。

「助けて下さい! 助けて下さい!」

やった… 助かった…!

しかし

「助け… ……!」

現れた人物は、いや、人と呼べるかどうかも分からない「人形ひとがたのそれ」は、長い、狩猟に使う銃を持っていた。

銃口をこちらに向けて構えている。

「あ、あの… べ、別に怪しいものじゃないです… 道に迷ってしまって…」

説明をしても、相手は銃を下げる気配はない。

「あ、あの、もしよかったら、助けて下さいませんか…… ひっ!?」

ガチャンと音がした。

よく見ると引き金に手を添えている。

このままでは撃たれてしまう…

「あの、本当に道に迷ってしまっただけなんです… 助けて下さい…」

その後しばらくの無言の間。

手をあげ、その姿勢のまま相手の行動を伺う。

そして、銃口が下がった。

「……! あ、あの、」

次の瞬間。


バンッ!!


「………!! あぐっ……!」

脚を撃たれた。

……殺されてしまう。

「あああ…… 痛い痛い痛い痛い……!!」

激痛が襲った。

痛みでうずくまってしまう。

「あの、本当に迷っただけなんです… 助けて…」

頑張って痛みをこらえて、なんとか顔をあげ説得する。

しかし全く効果はないようだ。

相手が近づいてくる。

殺される。

助けて助けて助けて助けて助けて…

想いが無駄に終わる。

額に銃口を当てられる。

「……! あ、ああ… ああああああああ!!」

引き金が徐々に引かれていき、


直後、辛うじて音が聞こえ、痛みが襲う前に私は意識を失った。



―――

「はぁっ…!はぁっ…!はぁっ…!」

……生きている…

目の前が真っ暗だ。

死んでしまったのではないのだろうか…?

頭に何かを着けてる感じがした。

「それ」をとる。


「……あ…!」

私は、現実の世界に戻ってきていた。

脚に痛みはなく、目の前には里菜ちゃんが装置をつけながら、眠っているかのように床に横になっている。

呼吸はある。

ふと、机の上にある時計をみた。

別世界に行く前の時間から、3分くらいしか経っていなかった。

「……どういうことなの…?」

その直後、私の携帯がヴォンヴォンとなる。

LINEからの通知みたいだ。

すぐさま私はLINEを開く。

相手は理科ちゃんだった。

どうやら強制退出したことが分かっているらしい。

『どうしたの!?大丈夫!?』

「大丈夫じゃない… その前に、どうしたのは私が聞きたいんだけど…」

『ごめん! どうやらいつの間にかウィルスに感染されてたみたいで、私もびっくりした…』

「なんかこっち3分ぐらいしか経ってなくない? 私すごい長い時間向こうにいたんだけど…」

『うん、そのことなんだけど、向こうの一時間はこっちの10秒なんだ…』

なん…だと…?

『説明し忘れてた、ごめん…』

「…ってことは、今も里菜ちゃんたちにはすごい時間が経っているってことじゃん…早く起こさないと…」

『いや、今向こうの時間は止まっているんだ。』

え?

「どういうこと?」

『ちょっと話をそらすけど、私はあのとき3つほど、他のと違う特別な装置を混ぜたんだ。』

『その特別なのを使って転送された人がこっちに戻ってくると、向こうの時間は止まるようになっているんだ。』

「……ってことは、私のはその特別なやつってこと?」

『そう。残りの二つは、朱口里菜ちゃんと、いいんちょーが持ってる。』

―理科ちゃんの言ったいいんちょーとは、私達のクラスの学級委員長の取手未乃ちゃんのことだ。

彼女はリーダーシップがあり、今までも何度も指揮ってくれた。

人柄もよく、来年度の生徒会役員の候補にもなっている。

ゲームはあまりやらないそうだが、テトリスだけはやりまくっているそうでとても上手い。

みんなからは親しみをこめて、いいんちょーとかと呼ばれている。

「そうなんだ… その特別、って具体的に他に何ができるの?」

『かなり優遇されてる、って訳じゃないけど、その世界のシステムを少しだけ変えることが出来るんだ』

「それってすごいことじゃないの!?」

『まぁすごいっちゃすごいね… そこまで大きなことは出来ないけどね』

「そうか~… で、どうなってるの!? 私、死んじゃったんだけど…」

『嘘… それでこっちに戻ってきたの?』

「多分そうだと思う… 頭を撃たれて、気づいたらここにいたから…」

『そっか… ほんとにごめん… すごく苦しいことさせちゃったね…』

「うん… 正直、もう入りたくない…」

多分、私はまた向こうの世界に行かなくてはならない事になるだろう。

『ごめん… でも、莉奈ちゃんにはもう一回入ってもらって、その世界を変えてもらうしかないんだ…』

…やっぱりか…

「…で、どうすれば変えられるの?」

『うん… まずは、二人を探すんだ。そして、その二人と力を合わせれば変えることが出来るんだ』

「三人じゃなきゃだめなの?」

『うん… 本当にごめん… 続きは残りの二人に合流してからまた話すよ』

「分かった」

『あと、このウィルスは多分、莉奈ちゃんの精神も砕いてくると思う…』

「どういうこと?」

『実は他のみんなはその特別な装置をつけて転送されている人の前で殺されることで、こっちに戻ってこれるらしいんだ。逆に言うと、そうじゃなければみんなはこっちに戻れない』

「………! みんなの死に際を見なきゃダメなの?」

『そういうことになるね…』

「嫌だよそんなの… 私が見てる時に殺されなきゃ戻ってこれないなんて…」

『………ごめん… でも、莉奈ちゃんがクラス全員分見る訳じゃないから… それに、実際に死んじゃった訳じゃないから…』

「でも…… あ…」

不意に、頭痛が襲った。

「頭痛い…」

『!! ごめん、多分莉奈ちゃん達はこっちに戻っていられる時間は10分くらいかも!』

「………」

『多分もう少しでまた転送されちゃうから、急いで二人と会って!』

『また莉奈ちゃんがこっちに戻ってこれるのは、死んじゃった時かもしれない…』

『悪いけど、今はもうこれ以上話せないから、続きはまた今度話すから…』

頭痛で働かない思考を無理矢理働かせて、言葉の意味を理解しようとする。

『とにかく、』

そのあとの言葉を理解しようとする前に、私は酷い頭痛で意識を闇に葬られた…―――

見て下さりありがとうございますm(__)m


もし、何かおかしなところとかありました連絡下さい。

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