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絶望の仮想世界  作者: ぷらずま
第1部
19/22

死超の拷問

ーーーー

「ん………」

目が覚める。

私は冷たい地面に横になって寝ていた。

石畳の地面、煉瓦の家。

その場所に似合わない小さな石ころが周囲にいくつか、転がっていた。


ワァァァァァァ…………!

家の壁の向こう側から、たくさんの人の声が聞こえてきた。

歓声だ。

何か良いことでもあったのだろうか。

私も、その"良いこと"が何か気になる。

ちょっと見に行ってみよう。

野次馬になろう。

でも、多分、私がその様子を見ようとすればーー


「…………」

私は煉瓦の壁の表に出た。

ーーその歓声は止むだろう。


「やったぁぁぁ…………っ!?」

「これでもう大丈……ん?どうした?」

「おい!見ろぉー!」

一つのそれが、私を指差して大きな声で叫んだ。

「魔女はまだ生きてるぞ!!!」


「捕まえろ!!」

「気を付けろ!何をするか分からないからな!」

「なんで生きているんだ!?その穴の下で、爆破させたはずなのに……!」

「構わない!さっさと拘束しろ!今度こそ……」

大人の男の姿をしたのが数個、武器を持って私に近づいてくる。

「殺せ!!!!」

「……ぐっ…!あ…………っ!」

ナイフでお腹を刺される。

拘束するのか、殺すのか、どっちなの。

はぁ……痛い……。

痛いっていうかもう死にそう。

お腹を押さえてうずくまる。

「ぶっ!」

そうしかけた私の顔に、思いきり蹴りをいれられる。

前に倒れかけていたのに私の身体は後ろに吹っ飛ばされる。

飛んだその先には家の壁が。

頭を強くぶつけて、私の意識は闇に……


落ちなかった。

「っ…………いった……げほっ」

私が吹っ飛んだ後も追いかけていたそれは、私のお腹目掛けて飛び蹴りをしてきた。

「……が…っあ゛……………」

お腹に刺さっていたナイフが、更に深く突き刺さり抉れる。

痛い。

っていうか普通もう死んでるでしょこれ……。

そう思えるくらいの意識はまだあった。

「っ……おら、死ね、早く死ねっ!!」

跳び蹴りをしてきたそれが何度も私に蹴りをいれてくる。

私は壁に背中を合わせた状態で頭、胸、お腹に何発も蹴られた。

頭にいれられる度に意識は飛びそうになり、胸にいれられる度に肺の空気が全て抜け、お腹にいれられる度に刺さったままのナイフが更に抉る。

生きているのが不思議なくらいだ。

いや、もうどうなってもおかしくないのかもしれない。

ガンッ!!

頭痛い。

後頭部から血が出ている、では済んでいないだろう。

最後に大きい蹴りを私の頭にぶちこんだそれは、蹴りの連打を中止した。

私は死んだように、反動で頭を前に倒す。

「……ゲボッ………………っは…………っは…………」

血を吐く。

痛すぎてもうどこがどうなっているかなんて分からない。

「意味わかんねぇ……早く死ねよ……!」

さっきまで蹴りをいれていたそれは私の髪を掴み、身体を立たせた。

ナイフを握り思いきり横に切り裂いた。

「あ゛っ…………っ……」

ぶちぶちと私のお腹から音がする。

身体の中から身体の重さが前に動いた。

お腹を押さえると、生暖かかった。

それに、普段ではまず感じ得ない感触。

「うわ……気持ち悪……」

髪を掴んでいたそれは手を離し、後退する。

私の身体は重心のままに前に倒れこむ。

「…………ゲホッ」

血を吐く。

私の下は赤かった。

呼吸もまともにできない。

身体も動かせない。

痛みのせいで余計なことを考える暇もない。

……っていうか、何も考えられない。


ーーーー

気付いたら目が覚めた。

目が覚めたから気付いたのか。

どうでもいい、それより元から動かせなかった身体が、動かせなくなっていた。

両手首と両足首に鎖を巻かれ、上から吊るされている。

吊るされているといっても、脚は地面に着くか着かないかの高さ。

かもしれない。

視界がぼやけてよく見えないけどつま先の指の先がほんの少し着く程度。

というか下はあまり見たくない。

お腹から変なものが見えるし。

しかし頭を上げられるような気力も無かった。

常識的に考えたら私は死んでいる。

この重傷で眼を開け、虫の息だろうが呼吸が出来ているのはおかしいはずだ。

なんでこんなことに……。

ビシッ

「あぐっ…………」

痛い。

何?

「目を開けてるぞー!早く殺せー!」

ビシッ バシッッ

「………………っ」

鞭のような物で身体を打たれる。

地味な痛みが激痛に拍車をかけている。

何がしたいのか分からない。

「そんな生温いやり方じゃダメだろ!」

周りがうるさい。

「お前そこどけ!」

「とりあえずそこらへんにあるものなんでもいいからぶつけとけ!」

その直後に、石が飛んできた。

1つじゃない、2つ、3つと飛んできて、その数は次第に増えていった。

石は強く顔や身体に飛んでくる。

1つの少し大きめの石が、左目の視界を遮った。

「い゛っ……あ゛…………」

直後、左目に激痛が走り、暗転する。

熱いものが流れる感じがした。

鼻や口からも血が流れる感触。

腕や脚も、同じ感じになる。

呼吸もまともにできない、意識も朦朧とする。

身体中が痛くて痛くて今にも気を失いそうなのに、私は未だに生きている。

口の中も血でいっぱいだった。

石が口に当たり、歯が欠ける。

着ていた服はボロボロ、土汚れと血で制服という物には見えない。


「止めろ」

しばらくし、そのような声が聞こえる。

徐々に石の雨が止んでいく。声が聞こえなくなっただけで、どういう状況なのかは把握できない。

左目は潰れ、まともな右目は開ける気力が無い。

顔もあげられない。

私の体で唯一機能していたのは耳だけ。

足音が近付いてくる。

「質問に答えろ」

耳元で声が聞こえた。

「貴様は何故ここにいる」

勿論口を動かす気力も、喉から音を出す気力も無い。

勝手に動くなら話は別だけど。

「やれ」

右腕に何かを押し付けられる。

すると、右腕から引き摺り裂かれるような感触。

「…………っ!」

声にならない声が漏れる。

思わず目を開くと、大きなノコギリが私の右腕を上下に裂いていた。

ズッ、ズッという音がしたと思うと、すぐにゴリゴリという音に切り替わる。

「貴様は何故ここにいる」

さっきと同じ質問をされる。

知らないよそんなの……。

私だって来たくてここにいるわけじゃない。

そう思っていると。

「どけ」

私に質問をしたそれは私の腕を裂いていたのを横に退けて剣を抜き、構えた。


次の瞬間、風が吹いたかと思うと、私の右腕と、右腕を張り付けていた板が吹き飛んだ。


「っ……あ゛…………!」

さっきまで少しだけあった感覚が、完全に遮断される。

「うわぁーっ!腕が飛んできた!」

「そんなもんさっさと遠くに投げちまえよ!」

痛い。

いや、痛みなんてもう分からない。

「答えろ」

「…………」

私が黙っていると、それは前を横切る。

また風が吹く。

さっきのように、次は左腕が吹き飛んだ。

「……ぁ…………っ」

痛みを通り越し、最早何が起きたか分からない。

左腕の感覚が無くなった。

まぁ感覚があったとしても動かす気力はもう無いんだけど。

ドスッ

「げぇっ………………」

臓物が出てるお腹に膝蹴りを打ち込まれる。

それは再び私の目の前を横切ると、どこかへ行ってしまった。

ボトッ、っと上から腕が落ちてくる。

どれだけ高く上げたの。

落ちた腕に、断面から流れた血が垂れていく。

もう帰りたい。

「再開だ!死ぬまで色んなもんぶつけとけ!」

ゴッ……ガッ……

さっきみたいにまた石が投げつけられる。

…………。

死んで楽になることができるのなら、早く死にたい。

殺してほしい。

今更、死に恐怖なんて抱かない。


投石はその後も続いた。

身体の至るところから血が出ていた。

普通なら出血多量のショックや酸欠で死んでいるはずの量を遥かに超えた量を既に流してている。

なんでまだ生きているのか。

逆に、私はどうしたら死ぬのか。

何が、変わったのか。

すると、ガラガラという音が近づいてくる。

「処刑を始める」

ヒュヒュッと音がし、また、風が吹いた。

もう知らない。

首と胸に巻き付けられていた鎖が外され、四肢が切断された人はその場に倒れる。

倒れるというより、鎖が解かれた瞬間にその場に落ちた。

歩くことも物を掴むことも、この身体じゃもう何も出来ない。

だけど、一度死ねば、元の身体に戻るだろう。

それが次に飛ばされるのがこの世界だろうと、元の世界に戻るだろうと。

身体を掴まれ、持ち上げられる。

私の身体を見たら、それはもう人の形ではなかった。

ただの物だ。

仰向けにされ、台の上に乗せられる。

真上には、大きな刃が鈍い光を放っていた。

凹みのある板のところに首を置かれ、その後に同じような凹みのある板に首を挟まれる。

胴体にも紐を巻き付けられるような感覚。

私の知識が正しければ、頭の下にはバケツのようなものが置いてあるのだろう。

辺りが静まり返った。


「不死身の魔女に制裁を」


ギロチンの刃が落ちてくる。

首が切断されれば流石に死ねるだろう。

過去にも頭を撃ち抜かれた時は私は死んでいた。

私の生死を司る器官が、通常の人間と違うのなら、私は脳以外を損傷しても恐らく死なないだろう。

知らないけど。

頭だけで生きてるなんて恐いしもう生きたくない。

さぁ。


…………。

もう帰らせて。

いつもの、笑っていられる日常へ。

明けましておめでとうございます


年内に上げると言ったな、あれは嘘だ。

すいません、年末は忙しくて書けませんでした。

だったら早く書けという話なんですけどね……

ゲームが楽しくてなかなか小説が書けない、困ったものです。


こうなるのを防ぐべく、この話も早く完結させたいところですが、まだ書きたいというかやりたいこともあるのでまだ終われない。

なるべく早く書きます、はい。

後伸ばしにしてるとゲームのせいで書けなくなりますからねほんと。


やりたいことはまだあるので、早く終わりを読みたい人には申し訳ありませんが、まだリョナは続きます。

やりたいことをやりつくして終わりたい。

未練が残りますからね、勘弁してください。


しかしこう話も全然上げないのもどうかと思うので、二月(ふたつき)に1話は上げたいなと

まぁ……分からないですけど

1年に3話は流石にヤバいのでもうちょい頑張りたいです。


では、本年もよろしくお願いいたします。

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